小原啓渡とは? わかりやすく解説

小原啓渡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 07:36 UTC 版)

小原 啓渡(こはら けいと、1960年[1][2] - )は、「アートを切り口に、新しい価値観を創造する」ことを理念とした団体、「アートコンプレックス」の統括プロデューサー[1]。株式会社アートコンプレックス[3]、リッジクリエイティブ株式会社[4]の代表取締役[1]、NPO法人ライブエンターテインメント推進協議会(通称LEO)理事長を務める[5]兵庫県出身[1][2][6]

経歴

舞台照明技術者時代(1980年代-1990年代)

宝塚歌劇団劇団四季、歌舞伎公演(中座・南座・松竹座)など、幅広い現場で舞台照明技術者として経験を積んだ[1]。1992年から1998年まで、日仏共同プロジェクト「MATOMA」のテクニカルディレクターを務め[6][7]、年間3-4ヶ月のヨーロッパツアーを中心とした活動を行った[2]。1994年「MATOMANOMA」[8]、1998年「Danse de l'automne」[9]でアビニョン演劇祭に参加している。

プロデューサー転向以降(1999年-)

1999年、元・毎日新聞京都支局の近代建築にて「アートコンプレックス1928」を立ち上げ、プロデューサーに転向[10][2][6]

2004年に京都で「三条あかり景色」をプロデュースし、ビル壁面やシャッターをスクリーンに見立てた映像上映によるプロジェクションマッピングを開始[11][12]。同年、名村造船所跡地で30年計画のアートプロジェクト「NAMURA ART MEETING '04-'34」を開始し[13][14]、これが後のクリエイティブセンター大阪の基盤となった[14]

2006年には指定管理者として大阪市立芸術創造館の管理運営を開始し、館長に就任[15][2]。2009年には大阪府府民文化部参与に就任[16][2]し、同年、NPO法人ライブエンターテインメント推進協議会を設立、理事長に就任した[5]

2016年には京都で舞踏専用劇場「KYOTO舞踏館」を開館し、ロングラン公演を開始した[17][18]

主要プロジェクト

劇場プロデュースの他、文化支援ファンドの設立や造船所跡地をアートスペース「クリエイティブセンター大阪」に再生するなど、芸術環境の整備に関わる活動を行っている[2]

2012年4月からノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』のロングラン公演をプロデュース。2025年9月11日に通算5000回公演を達成した[19]

2007年から開催していた300種類のワークショップを集めた「300DOORS」フェスティバルでは、これまで2万2千人以上が受講した[20]。「水都大阪2009」でのラバーダックプロジェクト[21]などの実績もある[2]

詳細はギア-GEAR-ART COMPLEXグループを参照。

受賞・評価

  • 2003年 第7回尾宮賞(京都府)[6]
  • 2004年 関西元気文化圏推進協議会ニューパワー賞(文化庁)[1][6]
  • 2011年 日経トレンディー「2012年 注目の人インタビュー ニッポンを元気にする20人」[22]
  • 2016年 京都創造者大賞2016 京都創造者賞(アート・文化部門)[23]
  • 2018年 第2回はなやかKANSAI魅力アップアワード関西インバウンド大賞(『ギア』)[24]
  • 2020年 京都夢実現プラン推進特別賞(『ギア』)[25]

著書

  • 『クリエーター50人が語る創造の原点』(論創社、2005年3月20日)ISBN 978-4-8460-0553-5[6]
  • 『GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞』(河出書房新社、2016年7月8日)原作[26]

脚注

  1. ^ a b c d e f “投資募り舞台芸術後押し”. 毎日新聞. (2005年4月8日)  {{cite news}}: |access-date=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明)
  2. ^ a b c d e f g h アートマネジメント実践講座特別レクチャー” (PDF). 愛知芸術文化センター (2012年1月17日). 2025年9月19日閲覧。
  3. ^ 法人番号公表サイト - 株式会社アートコンプレックス”. 国税庁. 2025年9月20日閲覧。
  4. ^ 法人番号公表サイト - リッジクリエイティブ株式会社”. 国税庁. 2025年9月20日閲覧。
  5. ^ a b 特定非営利活動法人ライブエンターテインメント推進協議会”. 内閣府NPO法人ポータルサイト. 2025年9月19日閲覧。
  6. ^ a b c d e f クリエーター50人が語る創造の原点”. 論創社. 2025年9月19日閲覧。
  7. ^ Matomanoma”. Les Archives du Spectacle. 2025年9月20日閲覧。
  8. ^ MATOMANOMA”. Festival d'Avignon (1994年). 2025年9月20日閲覧。
  9. ^ Danse de l'automne”. Festival d'Avignon (1998年). 2025年9月19日閲覧。
  10. ^ “京で「芸術の複合」発信”. 日本経済新聞. (1999年12月4日). https://www.artcomplex.net/press/page/49 2025年9月20日閲覧。 
  11. ^ “三条あかりけしき 初秋のまちが 灯りと映像につつまれる”. leaf. (2004-12). 
  12. ^ “夜景 楽しく演出 三条あかり景色”. 毎日新聞. (2004年9月20日)  {{cite news}}: |access-date=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明)
  13. ^ 臨海工業地域の芸術・文化的有効活用に関する調査 (Report). 財団法人文化・芸術による福武地域振興財団. 5 October 2009.
  14. ^ a b 千島土地、大阪・北加賀屋をアートの街に”. 全国賃貸住宅新聞 (2024年10月8日). 2025年9月19日閲覧。
  15. ^ “京都の実力プロデューサーが館長に”. 月刊地域創造 (一般財団法人地域創造): 78-79. (2006-11). 
  16. ^ 大阪府府民文化部参与”. 大阪府. 2025年9月20日閲覧。
  17. ^ 京都に舞踏公演専用劇場「KYOTO舞踏館」 舞踏の発信拠点に”. 烏丸経済新聞 (2016年7月8日). 2025年9月20日閲覧。
  18. ^ 1周年迎えた舞踏専用劇場・KYOTO舞踏館、袋坂ヤスオ新作でロングラン公演”. ステージナタリー (2017年8月27日). 2025年9月20日閲覧。
  19. ^ 才本淳子 (2025年9月11日). “京都「ギア」 通算5千回公演 日本オリジナルコンテンツとして初”. 朝日新聞. 2025年9月19日閲覧。
  20. ^ ワンコインで参加できる人気ワークショップイベント「DOORS(ドアーズ)」開催中!”. ウォーカープラス (2018年). 2025年9月19日閲覧。
  21. ^ “八軒家浜の巨大アヒルは何!?”. 毎日新聞. (2009年9月22日)  {{cite news}}: |access-date=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明)
  22. ^ “2012年 注目の人インタビュー ニッポンを元気にする20人”. 日経トレンディ. (2011-12). 
  23. ^ 京都創造者大賞2016 受賞者決定および授賞式開催について” (PDF). 京都創造者大賞事務局 (2016年7月15日). 2025年9月19日閲覧。
  24. ^ 第2回はなやかKANSAI魅力アップアワード受賞結果” (PDF). 近畿経済産業局 (2018年). 2025年9月19日閲覧。
  25. ^ 京都府特別功労表彰等の受賞者の決定について” (PDF). 京都府総務部総務調整課 (2020年6月9日). 2025年9月19日閲覧。
  26. ^ GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞”. 河出書房新社 (2016年7月8日). 2025年9月19日閲覧。

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「小原啓渡」の関連用語

小原啓渡のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



小原啓渡のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの小原啓渡 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS