循環ミサ曲とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 循環ミサ曲の意味・解説 

循環ミサ曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/06 07:41 UTC 版)

循環ミサ曲(じゅんかん-きょく)とは、ミサ曲において一つの定旋律(Cantus firmus)でミサの各章を統一する形態である。定旋律ミサ曲とも呼ばれる。

定旋律を使用してミサ曲全体を統一しよう、という傾向はイギリスで盛んであった。リオネル・パワーの作曲による「Missa Alma Redemptoris」は知られている最古の循環ミサであり、グレゴリオ聖歌の旋律がそのままテノールのパートで流される。同様な試みはブルゴーニュ楽派の先駆けであるチコーニアなども行ったが、特に、ルネサンス音楽の先駆者であるデュファイのミサ曲が重要である。循環ミサ曲は、フランドル楽派であるジョスカン・デ・プレなどにより完全な形にまで発展した。ジョスカンは、これまでのイソリズムの様式で、特定の声部に定旋律を置いてそれに対旋律を付けるという方法から、通模倣様式という様式を確立した。通模倣様式では、定旋律を全声部で模倣する。

循環ミサ曲の出現が音楽史上において重要なのは、ミサ曲という複数の楽章を持つ一つの音楽作品において、定旋律で全体を統一したことである。つまり、このような形態は、バロック音楽古典派以降のソナタ形式交響曲、更にはワーグナー楽劇ライトモティーフ)などにも見られ、西洋音楽に普遍的なものとなった。



このページでは「ウィキペディア」から循環ミサ曲を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から循環ミサ曲を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から循環ミサ曲 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「循環ミサ曲」の関連用語

循環ミサ曲のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



循環ミサ曲のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの循環ミサ曲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS