フィーローズ・シャー・トゥグルクとは? わかりやすく解説

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フィーローズ・シャー・トゥグルク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/09/19 09:10 UTC 版)

フィーローズ・シャー・トゥグルク1308年 あるいは1309年(諸説あり)- 1388年)は、トゥグルク朝の第3代スルタン(在位:1351年 - 1388年)。第2代スルタン・ムハンマド・ビン・トゥグルクの従兄弟。

生涯

1351年にムハンマド・ビン・トゥグルクが死亡したのち、従兄弟であった彼が即位する。即位後は先代のムハンマドの遠征でかかった多大な軍費による出費から財政が悪化して王朝衰退を招いたため、その再建に取りかかった。フィーローズは内政を重視し、行政改革に重点を置いた。まず、貴族による反乱を押さえるため、官職や領地、特権の世襲化を容認した。さらに失業者に対しては職業補導を行ない、結婚資金制度を作った。また、多くの新しい都市や灌漑施設を建造し、罪人に対しても残酷な処罰を廃止した。宗教政策においては、ヒンドゥー教徒に一定の理解を示したが、ヒンドゥー教徒にイスラム教徒に改宗するように進めている。

しかしフィーローズは対外遠征をたびたび行なって失敗し、失地回復を図ることはできずに終わった。1388年、80歳で死去し、跡を曾孫のギヤースッディーン・トゥグルク2世が継いだ。

先代:
ムハンマド・ビン・トゥグルク
トゥグルク朝のスルタン
1351年 - 1388年
次代:
ギヤースッディーン・トゥグルク2世

フィールーズ・シャー・トゥグルク

(フィーローズ・シャー・トゥグルク から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 00:41 UTC 版)

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フィールーズ・シャー・トゥグルク
トゥグルク朝第3代スルタン
フィールーズ・シャー・トゥグルクのコイン
在位 1351年 - 1388年

出生 1308/9年
死去 1388年9月20日
子女 ザファル・ハーン(アブー・バクル・シャーの父)
ナーシルッディーン・ムハンマド・シャー
父親 ラジャブ(ギヤースッディーンの弟)
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治世中に建造されたフィールーズ・シャー・コートラ。アショーカ王の石柱が立っている。

フィールーズ・シャー・トゥグルク1308年あるいは1309年(諸説あり)- 1388年9月20日)は、トゥグルク朝の第3代スルタン(在位:1351年 - 1388年)。第2代スルタン・ムハンマド・ビン・トゥグルクの従兄弟。

生涯

1351年にムハンマド・ビン・トゥグルクが崩御したのち、従兄弟であった彼が即位する。

即位後は先代のムハンマドの遠征でかかった多大な軍費による出費から財政が悪化して王朝衰退を招いたため、その再建に取りかかった[1]

フィールーズは内政を重視し、行政改革に重点を置いた。まず、貴族による反乱を押さえるため、官職や領地、特権の世襲化を容認した[2]。さらに失業者に対しては職業補導を行ない、結婚資金制度を作った。また、多くの新しい都市や灌漑施設を建造し、罪人に対しても残酷な処罰を廃止したりもした。

宗教政策においては、ヒンドゥー教徒に一定の理解を示したが、ヒンドゥー教徒にイスラーム教徒に改宗するように進めている[3]

しかしフィールーズはベンガル地方への対外遠征をたびたび行なって失敗し、失地回復を図ることはできずに終わった[4]。デカンのバフマニー朝とは戦端を開かずに終わった[5]

1388年、80歳で崩御し、跡を曾孫のギヤースッディーン・トゥグルク2世が継いだ[6]

脚注

  1. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.144
  2. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.145
  3. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.146
  4. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.147
  5. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.147
  6. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.148

参考文献

  • フランシス・ロビンソン、月森左知訳 『ムガル皇帝歴代誌 インド、イラン、中央アジアのイスラーム諸王国の興亡(1206年 - 1925年)』 創元社、2009年。 

関連項目

先代:
ムハンマド・ビン・トゥグルク
トゥグルク朝の君主
1351年 - 1388年
次代:
ギヤースッディーン・トゥグルク2世



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