協働型ネットワーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/15 03:27 UTC 版)
協働型ネットワーク(きょうどうがたねっとわーく、英:collaborative network)とは、コンピューターネットワークによって支えられた、自立的で地理的に分散した、環境・文化・社会関係資本・目標の点で異質な組織または人々が、共通または共有可能な目標を達成するために協働するネットワーク。協働型ネットワークの研究では、その構造・振る舞い・経時的進化に焦点を当てる。[1][2]
主な協働型ネットワークには、下記のようなものがある。[1]
要素
- 検索:ネットワーク内のデータ・参加者・コンテンツが検索可能なこと。
- 参加者主導:承認された参加者は自由にコンテンツを追加・共有できること。
- データ統合:参加者の持つデータがシステム上で統合されること
- 観測:ダッシュボードや管理ツールを通じて、成果・導入・プロジェクトを観測できること
- フォロー機能:参加者およびそのコンテンツをフォローして追跡できること
- コンテンツ統合:コンテンツ同士が自由に連携・統合できること
- 統治:コンテンツ・データへのアクセスを管理・制御すること。
参照モデル
協働型ネットワークのための参照モデルとしては、ARCON(A Reference model for COllaborative Networks)が挙げられる。[3][4]
協働型ネットワークに焦点を当てた年次会議としては、情報処理国際連合(IFIP)および協働型ネットワーク協会(SOCOLNET)が後援する「仮想企業に関する実務者会議」(PRO-VE)がある。[5]
今後の課題
協働型ネットワークが進化し、企業およびその拡張ネットワークでますます普及するにつれて、ガバナンスとセキュリティの課題に取り組む必要がある。特に重要なのは、協働型ネットワークの挙動および参照モデルに関する研究である。
関連項目
- イノベーション
- 知識工学
- 市民科学
- ナレッジマネジメント
- セマンティック・ウェブ
- 集団的知性
- 国防総省情報ネットワーク(英語版)
- オープンイノベーション
- オープンサイエンス
- クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
- 分散型自律組織
脚注
- ^ a b L.M. Camarinha-Matos, H. Afsarmanesh, The emerging discipline of collaborative networks, J. Intelligent Manufacturing, vol. 16, Nº 4-5, pp 439-452, 2005.
- ^ L.M. Camarinha-Matos, H. Afsarmanesh, Collaborative Networks: Reference Modeling, Springer 2008.
- ^ Luis M. Camarinha-Matos & Hamideh Afsarmanesh (July 2007). "A Comprehensive Modeling Framework for Collaborative Networked Organizations". Journal of Intelligent Manufacturing. 18 (5): 529–542. doi:10.1007/s10845-007-0063-3.
- ^ L.M. Camarinha-Matos, H. Afsarmanesh (2008). Collaborative Networks: Reference Modeling. Springer, 2008, ISBN 978-0-387-79425-9.
- ^ "IFIP Working Conference on Virtual Enterprises". Retrieved January 1, 2012.
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