閉世界仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/23 09:25 UTC 版)
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閉世界仮説(へいせかいかせつ、英: Closed world assumption)は、現時点で真であると判明していないことは偽であると仮定することを意味する[要出典]。論理学では、Raymond Reither が閉世界仮説を形式化した。閉世界仮説の逆を開世界仮説(Open world assumption)と呼び、知識の欠如を偽とは見なさない。
概要
失敗による否定(Negation as failure)は閉世界仮説と関連しており、真であると証明されなかった述語は偽であると見なされる。
ナレッジマネジメントでは、閉世界仮説が少なくとも2つの状況で使われる。第一に、知識ベースが完成した時点で、そこに含まれない知識は偽であるとされる。例えば、企業の従業員のデータベースが完全であれば、そこに記録されていない人は従業員ではない。第二に、知識ベースが不完全であるときでも、そこにない知識は偽であるとして回答することが最善の場合である。例えば、以下のような編集者と記事名の表がデータベースにあったとき、"Formal Logic" の編集に関わっていない編集者というクエリに対しては “Sarah Johnson” と答えることが期待される。
Edit | |
---|---|
Editor | Article |
John Doe | Formal Logic |
Joshua A. Norton | Formal Logic |
Sarah Johnson | Introduction to Spatial Databases |
Charles Ponzi | Formal Logic |
Emma Lee-Choon | Formal Logic |
閉世界仮説では、この表が完全である(全ての編集者と記事の対応が格納されている)と仮定され、この表の中では Sarah Johnson だけが Formal Logic に関わっていない編集者とされている。もしここで開世界仮説を採用すれば、この表には全ての情報(編集者と記事の対応)が格納されているとは限らないと考えられ、答えが得られない。つまり、この表に載っていない編集者がどれだけいるか、Sarah Johnson が関わってこの表に載っていない記事がどれだけあるか分からないのである。
論理学における形式化
論理学における閉世界仮説の最初の形式化は、知識ベースに含まれないリテラル群について、その否定を知識ベースに加えることとされた。この場合、知識ベースがホーン節で表されるなら一貫性が保たれるが、そうでない場合は必ずしも一貫性は保たれない。例えば、次のような知識ベース
- 出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
- M. Cadoli and M. Lenzerini (1994). The complexity of propositional closed world reasoning and circumscription. Journal of Computer and System Sciences, 48:255-310.
- T. Eiter and G. Gottlob (1993). Propositional circumscription and extended closed world reasoning are
閉世界仮説と同じ種類の言葉
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