ハーグ条約_(1659年)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ハーグ条約_(1659年)の意味・解説 

ハーグ条約 (1659年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/20 05:01 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ハーグ条約(1659年)
署名 1659年5月21日
署名場所 ハーグ
締約国 イングランド共和国フランス王国ネーデルラント連邦共和国
関連条約 コペンハーゲン条約 (1660年)
テンプレートを表示

ハーグ条約(ハーグじょうやく、英語: Concert of The Hague)は、1659年5月21日に締結された[1]イングランド共和国フランス王国ネーデルラント連邦共和国北方戦争に関して合意した条約[2]

概要

三国はスウェーデン帝国デンマーク=ノルウェーロスキレ条約に基づく講和条約を締結すべきとしており[3]エーレスンド海峡[4]バルト海の自由航行(エルビング条約に基づく)も盛り込むべきとした[5]。最終的に成立したコペンハーゲン条約は概ねハーグ条約に基づくものとなった[6]

オランダはハーグ条約の前にも北方戦争に2度介入した。1度目は1656年にダンツィヒの包囲を解いたとき(ダンツィヒ包囲戦 (1655年-1660年)英語版)であり、エルビング条約につながった。2度目は1658年にコペンハーゲンを救ったとき(コペンハーゲン襲撃 (1659年)英語版)だった[6]。条約の締結に積極的だったのがオランダのヨハン・デ・ウィットであり、彼はオランダのバルト海における利益を守り、条約ではオランダ艦隊がスウェーデンとデンマークに圧力をかけて講和条約を守らせることに同意した[2]。イングランドも同じくバルト海で貿易を行っており、その権益を武力をもって守ることを厭わなかった[3]。デ・ウィットは条約を正式な同盟にしようとしたが、これは限定的な結果にしかならなかった。フランスとの交渉により1662年には仏蘭同盟が成立し、第二次英蘭戦争に有利に働いたが、イングランドとの交渉では航海の自由に関する合意ができなかったため同盟が成立しなかった[2]

脚注

  1. ^ Frijhoff & Spies (2004), p. 134.
  2. ^ a b c Treasure (1985), p. 484.
  3. ^ a b Frost (2004), p. 164
  4. ^ Van der Bijl (1995), p. 140.
  5. ^ Rowen (2003), p. 88.
  6. ^ a b Frijhoff & Spies (2004), p. 134; Van der Bijl (1995), p. 140.

関連項目

参考文献

  • Frijhoff, Willem; Spies, Marijke (2004). Dutch Culture in a European Perspective. 1650, hard-won unity. Dutch Culture in a European Perspective. 1. Uitgeverij Van Gorcum. ISBN 90-232-3963-6 
  • Frost, Robert I (2004). After the Deluge. Poland-Lithuania and the Second Northern War, 1655-1660. Cambridge Studies in Early Modern History. Cambridge University Press. ISBN 0-521-54402-5 
  • Rowen, Herbert H. (2003). John de Witt. Statesman of the "True Freedom". Cambridge University Press. ISBN 0-521-52708-2 
  • Treasure, Geoffrey (1985). The making of modern Europe, 1648-1780. Taylor & Francis. ISBN 0-416-72370-5 
  • Van der Bijl, Murk (1995). “Johann Moritz von Nassau-Siegen (1604-1679). Eine vermittelnde Persönlichkeit”. In Lademacher, Horst (German). Oranien-Nassau, die Niederlande und das Reich. Beiträge zur Geschichte einer Dynastie. Niederlande-Studien. 13. LIT. pp. 125–154. ISBN 3-8258-2276-1 

「ハーグ条約 (1659年)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ハーグ条約_(1659年)」の関連用語

ハーグ条約_(1659年)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハーグ条約_(1659年)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハーグ条約 (1659年) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS