山陽電気鉄道2300系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 17:41 UTC 版)
山陽電気鉄道2300系電車(さんようでんきてつどう2300けいでんしゃ)は、かつて山陽電気鉄道(山陽)が保有していた通勤形電車。同社が吊り掛け駆動で足回りの老朽化が目立っていた2700系を1976年から1977年にかけて機器更新し、高性能化した系列である。
注釈
- ^ 沿線に播磨臨海工業地帯を抱える山陽にとって、工業衰退による通勤利用の減少は大きな打撃となった。
- ^ 2700系以外の山陽電鉄の吊り掛け駆動車は、神戸高速鉄道線を介した阪神・阪急線への乗入れに対応していないため[2]高速神戸以西の運用に限定され、おもに姫路方面のローカル運用に使用された。このため運転性能の相違も含めて旧型車の運用されるダイヤと乗入れ対応車の運用されるダイヤを分けて作成し、車両運用も別個に組まなければならず、車両数の削減を進める上でネックとなっていた。
- ^ 改造種車の700形がこの方式で、また、改造の時点では山陽では2両編成が主体だったために1編成ごとに連番(2700+2701、2702+2703…)となるため、このような付番が行われた。
- ^ 主電動機の定格出力から、2600形と2300形奇数番号車との間に付随車を挿入することが可能であったがこれは実施されておらず、本系列は終始3両固定編成で運用された。
- ^ このパンタグラフ撤去跡への通風器増設は実施されず、後の冷房化まで他の部分より設置間隔が広いままで外観上の特徴となっていた。
- ^ 「制御器1基で1両分4基の主電動機(モーター)を制御する」という意味。後述の「1C8M制御」は同2両分8基。
- ^ 端子電圧750 V時定格出力140 kW。
- ^ 端子電圧340 V時定格出力125 kW。なお、時期により小改良が加えられて型番末尾のサフィックスが変化しており、本系列ではMB-3020S3・S4が使用された。
- ^ 改造を受けた時点で、既に常時3両編成を組んでいたために営業運転では編成中間に入っていた。
- ^ 2300形には動力台車のKW-1B形、2600形には付随台車のKW-4形が3000系2次車等に採用されているものに準じた仕様で製造された。
- ^ 2700系以外の吊り掛け駆動車は阪神・阪急線への乗入れができず、中でもこれらの形式は車体の製造年次も古いため、接客面でも置き換えの必要性が高かった。
- ^ 阪急六甲駅で発生した脱線事故の影響で、5000系への置き換え対象外の車両は塗装変更を施し、設備の簡略化も相まってクリーム1色に黒と赤の帯が配された。
- ^ 他形式では先頭車最前部扉の戸袋部にコーポレートマークが掲示されたが、戸袋に窓が設けられている本形式は掲示する場所がなかったことから、最後までなされなかった。
- ^ 端子電圧675 V時定格出力110 kW
- ^ このとき2300・2301号の電装解除により捻出されたMB-3037を活用して3000系3010Fの主電動機換装が行われ、同編成の電動車3000形3010・3011号は3200形3210・3211号となった。
- ^ 700形は竣工時は省番号(モハ63形63800番台)との関連から「800形」と命名されていた。
- ^ 山陽電車から片開きドアの車両が全て廃車になったことも意味する。
- ^ 古くて部品点数が多く、保守上問題となっていた。
出典
- ^ a b 山陽電鉄車両部 1983, pp. 128–129.
- ^ 山陽電鉄車両部 1983, pp. 88–89.
- ^ 山陽電鉄車両部 1983, pp. 52–53, 136.
- ^ 山陽電鉄車両部 1983, p. 72.
- ^ 堀田 1991.
- ^ 新車年鑑1998年版, pp. 97–98.
- ^ 新車年鑑1999年版, p. 104.
- ^ 鉄道車両年鑑2005年版, pp. 109–110.
- 1 山陽電気鉄道2300系電車とは
- 2 山陽電気鉄道2300系電車の概要
- 3 改造内容
- 4 車歴
- 5 脚注
固有名詞の分類
山陽電気鉄道の電車 | 山陽電気鉄道3000系電車 山陽電気鉄道250形電車 山陽電気鉄道2300系電車 山陽電気鉄道700形電車 山陽電気鉄道5030系電車 |
- 山陽電気鉄道2300系電車のページへのリンク