LGA1954
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/14 07:48 UTC 版)
| リリース日 | 2026年末予定 |
|---|---|
| 設計 | Intel |
| ソケット形式 | LGA-ZIF |
| チップ形状 | フリップチップ |
| 接点数(ピン数) | 1954 |
| FSBプロトコル | PCI Express |
| プロセッサ寸法 | 37.5 mm × 45 mm |
| 採用プロセッサ | Nova Lake |
| 前世代 | LGA 1851 |
| 対応メモリ | DDR5 |
|
この記事はCPUソケットシリーズの一部です |
|
LGA 1954(別名:Socket V2)は、インテルが設計したランド・グリッド・アレイ (Land grid array) 方式のCPUソケットである。デスクトップ向けプロセッサ「Nova Lake-S」(開発コードネーム)に対応するプラットフォームとして開発されており、2026年末の発売が予定されている[1]。前世代のLGA 1851の後継にあたる。
概要
LGA 1954はコンタクト数が1,954個であることからその名称が付けられており、LGA 1851(1,851ピン)から103ピン増加している。物理的な寸法は37.5 mm × 45 mm(1,687.5 mm²)であり、前世代のLGA 1851およびLGA 1700と同一の寸法を維持している[2]。
増加したピン数は、主に次世代ハイパフォーマンスCPUの電力供給要件を満たすために活用される。
リテンション機構
LGA 1954における主要な設計変更のひとつが、2レバーILM(Independent Loading Mechanism、独立ロード機構)の採用である。これはインテルのHEDT(ハイエンドデスクトップ)やサーバー向けソケット(LGA 2011など)で使用されてきた方式であり、一般コンシューマー向けデスクトッププラットフォームへの採用は異例となる[3]。2レバー設計により、ILMブレースとプロセッサパッケージの固定がより均一になり、安定した接触が確保される。
また、ソケットの形状は従来の長方形よりも正方形に近くなっており、これがより高いピン数を実現した要因のひとつと考えられている。
クーラー互換性
ソケットの物理的なフットプリントがLGA 1700・LGA 1851と同一であることから、多くの既存CPUクーラーが機械的に取り付け可能とされている。ただし、現代のIntelデスクトップCPUはモノリシック設計でなくなっているため、サーマルホットスポットの位置が変わる可能性がある。最適な冷却性能を得るためには、新たなマウントハードウェアが必要になる場合もある[2]。
対応チップセット(900シリーズ)
LGA 1954プラットフォームは、インテルの新世代900シリーズチップセットを搭載したマザーボードと組み合わせて使用する。900シリーズは800シリーズ(LGA 1851向け)の後継にあたり、以下の5製品が予定されている[4]。
| チップセット | Z990 | Z970 | W980 | Q970 | B960 |
|---|---|---|---|---|---|
| 対象セグメント | ハイエンド | メインストリーム | ワークステーション | ビジネス | バリュー |
| CPU OC | Yes | Yes | No | No | No |
| メモリ OC | Yes | Yes | Yes | No | No |
| BCLK OC | Yes | No | No | No | No |
| PCIeレーン数(チップセット合計) | 48 | 34 | 48 | 34 | 34 |
| チップセットPCIe 5.0レーン | あり | なし | あり | なし | なし |
| チップセットPCIe 4.0レーン | 20 | 14 | 20 | 14 | 14 |
| SATAポート数 | 8 | 4 | 8 | 4 | 4 |
| USB 3.2 Gen2×2(20Gbps) | 最大4 | 最大2 | 最大4 | 最大2 | 最大2 |
| USB 3.2 Gen2×1(10Gbps) | 最大10 | 最大8 | 最大10 | 最大8 | 最大6 |
| USB 3.2 Gen1×1(5Gbps) | 最大10 | 最大8 | 最大10 | 最大8 | 最大6 |
| USB4 / Thunderbolt4 | あり | 1ポート | あり | あり | なし |
| ECC対応 | UDIMM対応 | なし | UDIMM対応 | UDIMM対応 | なし |
| 最大メモリ容量 | 256 GB | 256 GB | 256 GB | 128 GB | 128 GB |
| 最大DIMMスロット数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
| BIOSフラッシュROMサイズ(推奨) | 64 MB | 64 MB | 64 MB | 64 MB | 推奨 |
Z990
900シリーズのフラグシップチップセット。最大48本のPCIeレーンを持ち、PCIe 5.0レーンをチップセット側でも提供する。CPUオーバークロック、メモリオーバークロック、BCLKオーバークロックのすべてに対応する。
Z970
メインストリーム向けオーバークロック対応チップセット。B960と同一のベースシリコンを使用しているとされ、PCIeレーン数は34本、チップセット側のPCIe 5.0レーンは持たない。CPUオーバークロックとメモリオーバークロックには対応するが、BCLKオーバークロックはサポートしない[5]。
W980
ワークステーション向けチップセット。Z990とほぼ同等のI/O仕様を持つが、オーバークロック機能が省かれている。メモリOCは対応するほか、ECCメモリ(UDIMM)に対応する。
Q970
法人・ビジネス向けチップセット。vProサポートや128 GBのDDR5 CUDIMMメモリへの対応が確認されている[6]。
B960
バリュー(普及価格帯)向けチップセット。Z970と同一のベースシリコンを使用するとされ、基本的なI/Oを提供する。オーバークロック機能は持たない。
対応メモリ
LGA 1954プラットフォームはDDR5専用であり、DDR4との互換性は持たない[7]。標準でDDR5-6400をサポートし、オーバークロック時にはより高い動作周波数に対応する見込みである。最大メモリ容量は256 GB(Z990/Z970/W980)または128 GB(Q970/B960)となっている。
ソケット互換性
LGA 1954はLGA 1851およびLGA 1700とは互換性がない。Nova Lakeプロセッサを使用するには、LGA 1954対応の新しいマザーボードが必要となる。
一方、ソケットの物理的な取り付け穴の位置はLGA 1700・LGA 1851と共通であるため、多くのCPUクーラーがそのまま、またはアダプタを使用して流用できる可能性がある。
世代の長寿命化
従来のインテルデスクトッププラットフォームは概ね2世代程度でソケットが変更されてきたが、LGA 1954では複数世代のCPUをサポートする方針が採られているとされる。リーカー情報によれば、LGA 1954はNova Lake、Razor Lake(Razer Lake)、さらにその先の世代まで対応する可能性があり、これはAMDのAM5ソケットに見られるような長期互換性戦略に近い方針といえる[8]。
この方針に対応するため、Z990などの上位マザーボードでは64 MBの大容量BIOSフラッシュROMの採用が推奨されており、将来世代のCPUのファームウェアを格納するための余裕を確保している。
対応プロセッサ
- Nova Lake-S(Core Ultra 400Sシリーズ予定) - 最大52コア以上の構成が報告されている
脚注
- ↑ “Intel's new platform for Nova Lake chips leaked, up to 48 PCIe lanes and all-new chipset — 900-series motherboards with LGA1954 socket arrive in late 2026”. Tom's Hardware (2026年2月9日). 2026年6月14日閲覧。
- 1 2 “Intel "Nova Lake-S" LGA-1954 socket may retain cooler compatibility”. VideoCardz (2025年5月29日). 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “Intel Socket LGA1954 for "Nova Lake" Pictured in the Flesh, Confirms 2L ILM Design”. TechPowerUp. 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “Intel 900-Series Chipset Specs Leak: Z990, Z970, W980, Q970, B960 For Next-Gen Nova Lake CPUs”. WccfTech (2026年2月9日). 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “Intel 900-series chipset specs leaked: B960, Z970, Z990, Q970, and W980 for Nova Lake-S”. VideoCardz (2026年2月9日). 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “Intel's Next LGA 1954 Socket Gains First Q970 Workstation Board Ahead Of Nova Lake”. WccfTech. 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “Intel's LGA-1954 Socket and Nova Lake-S CPUs”. ComputerCity (2025年5月29日). 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “Intel's next-gen LGA1954 socket will support Nova Lake, Razor Lake, and beyond”. Tom's Hardware. 2026年6月14日閲覧。
関連項目
- ランド・グリッド・アレイ (Land grid array)
- LGA 1700
- LGA 1851
- Nova Lakeマイクロプロセッサ
- インテル
外部リンク
- Intel Platform Products - Intel公式
- LGA1954のページへのリンク