TRISPHATとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > TRISPHATの意味・解説 

TRISPHAT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 23:17 UTC 版)

TRISPHAT
識別情報
PubChem テトラブチルアンモニウム塩: 71310446
ChemSpider テトラブチルアンモニウム塩: 35467078
特性
化学式 [C16H36N][C18Cl12O6P]
モル質量 1011.06
外観 無色の固体
への溶解度 CH2Cl2
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

TRISPHATトリス(テトラクロロカテコラート)リン酸(1−))は、化学式P(O2C6Cl4)
3
で表されるアニオンで、トリブチルアンモニウム塩 (C4H9)3NH+ またはテトラブチルアンモニウム (C4H9)4N+ として用意されることが多い。3つのテトラクロロカテコール酸 C6Cl4O2−
2
配位子に結合したリン(V)を特徴とする。このアニオンは、光学的に安定な軸不斉エナンチオマーに分解できる(写真はΔエナンチオマー)。


TRISPHATアニオンはカチオンのキラルシフト試薬として使用される[1]。ジアステレオマーイオンペアを形成することで、1H NMRの分解能を向上させる。

合成

五塩化リンテトラクロロカテコール英語版で処理した後、第三級アミンを加えて合成する。

PCl5 + 3 C6Cl4(OH)2 → H[P(O2C6Cl4)3] + 5 HCl
H[P(O2C6Cl4)3] + Bu3N → Bu3NH+ [P(O2C6Cl4)3]

キラルアミンを使うと、容易にアニオンを分離できる.[2]

出典

  1. ^ Ratni, Hassen; Jodry, Jonathan J.; Lacour, Jérôme; Kündig, E. Peter (2000). “[n-Bu4N][Δ-TRISPHAT] Salt, an Efficient NMR Chiral Shift Reagent for Neutral Planar Chiral Tricarbonylchromium Complexes”. Organometallics 19 (19): 3997–3999. doi:10.1021/om000437f. 
  2. ^ Favarger, France; Goujon-Ginglinger, Catherine; Monchaud, David; Lacour, Jérôme (2004). “Large-Scale Synthesis and Resolution of TRISPHAT [Tris(tetrachlorobenzenediolato) Phosphate(V)] Anion”. Journal of Organic Chemistry 69 (24): 8521–8524. doi:10.1021/jo048641q. PMID 15549835. 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  TRISPHATのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「TRISPHAT」の関連用語

1
8% |||||

TRISPHATのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



TRISPHATのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのTRISPHAT (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS