キャッシュカード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 23:40 UTC 版)
歴史
キャッシュカードは、もとはATMを介して金融機関と預金者との間の現金の出し入れを主な目的に利用されるカードで、これが口座間の資金移動や決済手段としても利用されるようになった[1]。
決済の手段は、米国ではパーソナルチェック(個人用小切手)や1950年代に導入されたクレジットカードが普及したのに対し、日本では現金とキャッシュカードによる決済が主流という状況が続いた[1]。電算化が行われる以前、日本においては預金通帳を介した取引が行われ、預金払戻しの意思確認は届出印の捺印に拠っていた。
銀行では現金自動支払機 (CD) の導入後に、入出金機能も有する現金自動預け払い機(ATM)が開発されると顧客の利便性を高めるため普及を進めた[2]。ATMの支店外への設置増加や多機能化で、キャッシュカードは口座間の資金移動や決済手段に利用されるようになった[1][2]。その際に認証に用いる媒体として預金通帳と届出印に代えてキャッシュカードと暗証取引が登場した。
最初期のキャッシュカードはカードに鑽孔したパンチカードに近いものであった。その後、プラスチックに磁気帯をつけた磁気ストライプカード、更にICチップを搭載したICチップ内蔵カードが普及した。
一部を除く日本の銀行のキャッシュカードは、ジェイデビット (J-Debit) システムによるデビットカードとしての使用が可能であり、銀行口座の残高を以って、J-Debit加盟店での決済に利用できる。取引内容も当初の預金払戻しに加えて、預入、振込、定期預金の預入、宝くじ購入など範囲が広がっている。
- ^ a b c d e f 大寺廣幸. “米国のクレジットカード… 過去・現在・未来”. 郵政研究所月報(2001.7). 2021年9月16日閲覧。
- ^ a b c d 長岡壽男. “ATM戦略の発展過程とその考察”. 関西大学. 2021年9月16日閲覧。
- ^ “磁気ストライプのカード発行中止”. 日本経済新聞. 2021年9月16日閲覧。
- ^ a b “【Olive】キャッシュカードを使って口座振替契約の申込みはできますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行”. qa.smbc.co.jp. 2023年5月23日閲覧。
- ^ a b “【Olive】ジェイデビットカードサービスの利用はできますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行”. qa.smbc.co.jp. 2023年5月23日閲覧。
- ^ “東奔西走キャッシュレス(7) SMBCグループが導入する金融サービス「Olive」の疑問をチェック”. マイナビニュース (2023年2月13日). 2023年5月23日閲覧。
- ^ a b 相次ぐ「生体認証カード」詐欺 ATM引き出し限度額の20倍 警視庁 産経新聞 2015年10月18日
- ^ “【70歳以上のお客さまへ】 カードによるお引き出しの一部制限について|店舗・ATMのご案内|横浜銀行” (pdf). 横浜銀行. 2023年5月23日閲覧。
- ^ a b 代理人カード みずほ銀行
- ^ ICキャッシュカード 三菱UFJ銀行
- ^ 代理人カードは発行できますか? りそな銀行
- ^ キャッシュカード(ICキャッシュカード) 商品詳細 三井住友銀行
- ^ 「会員情報からカード偽造 地銀など9機関 被害総額4億1000万円」産経新聞、2008年11月12日付朝刊27面。
- キャッシュカードのページへのリンク