さよならを待つふたりのために
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 02:45 UTC 版)
出版
2011年12月21日、アメリカ最大の書店グループであるバーンズ・アンド・ノーブルは本作を予約した人々に予定より早く本を配達してしまった。誤って配達されたのは1500部ほどであった。グリーンは「間違いが起きた。しかし、ミスをした人々は無能でもないし、悪人でもない。また、故意でやったわけでもない。人間は誰でも間違いを犯す。今回の一件でバーンズ・アンド・ノーブル社やその従業員が批判を受けるのは好ましくない。」という声明を出した[5]。本を受け取った多くの人々は、他の読者の楽しみを奪わないでほしいというグリーンの願いを受け入れて、当初の配達日(2012年1月10日)まで読み始めないこと、そして、翌11日まで本について言及しないことを確約した。その約束は守られたものとみられている[6]。
2011年6月に出版されるとすぐに、本作はAmazon.comで販売されているバーンズ・アンド・ノーブルの本の中で最も売れている本となった[7]。グリーンは事前に本作を予約した人全員に直筆でサインをした。彼はサインをするのに使うシャーピーを一般の読者に投票で選んでもらうことにした。その結果、15万部のサイン本にはその得票数に応じた比率で、様々な色を用いてグリーンのサインがなされた[8]。しかし、海外の書店で本作を予約した人々の中には、サインの入っていない本を受け取ってしまった人がいた。書店が売れると見積もった冊数が実際よりはるかに少なく、慌てて追加注文を出した時にはグリーンは本へのサインを終えてしまっていたからである。グリーンはこの事態を受けて、事前注文したにも拘らず自分のサインがない本を受け取ってしまった人はEメールで自分に連絡することを求めた。彼らにはグリーンのサイン入りのブックプレートが贈られた[9]。多くのファンがGreenというタグをつけてTumblrやTwitterなどで手作りのブックカバーを公開した。タグがついていたために、グリーン本人もそれらのカバーを見ることができた。非常に多くの投稿がグリーンの本を出版しているペンギン・ブックスに刺激を与え、ペンギン社は2006年に出版したグリーンの小説『Abundance of Katherines』に使用するファンがデザインしたブックカバーを探し始めた[10]。
本作はニューヨーク・タイムズの2012年1月29日付のベストセラーリストの児童書部門で1位に輝き[11]、7週間連続1位となった[12]。2012年8月にイスラエルでヘブライ語訳が出版されたのを皮切りにオランダ語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、スウェーデン語、デンマーク語、アイスランド語、中国語、ポルトガル語に翻訳されていった。本作はニューヨーク・タイムズ以外のベストセラーリストにも載った。ウォール・ストリート・ジャーナルのベストセラーリストやインディーバウンドのベストセラーリストでは1位、ザ・ブックセラーのベストセラーリストでは9位となった。本作はニューヨーク・タイムズの書評欄にも取り上げられた[13]。2012年12月には、本作に関するQ&Aをのせ、銀色のカバーで装幀した特別版「コレクターズ・エディション」が出版され、バーンズ・アンド・ノーブルから販売されることが発表された。なお、特別版の初版のほとんどに印刷ミスがあった。第1章の数ページが本の最後にあるはずのQ&Aに置き換わっていたのである[14]。2013年1月、本作は発行部数で100万部に達した[15]。
- ^ ウィリアム・シェークスピア『ジュリアス・シーザー』23頁 小田島雄志訳、白水社、1983年
- ^ a b “How John Green Wrote a Cancer Book but Not a 'Bullshit Cancer Book'”. 2014年8月6日閲覧。
- ^ a b “Interview with John Green”. 2014年8月6日閲覧。
- ^ a b c d e “Questions about The Fault in Our Stars (SPOILERS!)”. 2014年10月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年8月6日閲覧。
- ^ “The Leaking of The Fault in Our Stars”. 2014年10月12日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “There Will Be NO SPOILERS!!!”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “Tweeting from a La-Z-Boy, An Unfinished Book Hits No. 1”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “THE FAULT IN OUR STARS”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “Question Tuesday: THE FAULT IN OUR STARS IS HERE EDITION”. 2014年3月10日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月12日閲覧。
- ^ “An Abundance of Katherines”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “January 29, 2012”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The Young and the Sociable”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The Fault In Our Stars”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “The Fault in Our Stars’ collector’s edition publish date pushed back”. 2014年11月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月13日閲覧。
- ^ “John and Hank Green rock Carnegie Hall”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “Fox Options John Green's 'Fault in Our Stars'”. 2014年10月2日閲覧。
- ^ “'The Fault in Our Stars' Movie Lands Director”. 2014年10月2日閲覧。
- ^ “Laura Dern Joins ‘Fault in Our Stars’”. 2014年10月3日閲覧。
- ^ “Ansel Elgort offered lead in 'The Fault in Our Stars' opposite Shailene Woodley -- EXCLUSIVE”. 2014年10月3日閲覧。
- ^ “Nat Wolff cast as Isaac in 'The Fault in Our Stars' -- EXCLUSIVE”. 2014年10月3日閲覧。
- ^ “Fox 2000 shoots for 'Stars' in Pittsburgh”. 2014年10月3日閲覧。
- ^ “The Fault In Our Stars (2014)”. 2014年10月3日閲覧。
- ^ http://movie-k.com/the_fault_in_our_stars.html
- ^ “シャイリーン・ウッドリー主演のベストセラー青春小説映画化作、日本公開決定”. 映画.com. (2014年11月4日) 201-11-04閲覧。
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