ニトロペンタアンミンコバルト(III)塩化物とは? わかりやすく解説

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ニトロペンタアンミンコバルト(III)塩化物

(Nitropentaamminecobalt(III) chloride から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/02 07:09 UTC 版)

ニトロペンタアンミンコバルト(III)塩化物
識別情報
CAS登録番号 13782-02-0
PubChem 414190
特性
化学式 H15N6O2Cl2Co
モル質量 261.00 g/mol
外観 黄褐色
密度 1.83 g/mL
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ニトロペンタアンミンコバルト(III)塩化物: Nitropentaamminecobalt(III) chloride)は化学式が[Co(NH3)5(NO2)]Cl2で表される無機化合物である。黄褐色の固体で水に可溶である。

結合異性

錯体[Co(NH3)5(NO2)]2+と[Co(NH3)5(ONO)]2+結合異性英語版の例である。前者のように窒素原子が配位する場合をニトロ基、後者のように酸素原子が配位する場合をニトリト基と呼ぶ。この2つの異性体は紫外可視分光法によって区別することができる。ニトロ錯体の吸収極大はおよそ457.5、325、239 nmに位置するが、ニトリト錯体では486、330、220 nmに位置する[1]。また、これら2つの異性体はIRスペクトルでも区別することができる。ニトロ錯体は1430 cm−1と825 cm−1に特有の吸収を持つが、ニトリト錯体は1460 cm−1と1065 cm−1に特有の吸収がある[2]

調製

クロロペンタアンミンコバルト(III)塩化物亜硝酸イオンを加えることで調製される。

ニトリト錯体を熱するとニトロ錯体に異性化する。また、ニトロ錯体に紫外線を照射するとニトリト錯体に異性化する。

関連項目

出典

  1. ^ Brasted, Robert C.; Hirayama, Chikara (1959-06). “An Examination of the Absorption Spectra of Some Cobalt (III)–Amine Complexes. Effect of Ligand and Solvents in Absorption” (英語). The Journal of Physical Chemistry 63 (6): 780–786. doi:10.1021/j150576a003. ISSN 0022-3654. https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/j150576a003. 
  2. ^ Penland, R. B.; Lane, T. J.; Quagliano, J. V. (1956-03). “Infrared Absorption Spectra of Inorganic Coördination Complexes. VII. Structural Isomerism of Nitro- and Nitritopentamminecobalt(III) Chlorides 1a,b” (英語). Journal of the American Chemical Society 78 (5): 887–889. doi:10.1021/ja01586a001. ISSN 0002-7863. https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja01586a001. 



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