南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車の意味・解説 

南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/12 01:26 UTC 版)

南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車(みなみまんしゅうてつどうミカロがたじょうききかんしゃ)は、南満洲鉄道(満鉄)が製造した蒸気機関車

中国国鉄 JF6 (解放 6) 満鉄ミカロ、満州国鉄ミカロ、華北ミカロ、韓国国鉄 ミガユ級 (미가유)韓国国鉄 RR ミカ 6 級 (미카6)、ベトナム国鉄 ギエフォン 6クラス
基本情報
運用者 南満洲鉄道(満鉄)
製造所 川崎車輛、汽車製造、日立製作所、日本車両製、南満洲鉄道沙河口(大連)工場、大連機械製
製造数 475両 (1934年−1959年)
運用開始 1934年(昭和9年)
投入先 満鉄
主要諸元
軸配置 1-D-1(2-8-2
軌間 1,435 mm
全長 21,200 mm
全幅 3,310 mm
全高 4,244 mm
機関車重量 88.29t
空車重量 1)
動輪上重量 66.26t
炭水車重量 88.29トン
動輪径 1,370mm 
軸重 約16.5t
シリンダ
(直径×行程)
530 mm × 710 mm(21 インチ × 28 インチ)ボアxストローク
弁装置 ワルシャート式
ボイラー圧力 14.0kg/cm2
火格子面積 4.57m2
燃料 石炭
最大出力 2,400馬力
テンプレートを表示

概要

ミカサ形をベースにプレナ形やパシサ形(2代目)と同様、北鮮線で使用するために製造された。朝鮮北部の低カロリーの褐炭を使用するため、ミカサ形より火格子面積を0.5m2大きくしている。その後、1938年 - 1939年に増備があり、北鮮線以外の満鉄線でも使用された。大連の大連機械で製造された最初の機関車である。満洲国鉄線では1936年以降、満鉄ミカロ形と同じく火格子面積の大きな缶を持つミカロ型を171両増備した。これらはソリサ形同様、特殊外輪を装着する1,524mmへの軌間変更装置を装備していた。満洲国鉄線ミカロの640 - 644の欠番は、華北交通向けとなった可能性が考えられる。また、1938年 - 1939年、1943年 - 1944年にかけて華北交通ミカロ形として汽車製造で72両が製造されている。華北交通ミカロ形はこれを含めて推定約120両が存在したものと考えられる。

このほかにもミカロに復水器を搭載して日本初の復水式蒸気機関車にしたミカク型が作られたり、従台車を二軸にしてブースターを搭載したリクニ型蒸気機関車も計画された。[1]

戦後

旧ミカサ形、旧ミカロ形を合わせて320両のうち、大連埠頭局管内 (20) 、奉天 (38) 、錦州 (32) 、牡丹江 (68) 、哈爾浜 (29) 、斉斉哈爾 (50) の各鉄道局管内と、他鉄道へ貸出中 (75) のもの312両が存在し、中華民国に引渡された。残りの8両は満洲国鉄線所属機であり、他の鉄道へ譲渡された可能性が考えられる。中華人民共和国成立後は「MK6」形、のちに「解放 (JF) 6」形として使用され、3001 - 3475 ( - 3600?) までの番号が与えられたと考えられる。朝鮮戦争ベトナム戦争でそれぞれ北朝鮮ベトナムに数十両が送られた。産業用に使用されたものは1990年代終盤まで現役であった。[2]

保存

現在は、3022が北京の中国鉄道博物館に、3329が瀋陽蒸気機関車博物館に保存されている。

瀋陽蒸気機関車博物館のJF6 3329

また,北朝鮮では一部保存機として動態保存されているらしく,主に観光用として運転されている.

このほかにも広西チワン族自治区の来賓市に3両の廃車体があるが、2018年に観光目的として売却されたことを報じている

鶴山の JF6 蒸気機関車、2014

関連項目

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 高木宏之『日本蒸気機関車史』井門エンタープライズ、2020年 ISBN 978-4905659204[要ページ番号]

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車」の関連用語


2
10% |||||

3
10% |||||

4
8% |||||

南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの南満洲鉄道ミカロ型蒸気機関車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS