ミー・アンド・ボビー・マギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/06 09:04 UTC 版)
「ミー・アンド・ボビー・マギー」 | ||||||||
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ジャニス・ジョプリン の シングル | ||||||||
初出アルバム『パール』 | ||||||||
B面 | ハーフ・ムーン | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチ・シングル | |||||||
録音 | ロサンゼルス、サンセット・サウンド・レコーダーズ(1970年9月5日 - 10月1日) | |||||||
ジャンル | ロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||||||
作詞・作曲 | クリス・クリストファーソン、フレッド・フォスター | |||||||
プロデュース | ポール・A・ロスチャイルド | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
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「ミー・アンド・ボビー・マギー」(Me and Bobby McGee)は、クリス・クリストファーソンとフレッド・フォスターによって書かれた楽曲。ロジャー・ミラーによって1969年7月にシングル発表され[2]、ビルボードのカントリー・チャートで12位を記録した。ジャニス・ジョプリンのカバー・バージョンが最もよく知られる。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では148位にランクされている[3]。
背景
ある晩クリス・クリストファーソンは、彼が所属するモーメント・レコードの設立者、フレッド・フォスターから電話を受ける。「君の曲にいいタイトルがあるよ。"Me and Bobby McKee" というんだ」[4]
ボビー・マッキー(Bobby McKee)はソングライター・チームのブライアント夫妻の夫ブーデロウ・ブライアントの秘書の名前であったが、クリストファーソンはマッキーを「マギー」(McGee)と聞き間違える。彼は当時好きだったミッキー・ニューベリーの「Why You Been Gone So Long?」と同じリズムをとりながら曲作りにとりかかった。クリストファーソンは後年こう証言している[4]。
どうしたわけかその時フェリーニの『道』をふと思った。映画の終盤でアンソニー・クインは見知らぬ女が洗濯物を干しながら歌を口ずさんでいるのに出くわすだろ。ジュリエッタ・マシーナがいつもトロンボーンで吹いていたメロディなんだが、その夜クインはバーに行って喧嘩をして酔っ払った挙げ句、浜辺で夜空に向かっておいおいと泣く。僕にとってあれは「ボビー・マギー」の最後の気持ちそのものだ。
クリストファーソン自身のバージョンは1970年のファースト・アルバム『Kristofferson』に収録されている。
ジャニス・ジョプリンのバージョン
デニス・ホッパーが1970年にペルーで映画『ラストムービー』の撮影をしていた頃、現地でボブ・ニューワースはジャニス・ジョプリンに「ミー・アンド・ボビー・マギー」を教えた[5]。ジョプリンは1970年10月4日に滞在先のホテルで亡くなるが、本バージョンはその直前の9月5日から10月1日にかけてレコーディングされた。彼女はアコースティック・ギターも演奏している。
1971年1月11日発売のアルバム『パール』に収録され、翌1月12日にシングルカットされた[6]。同年3月20日から3月27日にかけてビルボード・Hot 100の1位を2週連続で記録した[7]。また、ビルボードの1971年の年間チャートで11位を記録した。
1970年7月28日に録音されたデモ・バージョンが、『The Pearl Sessions』(2012年)などいくつかのコンピレーション・アルバムに収録された[8]。
その他のカバー・バージョン
- ケニー・ロジャース&ザ・ファースト・エディション - 1969年のアルバム『Ruby, Don't Take Your Love to Town』に収録。
- チャーリー・プライド - 1970年のアルバム『Just Plain Charley』に収録。
- ゴードン・ライトフット - 1970年のアルバム『Sit Down Young Stranger』に収録。
- クリス・クリストファーソン - 1970年のファースト・アルバム『Kristofferson』に収録。
- ランブリン・ジャック・エリオット -1970年のアルバム『Bull Durham Sacks & Railroad Tracks』に収録。
- ロレッタ・リン - 1971年のアルバム『I Wanna Be Free』に収録。
- オリビア・ニュートン=ジョン - 1971年のファースト・アルバム『If Not for You』に収録。
- グレイトフル・デッド - 1971年のライブ・アルバム『Grateful Dead』(通称:Skull and Roses)に収録[9]。
- ドッティ・ウエスト - 1971年のアルバム『Have You Heard...』に収録。
- チャーリー・マッコイ - 1972年のアルバム『Charlie McCoy』に収録。
- ジーニー・C・ライリー - 1972年のアルバム『Give Myself a Party』に収録。
- ジョニー・キャッシュ - 1973年のアルバム『På Österåker』に収録。
- スリーピー・ラビーフ - 1974年のアルバム『The Bull's Night Out』に収録。
- ジョーン・バエズ - 1984年のライブ・アルバム『Live Europe '83』に収録。
- アン・マレー - 2002年のアルバム『Country Croonin'』に収録。
- ドリー・パートン - 2005年のアルバム『Those Were the Days』に収録。クリス・クリストファーソンと共に歌っている。
- P!NK - 2006年のライブDVD『Pink: Live in Europe』に収録。
- マット・ドイル - 2016年のアルバム『Uncontrolled』に収録。
本作を使用した映画
- 『ウォッチメン』(2009年) - ジャニス・ジョプリンのバージョン
- 『夏時間 裸のふたり』(2015年) - 同上
- 『ロング, ロングバケーション』(2017年) - 同上
- 『ソウルメイト』(2023年) - 同上
- 『断絶』(1971年) - クリス・クリストファーソンのバージョン
- 『ラストムービー』(1971年) - クリス・クリストファーソンとミシェル・フィリップスのバージョン
- 『ラストキング・オブ・スコットランド』(2006年) - アンジェラ・カルレのバージョン
脚注
- ^ 45cat - Janis Joplin - Me And Bobby McGee / Half Moon - Columbia - USA - 4-45314
- ^ “Discogs”. 2025年5月22日閲覧。
- ^ Janis Joplin, 'Me and Bobby McGee' | 500 Greatest Songs of All Time | Rolling Stone
- ^ a b Kris Kristofferson tells the story behind Me and Bobby McGee | Performing Songwriter
- ^ “KK on "Me and Bobby McGee"”. Musicbrainz.org. 2024年9月30日閲覧。
- ^ Janis Joplin - Me And Bobby McGee / Half Moon (Vinyl) at Discogs
- ^ The Hot 100 - 1971 Archive | Billboard Charts Archive
- ^ Janis Joplin (2016年12月27日). “Me and Bobby McGee (Demo Version)”. YouTube. 2025年6月6日閲覧。
- ^ Grateful Dead (2017年7月27日). “Me & Bobby McGee (Live at Fillmore East, New York, NY, April 27, 1971)”. YouTube. 2025年6月6日閲覧。
関連項目
先代 オズモンズ 「ワン・バッド・アップル」 |
Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル 1971年3月20日 - 3月27日(2週) |
次代 テンプテーションズ 「はかない想い」 |
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