機械的霊感説とは? わかりやすく解説

機械的霊感説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/10/28 09:12 UTC 版)

機械的霊感説(きかいてきれいかんせつ、mechanical inspiration)とは、聖書の霊感説の一つ。笛吹き説琴弾き説口授説口述筆記説とも呼ばれる。この説は聖書記者が天理教の「おふでさき」のような自動筆記で聖書を書いたとする[1]

アテネのアテナゴラスは『キリスト者の弁護』(177年頃)で聖書記者をフルート奏者にたとえ、ヒッポリトス著『アンティ・キリスト』(200年頃[2])も聖書記者を諸楽器、みことばをバチにたとえており、アレクサンドリアのクレメンスは『ストロマティス』(6:18)で預言者が「神の声の楽器」になったとする。聖書記者を楽器に例えた中で最も有名なものは、250年頃の『ギリシア人への勧告』(無名の著者)である[3]Walter Richard CasselsSupernatural Religionはアテナゴラスがはっきりと機械霊感を主張したとしている[4]。 ただしこれらのキリスト教弁証家教父達の言葉を機械的霊感説と関連付ける説明をする教派ばかりではない。

高倉徳太郎言語霊感と機械霊感を同一視しているが[5][6]、厳密には区別があり高倉の混同が指摘されている[7]聖書信仰福音派は言語霊感の立場をとるが、機械霊感説を異教的として退けている。聖書記者ルカが資料を調べて書いたと聖書に書かれているのであり、聖書信仰福音派は聖書の有機的霊感を教えている。[8][9][10]

脚注

  1. ^ 『聖書の教理』p.41,『神の言葉である聖書』p.61
  2. ^ Hippolytus,De Christo et Antichristo
  3. ^ 和田p.146-147
  4. ^ Supernatural Religion
  5. ^ 高倉徳太郎『オーソドクシーおよび福音主義の本質』
  6. ^ 佐藤敏夫『高倉徳太郎とその時代』
  7. ^ 『福音主義キリスト教と福音派』p.163
  8. ^ 『神の言葉である聖書』
  9. ^ 『現代福音主義神学』
  10. ^ 『聖書の教理』

参考文献


機械的霊感説(口授説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 01:06 UTC 版)

聖書信仰」の記事における「機械的霊感説(口授説)」の解説

聖書記者無意識恍惚状態聖書記したとする説。これに対して聖書信仰有機的霊感説に立っている。

※この「機械的霊感説(口授説)」の解説は、「聖書信仰」の解説の一部です。
「機械的霊感説(口授説)」を含む「聖書信仰」の記事については、「聖書信仰」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「機械的霊感説」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「機械的霊感説」の関連用語

1
12% |||||

機械的霊感説のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



機械的霊感説のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの機械的霊感説 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの聖書信仰 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS