Hitopadeshaとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Hitopadeshaの意味・解説 

ヒトーパデーシャ

(Hitopadesha から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/07 13:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ヒトーパデーシャ』(サンスクリット語: हितोपदेश hitopadeśa、「有益な(hita)教訓(upadeśa)」の意)は、主に動物を主人公にしたインド寓話集。散文韻文を交える。ベンガル地方のダヴァラチャンドラ王の宮廷でナーラーヤナによって書かれたと伝えられる。『パンチャタントラ』の伝本のひとつであるが、大幅に手が加えられている。本来5巻からなる『パンチャタントラ』を4巻にまとめ直し、多数の話が追加・削除されている。

成立

『ヒトーパデーシャ』は800年から950年の間に書かれたという[1]。もっとも古い写本は1373年のものである[2][3]

他の『パンチャタントラ』諸本にない話が17話あり、序文によれば『パンチャタントラ』以外にもう一つ別の物語集を元にして書かれた[2][3]

構成

『ヒトーパデーシャ』は序文と4部から構成される。第1部と第2部は『パンチャタントラ』と順序が逆になっている。『パンチャタントラ』の第3部(および第5部)は2つに分割されて第3部と第4部となり、第4部の枠物語は新たに書きおろされた。『パンチャタントラ』第4部に相当する箇所は『ヒトーパデーシャ』には存在しない。ほかにも順序を変えたり、削除されたり、新たに追加されたりした話がある[4]

  1. Mitralābha 友の獲得(9話)
  2. Suhridbheda 友の喪失(10話)
  3. Vigraha 戦争(10話)
  4. Sandhi 平和(13話)

翻訳

『ヒトーパデーシャ』は早くから西洋に紹介されたインド文学のひとつで、最初の英語訳はチャールズ・ウィルキンズによって1787年に出版された。本文はセランポール英語版で1804年に出版された。その後フランシス・ジョンソン (英語版) によって校訂本文(1847)と新しい英訳(1848)が出版された。エドウィン・アーノルドは『よい忠告の書』(The Book of Good Counsels, 1861)の題で翻訳した。

フランスではラングレスによる翻訳が1790年に出版された。

ドイツではアウグスト・ヴィルヘルム・シュレーゲルクリスチャン・ラッセンによって校訂本文が出版され、1844年にマックス・ミュラーによってドイツ語に翻訳された。

日本語訳

  • 『ヒトーパデーシャ:処生の教え』金倉円照・北川秀則訳、岩波文庫、1968年。
  • 「パンチャ・タントラとヒトーパデーシャ」『世界文学大系 第4(インド集)』岩本裕訳、筑摩書房、1959年。(抄訳)
  • 『ひとーぱでーしゃ:インドの古典民話』Francis Johnson、平松友嗣訳、理想社、1956年。(英語からの重訳)

脚注

  1. ^ Haksar (2007) の序文による
  2. ^ a b Keith (1920) p.263
  3. ^ a b Winternitz (1920) p.291
  4. ^ Keith (1920) pp.263-264

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Hitopadeshaのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Hitopadeshaのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒトーパデーシャ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS