哲学飛将碁
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/03 09:11 UTC 版)
哲学飛将碁(てつがくとびしょうご)は、明治時代に井上円了が考案したチェッカーに似たボードゲーム[1]。「哲学飛将碁」と手引書の『哲学飛将碁指南』[2]は、明治23年1月に哲学書院(井上円了が設立した出版社)から刊行され、駒・盤のセットで6銭5厘で販売されていた[3]。従来の囲碁・将棋は勝負が決するまでに時間がかかるため忙しい時代にはそぐわないとして、競技時間が短く、さらに哲学の教育にも役立つゲームを、囲碁と将棋のルールを折衷して開発したとされている[2]。現代のイギリス式チェッカーのルールと似ていて、異なる点は、将棋と同じ縦横9マスであることと、将棋の玉将と同じように取られたら負ける駒(主票)がある[4]、という2点だけである。二人零和有限確定完全情報ゲームである。
- ^ 東洋大学(創立者・井上円了)が所蔵し東洋大学井上円了記念博物館で展示されている(2011年12月21日現在)。
- ^ a b 丸山(1890)。このページのルールはすべてこの文献に基づいて記載している。
- ^ 東洋大学. “井上円了考案ボードゲーム・哲学飛将碁”. 2023年4月3日閲覧。
- ^ 玉将に相当する駒を持つチェッカーと似たゲームには、タコツボがある。東君平. “タコツボ本舗”. 2011年12月23日閲覧。
- ^ このゲームは論争をモチーフとしているため、論争の場となる盤面を論壇(あるいは単に「壇」)と呼ぶ。
- ^ 玉将を主票とし、歩と香車と桂馬を属票とすることで、将棋盤と駒を使って対戦することができる。ただし、哲学教育の意義は失われる。
- ^ 考案者の井上円了は哲学者・教育家であり、哲学の教育を目的として、駒の名前に哲学の用語を用いた。難解な哲学を大衆に分かりやすく広める活動の一環であった。唯物論と唯心論の論客が論争を繰り広げる様子をゲームとし、ゲームの勝敗は論争の勝敗を意味する。
- ^ 理想を失った方が負け、というルールから井上円了が理想を重視していたことが分かる。哲学用語で理想主義は唯心論を表すが、唯物、唯心双方とも理想を主票としているところが興味深い。
- 1 哲学飛将碁とは
- 2 哲学飛将碁の概要
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