カロリング小文字体 文化伝播に果した役割

カロリング小文字体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 07:58 UTC 版)

文化伝播に果した役割

カロリング・ルネサンス期の学者は、それまで忘れ去られていた多くのローマのテキストを探し出し、新しく読みやすい標準化された文字で筆写した。古典文学に関する現在の我々の知識の大半は、カール大帝写字室で作られた写本に由来する。8世紀から9世紀の間に書かれたものだけでも、7000を超えるカロリング期の写本が現在まで残っている。

カロリング小文字体はブラックレターに取ってかわられたが、初期ルネサンス時代の人文主義者にとってカロリング期の写本は完全に「古典的」なものであったため、カロリング期の写本が古代ローマの原本と勘違された結果、ルネサンス時代の書体はカロリング小文字体を元にして作られた[2]。その後、おなじ書体がヴェネツィアのアルドゥス・マヌティウスなどによる15世紀から16世紀の活版印刷にも使われた。近代の小文字の活字はこのようにして形成された。

関連項目

外部リンク

  • Carolingian minuscule ダイアン・ティロットソン博士による中世の書法に関するウェブサイト
  • Pfeffer Mediæval (カロリング小文字体フォント。ほかにゴシックとルーン文字も含む)

  1. ^ E.K. Rand (1929). A Survey of the Manuscripts of Tours. Harvard University Press  がトゥールの写字室の作品を再構している
  2. ^ Berthold Louis Ullman (1960). The Origin and Development of Humanistic Script. Rome. p. 12 


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