血糊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/25 08:49 UTC 版)
血糊(ちのり)とは、演劇などの舞台芸術や医療現場で出血表現に用いられる血に似た小道具である[1][2]。もしくは、接着剤の糊のように粘性をもつ血のことであるが、ここでは小道具を説明する[1]。
日本の歌舞伎などでは、紅色の染料にうどん粉などを入れた血紅・糊紅(のりべに)[3][4]、卵の殻に小さな穴をあけて血紅を入れた卵紅[5]などが使用された。
白黒映画の時代にはチョコレート・シロップが出血表現に使用された[6]。
歴史
1950‐70年代にかけては、イギリスのハマー・フィルム・プロダクションでは、Kensington Goreと呼ばれる血糊が映画製作に使われたが、他の映画製作の現場では不評であった[7][8]。同時期のハリウッドでは、着色されたコーンシロップが使われ、口に入っても安全で、さまざまにアレンジがなされた。1971年の映画『What's the Matter with Helen?』から使われるようになる化学メーカーの3Mが開発した色がすぐに落とせる血糊 Nextel Simulated Blood を開発し、リテイクが多い映画製作現場で重宝され、警察や救急訓練の現場など様々な現場で使用された[9]。
1981年の映画『死霊のはらわた』では、コーンスターチ、食用着色料、インスタントコーヒーが使用された[10]。出血表現のために、注射で圧力をかけて噴出させるなども行われる[10]。
出典
- ^ a b 「血糊」。コトバンクより2023年3月21日閲覧。
- ^ Nast, Condé (2004年5月17日). “特殊メイクによる「生々しい傷」、救急訓練の現場で活躍”. WIRED.jp. 2023年3月21日閲覧。
- ^ 「血紅」。コトバンクより2023年3月21日閲覧。
- ^ 「血紅・糊紅」。コトバンクより2023年3月21日閲覧。
- ^ 「卵紅」。コトバンクより2023年3月21日閲覧。
- ^ Seckel, Al. Masters of Deception: Escher, Dali & the Artists of Optical Illusion. Sterling Publishing Co., Inc. p. 200. ISBN 1-4027-0577-8. Retrieved May 23, 2006.
- ^ Smith, Gary A. (2015-09-03) (英語). Uneasy Dreams: The Golden Age of British Horror Films, 1956-1976. McFarland. ISBN 978-1-4766-0530-2
- ^ Jackson, Kevin (1998) (英語). The Language of Cinema. Carcanet. ISBN 978-1-85754-232-5
- ^ “Why Does Blood Look So Strange in Old Horror Movies?” (英語). www.theringer.com (2020年10月28日). 2025年12月25日閲覧。
- ^ a b Multimedia Publications “Hollywood Tricks of the Trade” New York; Gallery Books, 1986 p.128-148
関連項目
- 特殊メイク
- ガンエフェクト
- 暴力シーン ‐ 流血表現(ゴアなど)などが多いシーンなど。
- コンピュータゲームのレイティングシステム、映画のレイティングシステム - 出血の描写などで年齢制限がかけられる。
外部リンク
- Blood Recipes at the Wayback Machine (archived 12 April 2016) - 血糊の作り方
- >> 「血糊」を含む用語の索引
- 血糊のページへのリンク