第30装甲擲弾兵旅団 (ドイツ連邦陸軍)とは? わかりやすく解説

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第30装甲擲弾兵旅団 (ドイツ連邦陸軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/09 03:13 UTC 版)

第30装甲擲弾兵旅団
創設 1958年5月12日
廃止 2008年3月31日
所属政体 ドイツ
所属組織 ドイツ連邦陸軍
部隊編制単位 旅団
兵種/任務 機械化歩兵
上級単位 第10装甲師団
最終位置 バーデン=ヴュルテンベルク州 エルヴァンゲン
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第30装甲擲弾兵旅団「アルプ旅団」(だい30そうこうてきだんへいりょだん、ドイツ語Panzergrenadierbrigade 30 "Alb-Brigade")は、ドイツ連邦陸軍旅団の一つ。第10装甲師団隷下にあって、旅団司令部をエルヴァンゲンに置き、旅団隷下部隊はバーデン=ヴュルテンベルク州に駐屯していた。

歴史

第1次編制

1958年5月12日にレーゲンスブルクにてC4戦闘群が編成され、同年エルヴァンゲンに移駐する。エルヴァンゲンでは最初の部隊である第24擲弾兵大隊が編成される。

第2次編制

1959年3月に戦闘群は第30装甲旅団に改編される。旅団は当初から第10装甲師団隷下にあった。陸軍第2次編制期の旅団隷下部隊は以下のとおり。

  • 第302装甲擲弾兵大隊 在エルヴァンゲン(第24擲弾兵大隊を母体に1958年10月1日に編成)
  • 第104戦車大隊 在ハイデンハイム(1960年11月17日に編成)
  • 第302装甲砲兵大隊 在ドナウヴェルト(1958年12月1日に編成された第285砲兵大隊を母体に1964年1月1日に編成)
  • 第300装甲工兵中隊(第502重整備中隊を母体に1959年12月1日に編成)
  • 第306補給大隊第3中隊(第502重整備中隊を母体に1959年12月1日に編成)
  • 旅団司令部中隊偵察小隊(1962年10月1日編成、1971年10月1日に独立部隊として第300装甲偵察小隊が編成し第10装甲偵察大隊隷下となる)
  • 第300戦車駆逐中隊 在インゴルシュタット(エルヴァンゲンにて1968年5月1日に編成)
  • 第284戦車大隊 在ドルンシュタット(1968年10月4日まで第28装甲旅団隷下にあった第281装甲擲弾兵大隊を改称)

第3次編制

1970年に第284戦車大隊は第304戦車大隊に改称する。ハイデンハイムの第104戦車大隊は1971年10月1日に第304戦車大隊に改編され第10装甲旅団から編入される。第306補給大隊は1971年に解隊され第3中隊は第300整備中隊となる。輸送中隊は1974年に第300補給中隊に改編される。第300装甲偵察小隊は1979年7月にエルヴァンゲンへ移駐し再び旅団司令部中隊隷下に編入する。

第4次編制

1981年4月1日に第30装甲旅団から第30装甲擲弾兵旅団に改編される。第301装甲擲弾兵大隊と第303装甲擲弾兵大隊が旅団編制に加入する。1989年から1991年にかけて第5次陸軍編制の枠組みにおいて大規模部隊実験の一環で「幹部迅速成長」実験の全3事例を実証する。

第5次編制

1992年から1994年射掛けて旅団は大規模な再編成を実施する。第301、第302、第303の全3個装甲擲弾兵大隊は解隊される、残りの第305装甲砲兵大隊、独立中隊、司令部および装甲工兵中隊は残存した。シュテッテンの第294装甲擲弾兵大隊とミュンジンゲンの第285装甲擲弾兵大隊が隷下に編入される(第28と第29装甲旅団から)。第282装甲擲弾兵大隊は非現役部隊となり(改編基幹部隊は第294装甲擲弾兵大隊)、第284装甲擲弾兵大隊も非現役部隊となる(改編基幹部隊は第304戦車大隊で1992年に編入)。両部隊とも基幹部隊と同様に解隊するまで予備役兵を運用し、緊急時には急速に戦力化される。旅団直轄部隊は次の部隊であった。第504拠点衛生センター、非現役の第300野戦予備中隊、第300駆逐戦車中隊および第300装甲工兵中隊で旅団司令部中隊から非現役の第300装甲偵察中隊(エーバーン)が除外された。

1993年4月にフランケシュアルプスおよびシュヴァーベンアルプスの地元旅団として愛称「アルプ旅団」が与えられる。

旅団は1995年、1997年および2000年に和平履行部隊(IFOR)平和安定化部隊(SFOR)に部隊を派遣している。1999年以降、第30装甲擲弾兵旅団はSFOR派遣部隊に対して訓練を施した。1999年に旅団は緊急展開部隊の枠組みで第2軍団における緊急展開任務を遂行する。2002年にメルリッヒシュタットの第352装甲擲弾兵大隊と第362装甲擲弾兵大隊およびキュルスハイムの第363戦車大隊が旅団に編入される。2003年にクーゼルの第345装甲教育砲兵大隊と統合する。2003年、旅団隷下部隊はSFOR、KFOR、国際治安支援部隊(ISAF)およびアライド・ハーモニー作戦の第6次派遣隊に出動している。2004年に第282装甲擲弾兵大隊、第284戦車大隊、第304戦車大隊および第300装甲偵察中隊が解隊する。第285装甲砲兵大隊は2004年まで旅団に残った。2005年に第4次ISAF派遣隊としてカーブルに、第8次ISAF派遣隊およびコソボの第11次コソボ治安維持部隊(KFOR)派遣隊に出動した。2006年、メルリッヒシュタットの第352装甲擲弾兵大隊、キュルスハイムの第363戦車大隊と第300装甲工兵中隊が解隊される。2008年3月31日に旅団は解隊する。2003年1月1日から隷属した第345装甲教育砲兵大隊(クーゼル)は陸軍部隊旅団に配転する。第294装甲擲弾兵大隊(シュテッテン・アム・カルテン・マルクト)、第300野戦予備中隊(エルヴァンゲン)は旅団と同時に解隊された。旅団の最終任務は危機からの防衛準備、国土防衛・国民支援業務および人道的平和維持活動に出動していた。

旅団は長年の社会的貢献を称えられ、解隊前に連邦軍社会福祉名誉黄金メダルを授与された。1999年9月からケーニヒスブロンが旅団の後援都市となる。また、旅団は隣国のオーストリア共和国マウターン・アン・デア・ドナウに駐屯するオーストリア連邦陸軍第3装甲擲弾兵旅団と協力関係を持っていた。

歴代旅団長

氏名 着任 離任
1 ヴェルナー・ドリュウズ陸軍大佐
Werner Drews
1958年6月1日 1960年6月15日
2 ヴォルフガンク・ケストリン陸軍准将
Wolfgang Köstlin
1960年6月16日 1963年9月30日
3 ヴィルヘルム・トマス陸軍大佐
Wilhelm Thomas
1963年10月1日 1966年1月14日
4 ライナー・シュワルツ陸軍大佐
Rainer Schwartz
1966年1月15日 1967年9月30日
5 ギュンター=ヨアヒム・ローへ陸軍准将
Günther-Joachim Rothe
1967年10月1日 1970年9月30日
6 ミヒャエル・グレイプ陸軍准将
Michael Greipl
1970年10月1日 1975年9月30日
7 エーベルハルト・グルマー陸軍大佐
Eberhard Grumer
1975年10月1日 1979年9月30日
8 クルト=ヨーゼフ・ヴィーザー陸軍大佐
Kurt-Josef Veeser
1979年10月1日 1981年9月24日
9 ホルスト・アルブレヒト陸軍大佐
Horst Albrecht
1981年9月25日 1984年3月31日
10 アルノ・シェーファー陸軍大佐
Arno Schäfer
1984年4月1日 1986年3月31日
11 クラウス・ナウマン陸軍大佐
Klaus Naumann
1986年4月1日 1986年3月31日
12 コンラート・バーダー陸軍大佐
Konrad Bader
1986年4月1日 1989年3月31日
13 クリスティアン・マイヤー=プレッフ陸軍准将
Christian Meyer-Plath
1989年4月1日 1993年9月30日
14 クラウス・ハルトマン陸軍准将
Klaus Hartmann
1993年10月1日 1995年9月30日
15 ヤン・オーリンク陸軍大佐
de:Jan Oerding
1995年10月1日 1998年
16 クラウス・フェルトマン陸軍大佐
de:Klaus Feldmann (Soldat)
1999年 2003年
17 ハンス=クリストフ・アモン陸軍大佐
de:Hans-Christoph Ammon
2003年 2005年
18 ヨーゼフ・ブロッツ陸軍大佐
de:Josef Blotz
2005年 2007年9月28日
19 ヨアヒム・ポロック陸軍大佐
Joachim Pollok
2007年9月28日 2008年3月31日

脚注

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