超コンパクト基数
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/23 01:40 UTC 版)
集合論において、超コンパクト基数(ちょうこんぱくときすう、英語: supercompact cardinal)とは巨大基数の一種でソロヴェイとラインハルトによって独立に導入されたものである。[1] 超コンパクト基数は様々な反映の性質を持つ。
定義
を 順序数とする、 が -超コンパクト であるとは、集合論の宇宙 から推移的内部モデル へのある初等埋め込み が存在して、 がその臨界点であって、 と
が成り立つ、すなわち、 が -列について閉じていることである。
このとき、 が単に 超コンパクト であるというのは、全ての順序数 について -超コンパクトであることを指す。
別の定義としては、不可算基数 が超コンパクトであるとは、 であるような全ての について、 上の正規測度が存在することをいう。
ここで、 は
のことである。
上の超フィルター が fine であるとは、それが -完備で全ての について であることを言う。 上の正規測度とは、 上の fine な超フィルター であって、次の性質を満たすものである: 任意の写像 で を満たすものは必ず のある元の上で定数写像になっている。ここで " のある元の上で定数写像"とは、ある について であることである。
性質
超コンパクト基数は反映の性質を持つ。もし、基数が (例えば、3-膨大基数などの、) 限られたランクの構造の存在を保証するもので、それが超コンパクト基数 の上に存在するならば、その性質を持つ基数が の下にも存在する。また、もし、 が超コンパクトであり、一般連続体仮説 (GCH) が 未満で成立するとき、実際は一般連続体仮説は全ての基数の上で成立する、というのも の冪集合と 以上の基数の間の全単射は、限られたランクの構造上で GCH が において破れていることの証拠になり、反映の性質により、 の下で同じことが起こっていなければならなくなるからである。
超コンパクト基数の標準的な内部モデルを見つけることは、内部モデル理論の主な問題の一つである。
最小の超コンパクト基数は次の性質を満たす最小の である: 任意の構造 (ただし ) と任意の 文 で となるものに対して、より小さいドメイン (すなわち、) の部分構造 で を満たすものが必ず存在する。[2]
超コンパクト性は玄妙基数の組み合わせ論的特徴づけに似ている。 で の非空部分集合で濃度 未満であるもの全体を表すとする。基数 が超コンパクトであるのは次のことと同値である: いかなる集合 (同値な条件として、いかなる基数 )と、いかなる写像 についても、もし、全ての について であるなら、ある が存在して が 内で定常である。[3]
マギドアによって到達不能基数が tree property のある亜種条件を満たすこととその基数が超コンパクトであることが同値であることが示されている。[4]
関連項目
- Indestructibility
- 強コンパクト基数
- 巨大基数的性質の一覧
参考文献
- Drake, F. R. (1974). Set Theory: An Introduction to Large Cardinals (Studies in Logic and the Foundations of Mathematics; V. 76). Elsevier Science Ltd. ISBN 0-444-10535-2
- Jech, Thomas (2002). Set theory, third millennium edition (revised and expanded). Springer. ISBN 3-540-44085-2
- Kanamori, Akihiro (2003). The Higher Infinite : Large Cardinals in Set Theory from Their Beginnings (2nd ed.). Springer. ISBN 3-540-00384-3
Citations
- ^ A. Kanamori, "Kunen and set theory", pp.2450--2451. Topology and its Applications, vol. 158 (2011).
- ^ Magidor, M. (1971). “On the Role of Supercompact and Extendible Cardinals in Logic”. Israel Journal of Mathematics 10 (2): 147–157. doi:10.1007/BF02771565.
- ^ M. Magidor, Combinatorial Characterization of Supercompact Cardinals, pp.281--282. Proceedings of the American Mathematical Society, vol. 42 no. 1, 1974.
- ^ S. Hachtman, S. Sinapova, "The super tree property at the successor of a singular". Israel Journal of Mathematics, vol 236, iss. 1 (2020), pp.473--500.
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