ダイモンズとは? わかりやすく解説

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ダイモンズ

(Damons から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/01 22:10 UTC 版)

Dämons(ダイモンズ)
ジャンル SF復讐劇
漫画
作者 米原秀幸
手塚治虫(原作)
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
発表期間 2006年 - 2008年
巻数 全13巻
その他 リメイク作品
テンプレート - ノート

Dämons』(ダイモンズ)は、米原秀幸による日本漫画。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、前作『南風!BunBun』が完結した翌週の2006年10号から2008年29号まで連載。全13巻。

概要

手塚治虫の『鉄の旋律』を原作とするが、物語上の共通点は「親友に裏切られ復讐を誓う主人公」「主人公が両腕を奪われる」「義腕の動力が念動力」といった点に留まっている。

舞台は荒廃した近未来。親友たちに妻子の命と両腕を奪われた主人公が、「鉄の腕」と呼ばれる金属製の義腕とそれを動かす超能力念動力)を身に付けて復讐に出るというストーリー。かつての親友たち5人はナノテクノロジー[1]で身体改造を施している。対する主人公は「ゼスモス」と呼ばれる念動力で「鉄の腕」を操り立ち向かう。親友たちには1人ずつ復讐に臨む展開がとられ、各々の復讐の顛末は「〜〜編」(〜〜は相手の名前)として個別に章立てられている。

ストーリー

待ち受けていたのは、死でも絶望でもなく、限りない憎悪だった。信じていた親友たちによって両腕を、そして最愛の妻と娘を奪われた男、ヘイト。死の淵からはい上がり、異形の力「ゼスモス」を身に付けたヘイトは、その力をもって鉄の腕を操り、かつての親友たち5人に復讐することを心に誓う。ジェスト、ラフィン、ランパート、アールダー、そして、自分を心の友とまで呼んだプログレス。5人への復讐は果たして叶うのか。

登場人物

主人公

ヘイト
本名は砌斌兵斗(さいもん へいと)。かつての親友5人に妻子と両腕を奪われ、その復讐に臨む。
念動力の一種である「ゼスモス」を習得しており、「ゼスモス」で操ることのできる金属製の義腕「鉄の腕」をもつ。
元はナノテクノロジーのスペシャリストであり、ロゴスディア社で医療目的の研究開発を行っていた。しかし、社の上層部が医療から軍事目的へのナノテクノロジーの転用を始め、それを見過ごせず裏切り行為を働いてしまう。その報復として、親友たち5人に自身の両腕、最愛の妻ヒロコと娘ユミの命を奪われた。
自身は瀕死の重傷を負うが、ベッケル博士に保護され一命を取り留める。復讐すべく博士による訓練のもと「ゼスモス」を習得。さらに「鉄の腕」を得た彼は、5人を殺すために旅立つ。

復讐のターゲット

プログレス・カーソン
ヘイトの学生時代からの友であり、心友だった男。ロゴスディア社幹部。ヘイトの裏切り行為を察知し、部下の4人に命じて両腕と妻子の命を奪った。ナノテクノロジーの兵器への転用を発案した人物でもある。生物を操る“解き放つ力”「エレセロス」の使い手。
出生は不明で、幼少時はジャングルでと共に生活をする野生児だった。ベッケル博士によって偶然発見され、人間社会での生活を送ることになる。当時は価値観こそ人間とは多少異なったが、基本的に純粋で敵以外には心優しい性格だった。生まれ持ってのIQの高さもあり表向きは人間社会にとけこめていた。しかし、預けられた先の劣悪な環境や、信頼した人間の裏切りへの怒りから無意識にエレセロスを発動させ殺人を犯したことなどで、住居を転々とする。日本でエレセロスの力を抑えつつ穏やかに暮らしていたが、慕っていた養母が殺された怒りによる殺意でエレセロスの力を発現させ復讐を遂げる。その結果、自身の力の大きさに気付いたことで徐々に歪んでいき、野望を抱き人間を操れるまでにエレセロスを進化させることとなる。
ヘイトに対しての友情は、「俺が唯一心友と呼んだ男」と称するなどかつては本物だったことがうかがえる。しかし、ヘイトがナノテクノロジーの兵器への転用を防ごうとした際、「良くも悪くもプログレスに興味を持った人間に作用する」はずのエレセロスが彼には無効だったことで、自身への友情はうわべだけの偽物であり裏切られたと確信、5人の誰よりも強いヘイトへの憎悪に変わった。また、ヘイトの妻であるヒロコとは、幼少期に日本で暮らしはじめてからの幼馴染で特別な感情を抱いていた。
幼少期に虎と暮らしていた経験から獣のような戦闘スタイルを得意する。ほかの4人が倒された後、ナノテクノロジーによって作られたアーマーを装備し、獣のような姿になってヘイトを圧倒した。
出生が不明であること、そして自分の持つエレセロスの能力から、人間を滅ぼすために自然界が自身を生み出したと確信している。人間を滅ぼし地球を浄化するとともに、エレセロスの力により自身が支配する世界の構築をもくろむ。
人類の70%をナノマシンで死滅させ現代文明を破壊した後、エレセロスの力により支配した動植物と融合する。異形の姿となりヘイトとの決戦に挑むが、最終的に心臓を握りつぶされて絶命、融合した森と共に朽ち果て消滅した。
ジェスト・ローレンス
ヘイトの親友だった男。本業は殺し屋。元はプログレスのボディガード。
常人離れした射撃の腕前を誇る。「乱射乱撃のガンマン」「命中精度の高いスナイパー」とよばれる。一見すれば適当かつ無造作に連射したかのような多数の弾丸を、跳弾などを利用して全て目標の急所へ的確に命中させられる。
ナノテクノロジーによる肉体改造により、両腕が銃に変形する。左腕は単発の機関銃となり、右腕は複数発の弾丸を同時発射する銃となる。
標的に対しては非情だが、恋人のマリアへは深い愛情を注いでいる。また、殺し屋としての腕前と生き様から取り巻きからの人望は厚い。
最愛の恋人マリアを交通事故で失ってからは放心状態になるが、復讐に現れたヘイトと会い、殺し屋としての黒い魂がよみがえる。家族を失ったヘイトの気持ちを一度は理解するかのような兆候がみられたが、自意識の高さから頑なにその気持ちを拒否してしまう。その後は倉庫でヘイトと激突。両腕の機関銃でヘイトと戦い追い詰めるも、最後はゼスモスとチェーンによる複合攻撃で首の頚動脈を切り裂かれ死亡する。
ラフィン・アガマアガマ
ヘイトの親友だった男。本業は手品師。元はプログレスのボディガード。
すでに成人のはずだが、まるで少年のような外見をしており、思考も幼稚。手品師としての腕は三流だがプロ意識だけは高い。
ナノテクノロジーにより左目を改造しており、その目から放たれる光は人の視神経を通じて大脳皮質に作用し、精神を操ることができる。
なお、「アガマアガマ」は芸名。光を浴びると七色に光るトカゲの名前が由来。
ロゴスディア社時代はヘイトの親友でありながら、ヘイトの才能と人望に対して強い嫉妬心を抱いていた。卑怯な手段でヘイトを罠にはめるも、彼の前で冗談半分に妻子の死に様を語ったことで、ヘイトの怒りに反応したゼスモスによってビルの屋上から落とされ追い詰められる。最期は周囲の人々を利用した罠にヘイトをはめようとするが、逆にそれが自滅する原因になった。したがって、厳密にはヘイト自身が手を掛けた人物ではない。
アールダー
ヘイトの親友だった男。本業は殺し屋。元はプログレスのボディガード。
高い身体能力と格闘センスを誇る。ナノテクノロジーでの肉体改造により、両腕をかぎ爪やブレードに変形させられる。左右のブレードは異なる分子構造をしており、融合させてナノテクブレード最終形態と呼ばれる強力なブレードが形成可能。また、身にまとうコートとブーツは光学迷彩としての機能を備え、周囲の風景に自らを溶け込ませられる。これらの技術により、自身の存在を悟られず標的に近づき、静かに殺害することが可能。
幼いころから殺しで生計を立てていた。そのためか「人間であること」に対して強いこだわりを持ち、殺しは「仕事」でしかなく、遊びや私怨で人は殺さない、だから自分は人間である、という論理で行動する。自身が定めた「依頼された標的以外の人間を殺さない(依頼人に立ちはだかる者の殺害を許可された場合は必要ならば他の人間も殺す)こと」というルールは、標的である妊婦の赤子を摘出してまで頑なに守っている。ただし、善良な人間であっても標的ならば容赦なく殺害する。また、標的の写真をコレクションするなど、無自覚なところで大きく歪んでいる。
科学者のころのヘイトに対して、ひたむきに人を助ける医療に携わる姿と人間性を高く評価し尊敬していた。その反面、彼の家族に対しては、ヘイトに依存する寄生虫と見なして蔑視していた。
プログレスからの依頼をこなす最中にヘイトと出会い、激しい死闘を演じる。序盤こそヘイトのゼスモスに押されるが、ナノテクブレード最終形態によってヘイトの両腕を切り裂き優位に立つ。しかし、ヘイトの策にはまり大敗。最後に自分の魂の醜さと、復讐に生きるヘイトもいずれこうなることを叫びながら焼死した。
ランパート
ヘイトの親友だった男。元はプログレスのボディガード。ロゴスディア社の統治する城塞都市「キープディープ」の長。
言動や物腰は理知的だが、自分に従わない者には人の形を止めないほどの攻撃を加える残虐性を持つ。現代医学では不治の病に冒された自分の娘アニーに対して異常に強い愛情・執念を持つ。その意に反する人間は主治医や妻であっても殺害しており、娘以外を人と思わない自分を異常と自認しながら狂気に走っていた。
ナノテクノロジーによる肉体改造により、脚力をはるかに凌駕する腕力と握力を兼ねそなえた高速回転する腕に変形させられる。両腕に内蔵されたセンサーにより、あらゆる攻撃を防ぐが、熱感知型のセンサーなため、熱を発しない攻撃は避けられない。変形後はアンバランスなまでに両腕が巨大化。腕力のみでの跳躍移動を可能にし、壁などを利用して砲弾のごとき一撃離脱攻撃を用いる。
タワー内に突入してきたヘイトの前でアランを殺害しようとして、ヘイトと交戦する。一撃離脱戦法でヘイトを追い詰め、ヘイトの執念(ゼスモス)をぬるいとあざわらうもゼスモスの特性の未把握がとなり、両腕を破壊される。直後に逃亡を試みだがヘイトにヘリを撃墜され失敗。目が潰れ視力を失うもなお立ち上がり、ゼスモスをまとうほどの執念でヘイトに向かうが、転落死を遂げる(転落して身体が真っ二つに切断された)。

