DCユニバース (DCスタジオ)
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DCユニバース | |
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創作者 | |
所有者 | |
期間 | 2024年〜 |
映画・テレビ | |
映画 | 『スーパーマン』(2025年) 『スーパーガール: ウーマン・オブ・トゥモロー』 (2026年) |
アニメーション シリーズ |
『クリーチャー・コマンドーズ』(2024年) |
DCユニバース(英: DC Universe)は、DCスタジオが製作する実写作品やアニメーション作品から構成されるフランチャイズ及びシェアード・ユニバース。略称は「DCU」。DCエクステンデッド・ユニバースを前身としており、DCエクステンデッド・ユニバースと同じくDCを原作としている。
沿革
2022年、ワーナーメディアとディスカバリーが統合し、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが設立され、デヴィッド・ザスラフがCEOの座についた。ザスラフはDCフランチャイズの改革に乗り出し、DCフィルムズに代わる「DCスタジオ」を設立、その共同会長兼CEOとしてジェームズ・ガンとピーター・サフランを任命した[1]。そして、ワーナーの幹部のマイケル・デ・ルカ並びにパメラ・アルディから「ジェームズ・ガンとピーター・サフランがチームに加わり、DCユニバースの統括を担うことにこの上ないほど興奮している」との声明が出され、DCスタジオで「DCユニバース」と称される新たなDCフランチャイズが計画中であるらしいことが伝えられた[1]。
2023年1月、DCスタジオは新たなDCコミックスの映像化作品10本とともに、今後8〜10年にわたる「DCユニバース」の計画の一部を発表した[2][3][4][5]。DCユニバースはDCエクステンデッド・ユニバースを部分的にリブートする形で創られ、DCユニバースでは実写作品とアニメーション作品が結び付き、映画作品もテレビ作品もゲーム作品も同じ世界で絡み合い、キャラクターたちは一貫して同じ俳優が演じるという[2][4][5]。ジェームズ・ガンはこの発表とともに「DCの歴史は滅茶苦茶だった」「自分に微笑んだクリエイターにパーティーの景品のようにIPを与えていた」と述べ、アローバース、DCエクステンデッド・ユニバース、スナイダーバース[注 1]……と幾つものユニバースを並行して製作していたDC/ワーナーの前体制を批判した[2][6][7]。この批判に関連して、デヴィッド・ザスラフも2022年11月に「今後はバットマンが4人もいたりしない」と述べている[8]。
もっとも、DCユニバースの最初の10作品の中にはバットマンの作品もスーパーマンの作品もあるが、それらとは別にマット・リーヴス監督のバットバースやタナハシ・コーツ脚本のスーパーマンの新作映画も「DCエルスワールズ」作品として引き続き製作される[2][9][10]。
チャプター1より前の作品
下記の作品は、DC/ワーナーの前体制下でDCエクステンデッド・ユニバースに属すものとして製作が始まったが、ピーター・サフラン曰く「素晴らしい作品」である為、DCユニバースの計画にも組み込まれることとなった[2][7]。
- 『シャザム!~神々の怒り~』
- 2023年3月17日公開。映画『シャザム!』の続編映画。
- 主演のザッカリー・リーヴァイはTwitter上で反ワクチン発言をして物議を醸していたが、ジェームズ・ガンは「同意しかねることを俳優が口にしたからといって、毎回計画を変更することはできない。同様に、もし誰かが道徳的に非難されるべきことをしたら、それはまた別の話だ。そういうことを考慮しなければならない。それがバランスだ。それが現代社会で、別の場所だ」と、本作を公開中止にする考えはないことを述べた[2][11]。
- 『ザ・フラッシュ』
- 2023年6月16日公開。DCコミックスの「フラッシュ(バリー・アレン)」に基づく映画。
- ジェームズ・ガンは本作を「全てをリセットする」ものだと予告している[7]。
- 主演のエズラ・ミラーは映画公開前の数年間で暴行・侵入・窃盗など多数の事件・騒動を起こしていたが[12]、ピーター・サフランはエズラ・ミラーがその後謝罪をしてメンタルヘルスの治療に取り組み始めたことを踏まえ、「エズラが現在歩んでいる旅を全面的に支える」「話し合いができる時が来たら皆で最善の道を見つけ出す」と、直ちにエズラ・ミラーを降板させる考えはないことを述べた[2][7][13]。
- 『ブルービートル』
- 2023年8月18日米公開。DCコミックスの「ブルービートル(ハイメ・レイエス)」に基づく映画。ジェームズ・ガンはDCU最初のキャラクターはブルービートルだと回答した[14]。
- 『アクアマン/失われた王国』
- 2024年1月12日公開。映画『アクアマン』の続編映画。
なお、映画『ブラックアダム』は上記の作品と同じくDC/ワーナーの前体制下で製作が始まり、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの下で製作が続けられて公開に至った作品だが、DCユニバースの計画に組み込まれない[15][16][17]。
また、上記の作品以外でDCユニバースの計画始動前から製作されていた作品は、「DCエルスワールズ」と銘打たれて引き続き製作されるものもあるが、パティ・ジェンキンス監督による『ワンダーウーマン 1984』の続編など、大半は製作中止となった。
作品一覧
※ドラマ、アニメ作品には★。
チャプター1『ゴッズ・アンド・モンスターズ (Gods and Monsters)』
- 『クリーチャー・コマンドーズ』シーズン1(2024年12月5日配信)★
- 『スーパーマン』(2025年7月11日公開予定)
- 『ピースメイカー』シーズン2(2025年8月21日配信予定)★
- 『Lanterns』(2026年5月配信予定)★
- 『Supergirl: Woman of Tomorrow』(2026年6月26日米公開予定)
- 『Clayface』(2026年9月11日米公開予定)
- 『Waller』(TBA)★
- 『The Authority』(TBA)
- 『Paradise Lost』(TBA)★
- 『The Brave and The Bold』(TBA)
- 『Booster Gold』(TBA)★
- 『Swamp Thing』(TBA)
- 『Sgt. Rock』(TBA)
チャプター不明
- 『Untitled Blue Beetle Animation』★
- 『Untitled Teen Titans film』
- 『Untitled Bane & Deathstroke film』
- 『クリーチャー・コマンドーズ』シーズン2★
- 『My Adventures with Green Lantern』★
- 『Star Fire』★
- 『Super Powers』★
- 『Krypto Short Series』★
映画
作品名 | 公開日 | 監督 | 脚本 |
---|---|---|---|
チャプター 1 | |||
スーパーマン Superman |
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ジェームズ・ガン | |
Supergirl: Woman of Tomorrow |
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クレイグ・ギレスピー | アナ・ノゲイラ |
Clayface |
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ジェームズ・ワトキンス | マイク・フラナガン |
The Authority |
TBA | TBA | |
The Brave and The Bold |
アンディ・ムスキエティ | アンディ・ムスキエティ ロド・サヤゲス |
|
Swamp Thing |
ジェームズ・マンゴールド | ||
Sgt. Rock |
ルカ・グァダニーノ | ジャスティン・クリツケス | |
TBA | |||
Untitled Teen Titans film |
TBA | TBA | アナ・ノゲイラ |
Untitled Bane & Deathstroke film |
マシュー・オートン |
テレビシリーズ
テレビドラマ
シリーズ名 | シーズン | 話数 | ショーランナー | 脚本 | 放送開始日 |
---|---|---|---|---|---|
チャプター1 | |||||
ピースメイカー Peacemaker |
2 | 8話 | ジェームズ・ガン | 2025年8月21日 | |
Lanterns |
1 | クリス・マンディ | クリス・マンディ デイモン・リンデロフ トム・キング |
2026年5月 | |
Paradise Lost |
1 | TBA | TBA | ||
Waller |
1 | クリスタル・ヘンリー ジェレミー・カーヴァー |
ジェレミー・カーヴァー | ||
Booster Gold |
1 | TBA |
テレビアニメ
シリーズ名 | シーズン | 話数 | ショーランナー | 脚本 | 放送開始日 |
---|---|---|---|---|---|
チャプター1 | |||||
クリーチャー・コマンドーズ Creature Commandos |
1 | 7話 | ディーン・ローリー | ジェームズ・ガン | 2024年12月5日 |
TBA | |||||
Untitled Blue Beetle Animation |
1 | ミゲル・パガ | クリスティアン・マルティネス | TBA | |
クリーチャー・コマンドーズ Creature Commandos |
2 | 7話 | ディーン・ローリー | ジェームズ・ガン | |
My Adventures with Green Lantern |
1 | TBA | |||
Star Fire |
1 | ||||
Super Powers |
1 | ||||
Krypto Short Series |
1 | 4話 |
DCエルスワールズ
下記の作品は、「DCエルスワールズ」(DC Elseworlds)と銘打たれ、DCユニバースと並行して製作されるが、それとは別の世界を舞台としている[10]。
バットマン・エピック・クライム・サーガ
DCコミックスの「バットマン」に基づくマット・リーヴス監督の映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』から始まるザ・バットマン三部作とその派生作品で構成されるシリーズ。
三部作
作品名 | 公開日 | 監督 | 脚本 |
---|---|---|---|
THE BATMAN-ザ・バットマン- The Batman |
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マット・リーヴス | マット・リーヴス ピーター・クレイグ |
The Batman Part Ⅱ |
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マット・リーヴス マットソン・トムリン |
テレビシリーズ
シリーズ名 | シーズン | 話数 | ショーランナー | 配信開始日 |
---|---|---|---|---|
THE PENGUIN-ザ・ペンギン- The Penguin |
1 | 8話 | ローレン・レフラン | 2024年9月19日 |
アメリカン・コミック
- 『リドラー:イヤーワン』 (The Riddler: Year One)
- 2022年10月25日から2023年4月26日にかけて刊行。リドラーことエドワード・ナッシュトンを主役とするコミックで、映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』で同役を演じたポール・ダノが物語を執筆。映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の前日譚に当たる。
ジョーカー・シリーズ
トッド・フィリップス監督の映画『ジョーカー』とその続編で構成される2部作映画。
作品名 | 公開日 | 監督 | 脚本 |
---|---|---|---|
ジョーカー Joker |
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トッド・フィリップス | トッド・フィリップス スコット・シルヴァー |
ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ Joker: Folie à Deux |
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その他
- 『Dynamic Duo』
- 2028年6月20日米公開予定。
- 「ディック・グレイソン」と「ジェイソン・トッド」のオリジン・ストーリーを描くアニメ映画。
- 『スーパーマン&ロイス』
- DCコミックスの「スーパーマン」と「ロイス・レイン」に基づく実写テレビシリーズ。
- 『ティーン・タイタンズGO!』
- DCコミックスの「ティーン・タイタンズ」に基づくアニメイテッド・テレビシリーズ。
- 『タイトル未定のスーパーマン作品』
- バッド・ロボット・プロダクションズが製作し、タナハシ・コーツが脚本を手掛ける、DCコミックスの「スーパーマン」に基づく映画。
- DCスタジオの設立前から製作されていた作品のうちの一つ[18][19]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b Couch, Borys Kit,Aaron (2022年10月25日). “DC Shocker: James Gunn, Peter Safran to Lead Film, TV and Animation Division (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年10月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g Kit, Borys (2023年1月31日). “DC Slate Unveiled: New Batman, Supergirl Movies, a Green Lantern TV Show, and More From James Gunn, Peter Safran” (英語). The Hollywood Reporter. 2023年2月3日閲覧。
- ^ Vary, Adam B. (2023年1月31日). “New DC Universe Unveils First 10 Projects: ‘Superman: Legacy’ in 2025, Batman & Robin Movie, Green Lantern Series, Wonder Woman Prequel and More” (英語). Variety. 2023年1月31日閲覧。
- ^ a b “The Next Generation of DC Movies and TV Has Arrived...” (英語). DC (2023年1月31日). 2023年2月1日閲覧。
- ^ a b “【全訳】新DCユニバース第1章『Gods and Monsters』大発表 ─ DCがリセット、新作10タイトルと注目ポイント解説”. THE RIVER (2023年2月1日). 2023年2月1日閲覧。
- ^ Vary, Matt Donnelly,Adam B. (2023年1月31日). “James Gunn, Peter Safran Vow to Put Screenwriting First to Fix the Once ‘F—ed Up’ DC Studios” (英語). Variety. 2023年1月31日閲覧。
- ^ a b c d Siegel, Tatiana (2023年1月31日). “James Gunn Calls ‘The Flash’ One of the ‘Greatest Superhero Movies’ Ever, Ezra Miller’s DC Future Decided After Their Recovery” (英語). Variety. 2023年2月1日閲覧。
- ^ Weprin, Alex (2022年11月15日). “Warner Bros. Discovery CEO David Zaslav Talks “Weak” Advertising Market, DC Plans and HBO Losses” (英語). The Hollywood Reporter. 2023年2月1日閲覧。
- ^ Sharf, Zack (2023年1月12日). “Matt Reeves Says He’s Meeting James Gunn to Ensure BatVerse and DC Universe ‘Don’t Crash’ Together: ‘We Want to Support Each Other’” (英語). Variety. 2023年1月31日閲覧。
- ^ a b Sharf, Zack (2023年1月31日). “‘The Batman Part II’ Sets 2025 Release Date as Part of Newly Branded ‘DC Elseworlds’ Projects” (英語). Variety. 2023年1月31日閲覧。
- ^ Sharf, Zack (2023年1月31日). “James Gunn on ‘Shazam’ Star Zachary Levi’s Anti-Pfizer Tweet: ‘I Can’t Change Plans’ Just ‘Because an Actor Says Something I Don’t Agree With’” (英語). Variety. 2023年2月3日閲覧。
- ^ “エズラ・ミラーのグルーミング疑惑や薬物使用、『ザ・フラッシュ』の今後はどうなってる?【まとめ】 - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信”. front-row.jp. 2023年2月3日閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (2023年1月31日). “DC Bosses “Didn’t Fire” Henry Cavill; Talk Fate Of Robert Pattinson, Gal Gadot, Jason Momoa, Filmmakers & More In New Universe” (英語). Deadline. 2023年2月3日閲覧。
- ^ (日本語) JAMES GUNN: Taking Over DC, Legacy of GOTG & The Future of Lex Luthor 2023年6月18日閲覧。
- ^ Siegel, Tatiana (2023年1月4日). “Secret Meetings, Tequila and Black Adam vs. Superman: How Dwayne Johnson’s Bid for DC Power Flamed Out” (英語). Variety. 2023年2月1日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/TheRock/status/1605322145768165376”. Twitter. 2023年2月1日閲覧。
- ^ “ブラックアダム 、新DCユニバースから外れる ─ マルチバース再登場を示唆”. THE RIVER (2022年12月21日). 2023年2月1日閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (2021年2月26日). “‘Superman’ Reboot In The Works At Warner Bros With Ta-Nehisi Coates Writing, J.J. Abrams Producing” (英語). Deadline. 2021年7月31日閲覧。
- ^ Jackson, Angelique (2021年2月26日). “Ta-Nehisi Coates Writing a New Superman Film for DC and Warner Bros.” (英語). Variety. 2021年7月31日閲覧。
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