io_uring
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io_uring (旧aioring) はストレージデバイスの非同期IO操作のためのLinuxカーネルのシステムコールインターフェースの一つであり、類似インターフェース(ファイル記述子を介してアクセスされるデータを操作するread()
/write()
やaio_read()
/aio_write()
のような関数によって提供されるもの)におけるパフォーマンス問題に対処したものとなっている[1][2](p2)。
このインターフェースの開発は進行中であり、主に Meta のジェンス・アクスボーが作業を行っている[1]。
インターフェース
この io_uring は I/O リクエストの提出 (submission) と完了 (completion) それぞれを保存するために2つの「キューリング」と呼ばれるリングバッファを作成することによって機能する。ストレージデバイスの場合、これらキューは「提出キュー (SQ)」と「完了キュー (CQ)」と呼ばれている[3]。これらのバッファをカーネルとアプリケーション間で共有し続けることは、両者の間でバッファをコピーするための余分で高価なシステムコールの発行を不要にし、I/Oパフォーマンスを向上させる[1][4][3]。io_uringの設計書によれば、SQバッファは利用アプリケーションによってのみ書き込み可能であり、CQバッファはカーネルによってのみ書き込み可能となっている[1]:3。
歴史
元々Linuxカーネルにおいてはバージョン2.5以降より長らく非同期IO APIが搭載されていたが、この古いAPIの使用は難しくかつ非効率であると見られており[5]、また特定のニッチなユースケースにのみに向いたものとなっていた[6][7]。
2019年、Linuxカーネル バージョン5.1 において独自の非同期APIである io_uring カーネルインタフェースが登場し[1][4][8]、またユーザースペースから簡単にカーネルインタフェースとやりとりするためのliburing
ライブラリも用意されるようになった[1][1]:12。
その後、2020年代にはこの io_uring を採用したソフトウェアが数々登場した。これには後述のライブラリのほか、Intel Cloud-Hypervisor 0.9以降[9]、Limbo(SQLite互換実装)[10]、PostgreSQL 18 以降(予定)[11]などが存在する。
io_uringを使用したライブラリ
- Seastar - C++によるthread-per-coreなサーバーアプリケーション向けフレームワーク。オープンソース。リアクターの実装にlinux-aio、epoll、io_uringの3つのバックエンドが存在する[12]。ScyllaDBで使われている。
- glommio - Rustによるthread-per-coreプログラミング向けライブラリ。オープンソース。上記のSeastarに影響を受けて開発された[13]。メイン、低レイテンシ用、NVMe IOのポーリング用の3つのリングを作るのが特徴となっている[13]。
- Storage Performance Development Kit - Intelにより開発され、その後オープンソース化されたNVMe SSD向け開発キット[14]。独自のNVMeブロックデバイスはio_uringよりも高速とされている[15]が、io_uringをブロックデバイスとして使うこともできる[16]。
出典
- ^ a b c d e f g “Linux Kernel Getting io_uring To Deliver Fast & Efficient I/O - Phoronix”. Phoronix. 2021年3月14日閲覧。
- ^ ジェンス・アクスボー (2019年10月15日). “Efficient IO with io_uring”. 2023年4月閲覧。 エラー: 閲覧日は年・月・日のすべてを記入してください。
- ^ a b “Getting Hands-on with io_uring using Go” (英語). developers.mattermost.com. 2021年11月20日閲覧。
- ^ a b “The rapid growth of io_uring [LWN.net]”. lwn.net. 2021年11月20日閲覧。
- ^ Corbet, Jonathan. “Ringing in a new asynchronous I/O API”. LWN.net. 2021年3月14日閲覧。
- ^ “What's new with io_uring”. 2022年6月1日閲覧。
- ^ How io_uring and eBPF Will Revolutionize Programming in Linux ScyllaDB 2020年5月5日
- ^ “Faster IO through io_uring | Kernel Recipes 2019” (英語). 2021年3月14日閲覧。
- ^ Intel Cloud-Hypervisor 0.9 Brings io_uring Block Device Support For Faster Performance Phoronix 2020年8月8日
- ^ Limbo Is An SQLite-Compatible OLTP DBMS Leveraging IO_uring & Rust Phoronix 2024年5月9日
- ^ PostgreSQL Database Lands Initial Support For IO_uring: "Can Be Considerably Faster" Phoronix 2025年3月27日
- ^ seastar::reactor_options Struct Reference - reactor_backend ScyllaDB
- ^ a b Introducing Glommio, a Thread-per-Core Crate for Rust & Linux Datadog
- ^ 120 Million I/O Per Second with a Standard 2U Intel® Xeon® System SDPK 2023年2月1日
- ^ Understanding Modern Storage APIs: A systematic study of libaio, SPDK, and io_uring Diego Didonaら 2022年
- ^ Block Device User Guide SPDK
外部リンク
- Efficient I/O with io_uring(io_uringの背後にある動機、インタフェース(データ構造など)、およびパフォーマンス評価についての詳細な説明)
liburing
ソースリポジトリ- Linuxカーネルリポジトリ内の
io_uring
ソースディレクトリ
- io_uringのページへのリンク