5つの安全
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/08 06:18 UTC 版)
![]() | この記事は語句の内部リンク、見出しのマークアップなどスタイルマニュアルに沿った修正が必要です。 |
5つの安全(英: Five Safes)は、機密性の高いあるいは配慮の必要のあるデータの有効活用に関する意思決定を支援するフレームワークである。主に、政府や保健機関が保有する統計データ、および英国データサービス[1]などのデータアーカイブへの研究アクセスを記述または設計するために使用される。
5つの安全のうち2つは統計的開示管理を指すため、「5つの安全」は通常、データ管理の方法を比較するときに統計的および非統計的コントロールを対比するために使用される。
「5つの安全」は、データ管理の意思決定は、プロジェクト、人、設定、データ、アウトプットの5つの「次元」の問題を解決するものと見なすことを提案しています。これら管理方法を組み合わせることで、データの「安全な活用」につながる。これらは最も一般的に質問の形で表現される[2][3]。
安全なプロジェクト
Safe project |
データの使い方・目的は適切か |
安全な利用者
Safe people |
利用者は適切な管理をすると信用できるか |
安全な環境
Safe settings |
利用環境は、許可されていないアクセスを禁止できているか |
安全なデータ
Safe data |
データ自体に開示リスクが無いか |
安全な出力
Safe outputs |
データの集計出力に開示リスクがないか |
これらの次元はレベルの問題であり、有無の2値で表されるものではない。またこれらの問題に対する解決方法において、各次元で強弱を取り混ぜた手段を組み合わせることができる。一方で、特定の組み合わせが推奨されるということではなく、全体として「安全な利用」を確保することが目的である。たとえば、オープンダウンロードが可能な、公開データ(Public Use File)は、誰がそれを使用し、どこで、どのような目的で使用するかを制御できないため、すべてのデータ保護手段はデータ自体に内在している(つまり、データ自体が安全である)必要がある。対照的に、許可されたユーザーが安全な環境を介してのみアクセスされるファイルは、非常に機密性の高い情報を含める(つまり、データは安全ではない)ことが許される。 つまり、安全な環境という、非統計な管理措置を使うことにより、データ自体は「安全でない」ことが許容可能となる。いうなれば、このプロセスはグラフィックイコライザーのようなもので,[4]、低音と高音を独立して組み合わせて、リスナーが好きなサウンドを生成する、といったことに似ている。
出典
- ^ “What is the Five Safes framework?”. www.ukdataservice.ac.uk. UK Data Service. 2017年1月25日閲覧。
- ^ Desai, Tanvi; Ritchie, Felix; Welpton, Richard (2016). “Five Safes: designing data access for research”. Bristol Business School Working Papers in Economics: Footnote 1 .
- ^ “1015.0 - Information Paper: Transforming Statistics for the Future”. www.abs.gov.au. Australian Bureau of Statistics (2016年). 2017年1月25日閲覧。
- ^ McEachern, Steve (2015). “Implementation of the Trusted Access Model”. Australian Data Archive .
- 5つの安全のページへのリンク