Larrabeeとは? わかりやすく解説

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Larrabee

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/08 22:38 UTC 版)

Larrabee(ララビー)は、インテルが社内用のソフトウェア開発プラットフォームとして開発中の半導体製品の社内コードである。これはインテルが進めているメニイコア戦略による次世代CPU製品、または汎用処理能力の高いGPU製品として開発を進めていたものであったが、グラフィック用半導体製品として販売される予定は当面なくなった。


注釈

  1. ^ それぞれのCPUコアはインストラクション・デコーダを共有するSIMD型ベクトル演算部とスカラー演算部、それにレベル1とレベル2のキャッシュを持つ。
  2. ^ インテル社ではLarrabeeを画像処理や科学技術計算だけでなく一般アプリケーションやマンマシンインターフェイスの向上に使用したいと考えている、または、考えていた。
  3. ^ インテル社はMMXで64ビットでのSIMD命令拡張セットを追加して以来、SSEで128ビットを行い、2010年に予定されているAVX (Advanced Vector Extensions) で256ビットまで拡張する流れの1つとも考えられる。
  4. ^ インテルは2008年第2四半期だけで研究開発費用に14億7,000万米ドルを投資した。この金額はライバルであるAMDの同四半期における売上高を超えるものであった。
  5. ^ ホモジニアス (Homogeneous) の反対は、ヘテロジニアス (Heterogeneous) である。マルチプロセッサの多くがホモジニアス型プロセッサであり、すべて同質、又はほぼ同質のプロセッサを複数並べて、それぞれに命令コードを与えて個別に実行させるものであるヘテロジニアス型プロセッサとは、複数種の異なるアークテクチャのプロセッサをつないで、1つのプロセッサ複合体にしたものであり、異種のプロセッサが協調して動作するようになっている。ベクター演算プロセッサに制御用のスカラー演算プロセッサが付けられて、結果としてヘテロジニアス型となるコンピュータ・システムの構成は多いが、1つ又は数個程度のダイで実現されるヘテロジニアス型のプロセッサはそれほど多くはない。Larrabeeに似た位置付けのヘテロジニアス型のプロセッサに、ソニーCell Broadband EngineとAMDが開発中のFusionがある。Larrabeeは、ベクター演算までこなすホモジニアス型CPUである点で他とは異なる。
  6. ^ インテルでは、2010年から登場予定の主流CPUファミリの新製品(おそらく"Sandy Bridge")によりAVX拡張命令セットを付加することで256ビット幅のベクタ演算をサポートする予定である。開発予定が変更されたLarrabeeの拡張命令セットである512ビット幅のベクタ演算も合わせれば、マルチコアとメニーコアの動きと平行してベクタ演算能力も大きく強化されることになったが、当面の製品では256ビット幅止まりとなる。
  7. ^ 主に整数系演算を担うスカラ演算パイプラインは、Larrabeeが用いた2命令実行可能な中規模/中性能なPentium系P54Cから、MICアーキテクチャではより小規模/低性能なAtom系、またはそれに近いのものへ変更されているという分析・予想がある。

出典

  1. ^ a b http://download.intel.com/technology/architecture-silicon/Siggraph_Larrabee_paper.pdf Intek.com "Larrabee: Next-Generation Visual Computing Microarchitecture"
  2. ^ Stokes, Jon. “Clearing up the confusion over Intel's Larrabee”. Ars Technica. 2007年6月1日閲覧。
  3. ^ Davis, Ed. “Tera Tera Tera”. pp. pages 16,31. 2007年6月1日閲覧。
  4. ^ Stokes, Jon (2007年6月29日). “Intel's next GPU to be Pentium MMX based?”. Ars Technica. 2007年6月29日閲覧。
  5. ^ Stokes, Jon (2007年9月17日). “Intelがゲーム用物理エンジンを来たるべきGPU製品として採用する”. Ars Technica. 2007年9月17日閲覧。
  6. ^ Intel、インテル、「Larrabee」の開発遅延で計画変更--独立GPUを先送り”. 読売新聞. 2009年12月8日閲覧。
  7. ^ IDF 2011レポート Justin Rattner氏キーノートスピーチ ~メニイコア時代が到来する - PC Watch(2011年9月20日配信、2011年9月20日閲覧)




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