復讐の協力者

ベッケル博士
「ゼスモス」を提唱する科学者であり、「鉄の腕」の開発製造者。「ん、んっ」が口癖。
5人からの制裁により重傷を負ったヘイトを保護。ヘイトが自身の研究における格好の材料であると見抜き、訓練を施して「ゼスモス」を習得させた。平時は温厚な人柄だが、研究の成就のためには何物をも省みない狂気も併せ持つ。
かつてロゴスディア社の研究室にいたことがある。プログレスに関して過去の因縁があり、彼を倒すためにゼスモスを開発していた。
プログレスによる人類大量抹殺の後、ヘイト対スワロウ戦でエゴイストぶりが過ぎたため、ヘイトにあきれられている。
その後もしつこくヘイトを付回すが、最期はプログレスを過度に挑発したことで、バトルスーツごと巨大な木の枝に潰されてしまった。
ロバート
ベッケル博士の助手。彼もゼスモスの修得者であり、両脚は木製の義足。人当たりの良い長身の男性だが、女性のような口調で話す。復讐にはやるヘイトの行く末を案じていたが、止められなかった。
ヘイトの後に博士の元に来たスワロウを「キケンな破壊者」と感じ、一度は協力(ヘイトに作った防護服をスワロウにも作ること)を拒むも、優しい振りをしたスワロウにあざむかれ殺されてしまう。
楠木 太助
かつてプログレスの「エレセロス」で操られた刑事。そのことで自分の人生を台無しにされた彼は、プログレスへの復讐を誓い、時を経てヘイトに情報提供する形で協力する。ロゴスディアの陰謀にも詳しい。

