ストウ文書とは? わかりやすく解説

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ストウ文書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 01:16 UTC 版)

ストウ文書英語: Stowe manuscripts)は、アイルランド語アングロ=サクソン語、および中世後期写本のコレクションである。現在ほぼすべてが大英図書館に所蔵されている。時代としては、1154年から14世紀末までのものが含まれる。

もともと文書は、バッキンガム近郊ストウ・ハウスに居を構えていた初代バッキンガム侯爵 (1753 - 1813)とその息子、初代バッキンガム=シャンドス公爵(1776 - 1839)によって収集されたものである。古物収集家でもあった古文書学者トマス・アストルが、1803年に死去した際、自身の文書コレクションを公爵に寄贈した。続いて公爵は、チャールズ・オコナーが所有していたアイルランドの写本コレクションを購入した[1]

2代目バッキンガム=シャンドス公爵の破産に伴うオークションで売りに出された全コレクションは、4代目アシュバーナム伯爵によって購入された。1883年7月、5代目アシュバーナム伯爵は、このストウ文書コレクションをイギリス政府に売却した。英語で書かれたものは大英博物館に置かれ、アイルランド語のものは、当初貸し出しという形で、ダブリンのアイルランド王立アカデミーに移された[2]

写本と合わせて、クーダハ(cumdach)と呼ばれる金属箱に収められたアイルランド・ミサ典書(ストウ典書)がアイルランド王立アカデミーに移管されたが、これは後にアイルランド国立博物館に移された。1883年にアカデミーに移された文書の中には、有名なアイルランドの歴史書『四大家年代記』の4つの原本のうちの一つ「C写本」がある。

大英博物館にあるストウ文書の1085の手稿は、それぞれ別個に閉架の資料として所蔵されている。

文書の一部

以下、特に言及がなければ、すべて大英図書館所蔵の彩飾写本である。括弧内の番号は大英図書館のストウ文書の管理番号。

  • ストウ典書 - アイルランド語、現在アイルランド王立アカデミー所蔵
  • ストウ詩編集(2) - 後期アングロ=サクソン語
  • ストウ聖務日課書(12) - 英語、14世紀初頭
  • マーストリヒト時祷書(17) - 14世紀初頭
  • イストワール・アンシャン(54) - フランス語、15世紀初頭
  • 愛の小本(955) - フランスの人文学者ピエール・サラの手稿、15世紀初頭

画像

脚注

  1. ^ De Ricci, Seymour (2011). English Collectors of Books and Manuscripts: (1530-1930) and Their Marks of Ownership. Cambridge University Press. p. 132. ISBN 9780521156462. https://books.google.ca/books?id=F9GESCRkgOoC&pg=PA131 
  2. ^ Reid, Peter H. (2001). “The Decline and fall of the British country house library”. Libraries & Culture 36 (2): 345–366. 

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