ヘッセ標準形
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/12 15:16 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動解析幾何学においてヘッセ標準形(ヘッセひょうじゅんけい、英: Hesse normal form)は、ルートヴィヒ・オットー・ヘッセに名を因む、平面 R2 上の直線やユークリッド空間 R3 内の平面あるいはより高次元の空間内の超平面を記述する方程式である[1]。この標準形は基本的に点と直線との距離を計算するのに用いられ、ベクトル方程式として書けば
図において、d は原点からの距離になる。実際、r→⋅n→0 = d はこの平面上の任意の点が満足するのだから、特に原点から平面 E に下ろした垂線の足 Q も、r→ = r→s の場合として満足する。点乗積の定義によれば
一般化
超平面のヘッセ標準形
一般にヘッセ標準形は n-次元ユークリッド空間内の超平面を記述する。n-次元の場合にも、超平面上の点の位置ベクトルを x→ として標準形の方程式は
超平面は n-次元空間を二つの半空間に分割し、超平面上の点は先の方程式を満たす位置ベクトルの全体であり、またある点の位置ベクトル x→ が x→⋅n→0 > d を満たすならば、その点は二つある半空間のうち法ベクトル n→0 の指す方に属する。不等号が逆ならば反対側の半空間に入る。
曲線や曲面のヘッセ標準形
ヘッセ標準形は平面曲線に対しても考えることができる。曲線が陰函数表示 h(x, y) = 0 で与えられ、条件 || ∇h || = 1 を満たすとき、これを曲線のヘッセ標準形と呼ぶ。例えば
曲面の場合にも、ヘッセ標準形を考えることができる[3]。曲線や曲面のヘッセ標準形は幾何学的モデリングにおける実用だけではなく、理論的にも(曲線の弧長と類似の意味で)重要である。
参考文献
- ^ Bôcher, Maxime (1915), Plane Analytic Geometry: With Introductory Chapters on the Differential Calculus, H. Holt, p. 44.
- ^ Geometry and Algorithms for Computer Aided Design (TU Darmstadt), S. 30.
- ^ Geometry and Algorithms for Computer Aided Design (TU Darmstadt), S. 52.
関連項目
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