ゲストキャラクター

ビリー
ジェスト編のゲストキャラ。荒廃地帯と化したとある国の街を拠点とする窃盗グループの使い走りとして犯罪行為に手を染めていた少年。
元は孤児であり、窃盗グループのならず者たちから半ば脅される状態でその集団に加入する。良心の呵責からグループを脱したい気持ちを常に抱えていた。
レイ
ラフィン編のゲストキャラ。かつてラフィンに父親を殺され、その父親の死んだ原因を探っている少年。仇敵がラフィンだと判明したときにヘイトと出会い、そのまま彼に協力することとなる。
のちにコロシアムでヘイトと再会するが、冷たくあしらわれてしまう。それでもレイはヘイトを信じ、温かい言葉を投げかけた。
ヨシコ
アールダー編のゲストキャラ。ヘイトがナノテクノロジーの技術者だったころの部下の女性。26歳[2]
研究に関しては強い興味を示すが、それ以外はどこか抜けているところがある。
スワロウから居場所を伝えられたヘイトと再会。ロゴスディア社のある秘密を知ってしまったためにプログレスに目を付けられ、アールダーに命を狙われる。
のちにベッケル博士の助手として働き、ヘイトの新型義手を開発する。だが死の雨が降り注いだ際に、非常食を独占したベッケル博士に見捨てられ衰弱死した。
アラン
ランパート編のゲストキャラ。ランパートが管理する城塞都市「キープディープ」の警備隊長。
本名は「亜蘭 修次」。ヘイトの中学時代の親友で、当時は不良グループのリーダーだった。荒っぽく単純な性格は、大人になっても変わっていない。キープディープに潜入したヘイトと再会するものの、ヘイトの意志を知り対立する。射撃の腕は超一流で、部下からの信頼も厚い。
中学時代には腹部をさされ、ランパート編では心停止しているが、いずれも数日で意識が回復するほどの頑強な肉体をもつ。
最期はヘイトの娘であるユミの墓標を守りながら、銃弾を複数撃ち込まれて死亡する。
ジョウ
ランパート編のゲストキャラ。ランパートの支配するタワーから唯一生きて帰ったと言われる男。ヘイトの執念に期待し、Drマルスと共にタワーの道案内をする。
プログレス編で、ナノテクノロジーの集大成である無人兵器に腹部を貫かれ死亡する。
Dr.マルス
ランパート編のゲストキャラ。ランパートの非道な支配に反感を持っていたが、ランパートを恐れ何も行動を起こせなかった。ヘイトとの出会いでそれを悔い、ジョウと共にヘイトの道案内を務める。
のちに無人兵器の襲撃をうけ、共にいたアランとジョウは死亡したが、彼の生死は不明。
ピーター
プログレス編のゲストキャラ。南の島に暮らす、元気で活発な少年。
ベルダ
プログレス編のゲストキャラ。ピーターの姉。ヘイトと接触し、密かな想いを抱くようになる。

その他

ギル・ガーバン
ロゴスディア社の博士。
ジェスト・アールダー・ランパートが装備していた武器を元に「トリニティースローター(三位一体の殺戮者)」を完成させた。
スワロウ
ヘイトが旅立った後、ベッケル博士に鉄の脚を製作してもらったもう一人のゼスモス使いの男。
幼少期から他人に利用され続け、裏切りにより両脚を失ったことから、「他人は利用し尽くすもの」という思考で行動する。利用した人間の命を奪うこともいとわない危険な人物。その性格ゆえにロバートは一時協力を拒んだが、優しい振りをしてロバートに自分用の防護服を作らせたあと、即座に殺害した。ヘイトの戦いを観察し、ナノテクノロジーがゼスモスに勝利した場合、ナノテクノロジーの力を得ようと考え暗躍する。
プログレスによる人類大量抹殺計画の後、残りの人類の抹殺および「破壊王」としての君臨を、プログレスより持ちかけられる。だがスワロウは、プログレスをも抹殺し、最強の存在として人類の上に君臨しようとする。さらなる力を得るべく自ら両腕を切断し、ゼスモスによる鉄の腕に換え、ゼスモス使いは1人だけとの信念を抱き、ヘイトの抹殺を図る。最期は、ヘイトに助けられたことで人の温かさに初めて触れ、人間の心を取り戻した。そして、ロバートを殺した過去を自ら清算するため、溶岩に身を投げ自決する。

