重畳加算 (音響信号処理)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 05:14 UTC 版)
音響信号処理における
概要
音声合成をはじめとした音響信号処理において、重畳加算は「複数の短い音波断片を部分的に重ねて足し合わせることで長い音を合成すること」である。直感的にはクロスフェードによる音波断片の連結である。重畳加算の手法は複数存在し、それぞれ特徴が異なる(⇒ #手法)。重畳加算は様々な音響合成のなかでおこなわれている(⇒ #利用)。
手法
重畳加算の手法は複数存在する[4]。以下はその一例である:
重畳加算で合成される音の品質・特性は重畳加算手法によって変わる。同時に、足される音波断片の特性(例: 周期成分か確率成分か、切れ目はどこか、窓関数は何か)も大きな影響を与える。
利用
重畳加算は様々な場面で利用される。以下はその一例である:
脚注
注釈
出典
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overlap-add (OLA)
(Moulines 1990, p. 455) - ^ a b
逆短時間フーリエ変換 ... 元の時間領域信号に戻すため,これをシフトして ... 加算すること ... この操作はオーバラップ加算(Overlap Add; OLA)などと呼ばれる
(小野 2016, p. 766) - ^ 板橋秀一 (2005), 音声工学, 森北出版, p. 169, ISBN 9784627828117
- ^
Several overlap-add (OLA) synthesis procedures are available to obtain the final synthetic speech.
(Moulines 1990, p. 455) - ^
overlap-add (OLA) synthesis procedures ... An alternative synthesis scheme is simple overlap-add procedure (Allen. 1977)
(Moulines 1990, p. 455) - ^
overlap-add (OLA) synthesis ... by means of the least-square overlap-add synthesis scheme (Griffin and Lim, 1984)
(Moulines 1990, p. 455) - ^
Pitch-synchronous overlap-add synthesis ... overlap-add (OLA) ... to obtain the final synthetic speech.
(Moulines 1990, p. 455) - ^
WSOLA の手順 ... 波形セグメント (A) の後半部 ... と波形セグメント (B’) の前半部 ... に対して ... 重畳加算を行うことで ... 接続する
p.3 より引用。 倶羅, 真也 (2015). “音声波形加工に基づく非母語音声の継続長補正法の評価と分析”. 信学技報. 115 (346): 19–24.
参考文献
- Moulines, Eric (1990). “Pitch-synchronous waveform processing techniques for text-to-speech synthesis using diphones”. Speech Communication. 9 (5–6): 453–467. doi:10.1016/0167-6393(90)90021-Z.
- 小野, 順貴 (2016). “短時間フーリエ変換の基礎と応用”. 日本音響学会誌. 72 (12): 764–769. doi:10.20697/jasj.72.12_764.
関連項目
- 重畳加算 (音響信号処理)のページへのリンク