A184とは? わかりやすく解説

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A184

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/09 14:34 UTC 版)

A184
種類 対艦対潜魚雷
原開発国 イタリア
運用史
配備期間 1974年–
配備先  イタリア海軍
開発史
開発者 ホワイトヘッド
製造業者 ホワイトヘッド
→フィンカンティエリ
→レオナルド
派生型
諸元
重量 1,265 kg(2,788 lb)
全長 6 m
直径 533 mm

射程 8–20 km(有線誘導時)
速度 24–36ノット
弾頭 HBX爆薬
炸薬量 250 kg(550 lb)
信管 磁気近接信管および接触信管

エンジン 銀亜鉛電池2重反転プロペラ
誘導方式 有線音響誘導
※Mod.3では航跡ホーミングにも対応
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A184は、イタリアホワイトヘッド(後のレオナルドシステム・ディ・ディフェサ)社が開発した魚雷対艦対潜両用の電池魚雷である[1]

開発経緯

1950年代中頃、イタリア海軍は既存の21インチG6e魚雷(G7eの短縮版)にMk.44短魚雷を組み合わせた対潜魚雷としてG62ef カングーロ(Canguro、カンガルー)を自国開発した[1]。1960年代末にはこの兵器が耐用年数を迎えたため、1971年に後継への要求仕様が発行された[1]

新型魚雷はホワイトヘッド(Whitehead Motofides)によりA184として開発され、1973年にプロトタイプが製造・試験された[1]。生産は1974年に開始され、まずイタリア海軍の潜水艦に供給されたが、後にフレッチャ級イタリア語版およびランポ級魚雷艇イタリア語版を含む水上艦艇にも供給された[1]

1980年代初頭、ホワイトヘッド社はペルーへの初の輸出受注獲得を公表した[1]。台湾からの発注の報告もあったが、輸出顧客はペルーのみとみられる[1]。ただし実際に兵器が引き渡されたかどうかは不明であり[1]、フォークランド紛争でドイツ製のSST魚雷が失敗した後にペルーがA184に関心を示したものの、結局購入しなかったと報告されている[2]。1980年代後半には米海軍の低コスト対水上艦魚雷(ASuWT)プログラム向けの試験が実施され、試験は成功裏に終了したが米海軍はプログラムの継続を断念した[1]

1996年時点の推定単価は100-125万米ドルである[2]。改良型のMod 3は、イタリア海軍の「改良サウロ」級改修向けに選定され、2001年に最初の艦が再就役する計画とされた[1]

設計

A184は対艦対潜の両用魚雷であり、外観は丸みを帯びた先端部、4枚の長方形フィン、露出した二重反転スクリューを持つ細長い円筒形をしている[1]

誘導装置

先端部には、送受波器の半円形アレイ2つ(垂直・水平)を持つSEPA AG 67アクティブ/パッシブ・シーカーが搭載されており[1]、広いソナー探知可能範囲を備える[2]。アレニア製誘導ユニットが目標の正確な位置を算出する[1]

有線誘導で伝達される指令には、針路・深度・音響モード(アクティブ・パッシブ・複合)・有効化距離・許容層・速度・接触信管と近接信管の設定・魚雷停止が含まれる[1]。魚雷からの返信には、針路・距離・深度・音響モード・速度およびその他のデータが含まれる[1]

武器管制システムは戦術状況を表示し、艦内センサーからデータを取得して、指定目標に対する水中兵器の選択・チェック・プリセット・発射・誘導を可能にする[1]。武器管制システムはモジュール式であり、各モジュールは他のモジュールが故障した場合でも独立して使用可能である[1]

Mod 3では、Intel486プロセッサを搭載した改良型魚雷ソナー(TOSO)が装備されており、強い残響環境下や対抗手段の使用下においても多目標状況での運用が可能である[1]。TOSOは30 kHz帯で動作し、Mod 3に航跡ホーミング能力と再攻撃能力を付与する[1]。1987年の米海軍試験において航跡追尾能力を実証した[2]

1996年からMod 3への搭載が開始された新型TOSO誘導装置(ドイツのゼーヘヒトから発展させたもの)は新型垂直アレイを搭載し、複数目標の同時処理能力を持つ[2]。ソナーの探知可能範囲は、従来のA184と比して、水平・垂直方向のいずれでも大幅に拡大された[2]。Mod 3はより高度にデジタル化されており、送受波器の直後でソナーデータをデジタル化する[2]。デジタル部品が旧型シーカーのアナログ要素の約30%を置き換え、符号化波形によって対抗手段耐性を強化した[2]。誘導ワイヤーも、従来の電線から光ファイバーに変更された[2]

弾頭部

250 kgでHBX爆薬を充填された弾頭を搭載し、磁気近接信管および接触信管を装備する[1]

推進装置

魚雷中央部には銀亜鉛電池が配置され、後部3分の1には電子誘導パッケージ、ジャイロスコープ、誘導ワイヤー・ディスペンサー、および7翅・6翅の直接駆動2重反転プロペラを駆動する93 kWの電動機が収納されている[1]。24ノットなら25 km、36ノットなら10 kmの距離を駛走可能とされる[2]

またMod 3では、新型スクリューと酸化銀-亜鉛電池(175 kW)により最高速度は約45ノットまで向上した[2]

スイムアウト式および水圧式の魚雷発射管の双方から発射可能であり、B516魚雷発射管からの発射にも対応する[1]

配備

A184は約500本が生産されたが、2001年時点では2か国のみで運用中であった[1]。2004年時点でイタリアの潜水艦搭載魚雷はMod 0またはMod 1からMod 3へのアップグレード中であった[2]。なお本魚雷は中国に売却された可能性があり、新型中国製長魚雷の開発基盤となったとも指摘されている[2]。中国はA244短魚雷を購入したことが確認されている[2]

運用国一覧

脚注

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 Hooton 2001, pp. 435–436.
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 Friedman 2006, pp. 727–728.
  3. 1 2 IISS 2026, p. 110.
  4. IISS 2026, p. 425.

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

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