作中用語

ゼスモス
念動力の一種。ベッケル博士が発見・提唱した。ベッケル曰く繋ぎ止める力。ゼスモスの習得には過酷な訓練を要する。訓練者は通常のサウナを上回る高温多湿の部屋に入れられ、椅子に体を固定されたうえで、目の前に水の入ったコップが置かれる。コップは四肢のうち失った部位でのみ届く範囲に置かれ、残る部位からでは届かない。コップを取ろうとあがいても当然届かず、その状況がしばらく続くと精神的・肉体的苦痛から失神する。その後は一旦部屋から出されるが、最低限の点滴を与えられ、再び同じ部屋に戻される。この流れを繰り返す。極限状態を重ねるごとに思考能力が低下し、発狂寸前になると「ゼスモス」が発生する[3]
ゼスモスは生物の失われた身体部位に失われた身体部位の形で発生し、力がおよぶ範囲の物を繋ぎ止め、ゼスモス使用者の意のままに動かせる。その性質上、基本的には四肢欠損者が発現させる力であり、動力のない義手・義足を本当の手足のように動かせる。そのほか、生身の人間の関節可動域を超えた動きや、人間の筋力では成し得ない強いパワーを発揮することもある。また、これらの運動には熱エネルギーが発生しない。
ゼスモスは身体と直接物体を接合させたときに強い力を発揮しやすい。また、欠損部位の形をした物体以外も繋ぎ止められる。ただし、ゼスモスの力は欠損部位とほぼ同じ形で発生するため、欠損部位の形(液体や鎖など欠損部位の形へと変形が容易な物体も含む)以外の物体に対しては身体とその物体を繋ぎ止めるだけに留まる。例外的に、強大なゼスモスは時に身体から離れた場所にある物も繋ぎ止める。さらには手足の形以外の物を手足の形に引き剥がし変形させるまでの力で「繋ぎ止める」ことも可能。こういったゼスモスの強度をベッケル博士の機械で破壊力として数値化している(検出原理は不明)。
ゼスモスは、いまだ謎の多い研究段階の未知のエネルギーである。ヘイトのゼスモスは、彼が殺した人間の怨念という形のないものすら繋ぎ止めるようになった。また、ヘイト自身の憎しみがゼスモスとそれに動かされる鉄の腕に宿って一人歩きし始め、ゼスモスの繋ぎ止める力を拡大させている。その力は人間の心を繋ぎ止めて過去の記憶や死者の意思を感じ取るまでに発展を遂げた。
ナノテクノロジー
ナノマシンの技術を使い開発された機械、兵器全般のこと。元はヘイトが医療用に研究・開発したものだが、プログレスの陰謀により兵器に転用されてしまった。
普段の見た目は人間の肉体と全く変わらないが、任意に兵器として変形する義手や義眼、光学迷彩のコートや、肉体に大きな変化を及ぼしたり窒息させるなど、多様なものが登場する。
ロゴスディア社
ヘイトの勤めていた企業。医療のほか、軍事関係の開発も行っている。ヘイトが開発した医療技術を秘密裏にプログレスが軍事技術に転用していた。
鉄の腕
ヘイトが使用する金属製の義腕。ベッケル博士が開発製造している。
「鉄の腕」は通称であり、材質には鉄以上の強度を持つ特殊合金が使用されている。合金の詳細は不明だが、フラーレンに何らかの金属を包接したものであるとされる[4]。腕を動かすための動力や機構は一切搭載されておらず、ゼスモスで動かすことを前提にデザインされている。手首の辺りに小型の爆弾が内蔵されている。
同様のものとして、スワロウの使う「鉄の脚」がある。
鉄の腕ver2
人類大量抹殺を生き延びたヘイトが使用していたもの。従来の腕としての機能のほか、ナノテク技術も織り込まれた。右前腕部にブレード、左にはシールドが収納され、戦闘時はこれらを展開してより効率よく攻撃・防御が行える。ただし収納部は精密機械であるため、衝撃で破損すれば使用不能となる。
鉄の腕ver3
スワロウとの死闘の後、レイとアンドレによって届けられたヘイトの最後の装備。ヨシコが製作している。原理は不明だがゼスモスを具現化させ物理的な破壊力を持たせられる。ヘイトがひとたびゼスモスを肥大化させれば腕の各所からゼスモスの刃が飛び出し、から伸びる5本の指は鋭いかぎ爪へと変形、ダイモンズの名に見合う恐ろしい外観と攻撃力を誇る。
エレセロス
念動力の一種。プログレスが持つ先天性の力でベッケル曰く解き放つ力。自我の薄い生物や、自分に関心を持った者の精神を支配する。
当初は、感情のたかぶりに呼応して無意識に発生し、周囲の動物たちにプログレスの望む行動をとらせるだけの力だった。しかし、自身の力の大きさに気づいたプログレスが人間をも支配し精神を自らの分身とする力へと発展させる。また、非常に強い意識を自身に向けさせる必要があったが、力の成長とともに多少の関心があれば効力が及ぶようになった。

書誌情報

脚注

  1. 現実のナノテクノロジーとは異なり、本作独自の脚色がなされている。身体内に微小な機械を埋め込むことにより、身体の大幅な変形や、兵器を内蔵する等が可能。
  2. 単行本第4巻 155頁(第34話「危機一髪」) - プログレスがアールダーに送った依頼書に記載。
  3. この一連の訓練は『鉄の旋律』におけるエピソードを基にしている。
  4. 単行本第5巻 111頁(第41話「守り神」)より。



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