猗頓とは? わかりやすく解説

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い‐とん【猗頓】

読み方:いとん

中国春秋時代大富豪(ろ)の人。牛・羊を飼育し製塩業興して財を成したといわれる生没年未詳。→陶朱(とうしゅ)猗頓の富


猗頓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/08 03:03 UTC 版)

猗頓
陳洪綬博古葉子中国語版』(1651年)に描かれる猗頓
出生 生年不詳
死去 没年不詳
猗氏
拼音 Yī Dùn
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猗頓(いとん、生没年不詳)は、中国春秋戦国時代[注釈 1]実業家山東省)の人。名は単に頓で、猗頓の名は猗氏という地で莫大な富と名声を築いたことによる通称[3][4]。富豪として知られ、「猗頓の富」の故事を生んだ。

略歴

もとは魯で糊口を凌ぐ生活を送っていたが、堪え兼ねて陶朱公(范蠡[注釈 2])の下へと赴き商売の道を求めた。陶朱公は猗頓に「其方が早く富みたいならば、五頭の牝牛を飼うてみよ」と教え、猗頓はこれに従って猗氏(現在の山西省運城市臨猗県)へと移徙し、牧畜を行い製塩業を営んだ[5][6]。果たして猗頓は十年の内に巨万の富を得るに至り、故に「猗頓」と称されるようになった[4]。また宝玉を見分ける眼力にも優れており、珠玉の取引にも携わったという[7]

この猗頓の成功は、『史記』等に見える陶朱公の故事(范蠡#伝説を参照)と併せて陶朱猗頓の富と称され、巨富あるいは大富豪の形容として用いられるようになった[8][9]

脚注

注釈

  1. ^ 春秋時代の末頃の人であるが、戦国時代に至るまで生きたのかは分からない[1][2]
  2. ^ 范蠡は、官を退いたのちに陶(現在の山東省)の地に移り住んで「朱公」と称したことから、「陶朱公」ないし「陶朱」と呼ばれるようになった。

出典

  1. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「猗頓」の意味・わかりやすい解説コトバンク。2026年1月6日閲覧。
  2. ^ 精選版 日本国語大辞典「猗頓」の意味・読み・例文・類語』コトバンク。2026年1月6日閲覧。
  3. ^ イトンのとみ | 言葉 | 漢字ペディア”. www.kanjipedia.jp. 日本漢字能力検定協会. 2026年1月7日閲覧。
  4. ^ a b 太平御覽』「人事部」富下:猗頓,魯之窮士也。耕則常饑,桑則常寒。聞陶朱公富,往問術焉,朱公告之:「子欲速富,當畜五⬜︎。」于是乃商西河,大畜牛羊于猗氏之南。十年之間,其孳息不可計,資擬王公,馳名天下。以興富于猗氏,故曰猗頓也。
  5. ^ 齊民要術』「養牛馬驢騾」第五十六:陶朱公曰:「子欲速富,當畜五牸。」
  6. ^ デジタル大辞泉『「猗頓」の意味・読み・例文・類語小学館、コトバンクhttps://kotobank.jp/word/%E7%8C%97%E9%A0%93-317702026年1月6日閲覧 
  7. ^ 淮南子』「氾論訓」:故劍工惑劍之似莫邪者,唯歐冶能名其種;玉工眩玉之似碧盧者,唯猗頓不失其情;闇主亂于姦臣小人之疑君子者,唯聖人能見微以知明。
  8. ^ 過秦論中国語版』「上」:始皇既沒,餘威震於殊俗。然陳涉,甕牖繩樞之子,氓隸之人,而遷徙之徒也。材能不及中人,非有仲尼、墨翟之賢,陶朱、猗頓之富,躡足行伍之閒,崛起阡陌之中,率罷弊之卒,將數百之衆,轉而攻秦。
  9. ^ デジタル大辞泉『「陶朱猗頓の富」の意味・読み・例文・類語』小学館、コトバンクhttps://kotobank.jp/word/%E9%99%B6%E6%9C%B1%E7%8C%97%E9%A0%93%E3%81%AE%E5%AF%8C-5804872026年1月6日閲覧 

参考文献




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