ザトー=ONE
(ザトー=ONE・エディ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/23 08:12 UTC 版)
| ザトー=ONE | |
|---|---|
| GUILTY GEARシリーズのキャラクター | |
| ゲームでの初登場 | GUILTY GEAR |
| 声 | #担当声優を参照 |
| 詳細情報 | |
| 別名 | エディ(GUILTY GEAR XX) |
| 所属 | アサシン組織 |
| 格闘スタイル | 禁術 |
| 出身 | |
ザトー=ONE(ザトー・ワン)は、2D対戦格闘ゲーム「GUILTY GEARシリーズ」に登場する架空の人物。『GUILTY GEAR XX』では設定の関係からエディと名を変える。
設定
- アサシン組織のリーダーだった男。スペイン出身。禁術により影を操る能力を得たが代償に視力を失っており、アイマスクを着用している。
- ザトーの性格は当初、卑屈で尊大[1]、かつ見栄っ張りで根は小心者といった、冷酷さの裏に精神的な虚弱さを抱いている設定だった。シリーズ1作目「GUILTY GEAR」において彼が戦う動機は、疑心の人生の中で唯一信じた女・ミリアに裏切られたことへの報復である。だがミリアとの愛憎半ばする因果関係や、彼に恩義を抱く忠臣ヴェノムの参入などが新作ごとに語られた結果、元来は小悪党ではあったが心中には善意も存在し、部下への寛容さも持ち合わせていた設定へとシフトされつつある。ただし『Xrd』ではシン=キスクの一撃必殺技を受けた時に卑屈さが含まれたセリフを発している。
- 穏やかで紳士的だが、決して相手を対等に見ない含みを態度に示している。だが叩き上げの人間であるため同じ境遇の人間には優しく、面倒見がよい[2]。ヴェノムやミリアはこの点に恩義を感じている。アサシン組織のリーダーとしての才覚も相応にはあったらしく、先代リーダーであるスレイヤーをして「惜しい男を亡くした」と言わしめている。
エディ
GGXXでは、ザトーが完全に死んだという設定のため、キャラクター名はエディで統一された。尚、名称が変わってもゲーム中の性能はほとんど変わらない。
エディはザトーの影に寄生する禁獣である。彼はザトーの身体を乗っ取った化け物と認識される事が多い。新たな宿主を探して各地を放浪し、ディズィーやソルなどに襲いかかるが、一方で自分の寿命を諦観しているような描写も見られ、自分がこの世に存在した「証を刻む」ことも戦いの動機となっている[3]。
寄生体である禁呪(禁獣)にとって、力の代償に何かを差し出す行為は無意味。真に背負うべきリスクは、自分の体を逆に支配されてしまう危険性を伴う点だけである。禁獣は誰にでも取り憑ける訳でなく、肉体が強靭でなければ禁呪の能力に耐える事が出来ない。加えて言えば、宿主の体は精神が虚弱な程御しやすい為、禁獣にとっては有利である。その点、ザトーは最良の宿主であったと言える。
「敬愛するザトーを殺した」としてエディに対して敵意を向ける対ヴェノム戦の勝利メッセージでは「ザトーは自分にとっても宿主として掛け替えのない人物であった」事を吐露し、決してエディ自身が望んでザトーを殺した訳ではない事を告げている。
GGXXのストーリーモードでは、寿命が迫っているという設定を反映して、試合ごとに体力が減ってゆく設定になっている。アクセントコアでの分岐ストーリーによるエンディング次第では、寿命を使い果たして消滅するが、その際、主が愛していたミリアに看取られながら、自分とザトーのことを忘れないで欲しいと言い遺し、安らかな表情で消滅していった。
GGXrdにて、主であるザトーと共に元老院の手で再び生を受ける。同作のストーリーモードでは、蘇生の過程で情動を失った反動から奇矯な言動を見せるようになったザトーに呆れつつも、行動を共にしている。胸部に紋様や刻印のように見える傷が付けられている点がこれまでのシリーズ作品との唯一の差異となっている。
ストーリー
組織の末端にいたザトーは、終戦管理局から禁呪を提供されると先述の通り自らの視力を犠牲にして影を操る能力を身につけ、一気に首領の地位にまで上り詰めることに成功する。その後、組織の人員を多数投入する大掛かりな計画を実行に移すが、重要な役割を担っていたミリア=レイジの裏切りに合い、計画は頓挫する。さらに組織も壊滅的な打撃を受け、自らも警察機構に捕縛される。唯一信頼を寄せ、心を許していたミリアとの予期せぬ別れ。これまで募らせていた愛情は卑屈な形に歪められ、ザトーは次元牢の中で彼女に報復する事ばかりを考えるようになっていた。
- GUILTY GEAR
- その復讐心が呼んだのか、罪人の身でありながら第二次聖騎士団員選考武道大会に招致されたザトーは大会に出場[注 1]。影の力を遺憾なく発揮し勝利を重ねていった。だが増長する影の力はやがて覚醒を来たし、意識を持つようになると、逆にザトーの体を支配するようになった。
- GUILTY GEAR X
- 影に征服され、薄れ行く意識の中でザトーが思い浮かべるのは、やはりミリアの事であった。今まで彼女にして来た愚行の数々を悔い改め、次第に償いたいと思うようになるが、その願いだけは叶える事が出来なかった。一方、意識を持った影=エディは同胞の存在を求め、悪魔の住む地へと向かった。だがそこで出会ったギアが、禁呪とは似て非なる物である事を理解すると森をあとにする。
- GUILTY GEAR XX
- 宿主の体が崩壊しつつある事を感じたエディは、異能者達の強靭な肉体を欲して己の為に戦いを始めた。
- GUILTY GEAR Xrd -SIGN-
- 元老院の手によって蘇生されたが、死後の世界の無限とも言える時間の中でありとあらゆる経験を得たことから感情が希薄になり、全てのものに対して無関心になってしまう。ただし、ミリアについて考えたときだけは自らの感情が動くことを自覚したため、その自身の真意を知るべく赴く。
- 前述の経緯によって精神的に人間の領域を逸脱しかけているからか、基本的には紳士的な態度であるものの、「どうでもいい」が口癖であったり冗談めかした言動や砕けた口調が混じったりと奇矯で不安定な言動が見られる。ミリアに対しては唯一自分の感情を動かす相手として過去の愛憎入り混じった感情とは異なる想いを抱いており、ヴェノムにミリアを護衛するよう命じるなど彼女を守ろうとしている。
- GUILTY GEAR Xrd -Rev2-
- ヴェノムに陽のあたる場所での新しい道を踏み出す為の一押しをする等、Xrd以降の性格の変容もあわせて基本的に善人として描かれている。
- GUILTY GEAR -STRIVE-
- 再建された終戦管理局の職員としてレオ・ホワイトファング達の手助けをしている。対戦モードにおける戦闘後のセリフでは、「公務員」であるとの言及がある。
担当声優
その他
- ザトーの誕生日は、担当声優の塩沢と同じである。
- ザトーのプロフィールに「嫌いなもの:女」とあるが、これはミリアに裏切られて以後に追加したものである[4]。
- 当初は「ザトーが自分を取り戻しエディが立ち去る」という結末を予定していたが、ザトー役の声優塩沢兼人が死去したため、それにあわせる形でザトーも死亡する事になった。ストーリーの関係で『Xrd』にて蘇る事になったが、声優はエディ役の子安武人が勤める事になった。
- 正式なキャラネームは「ZATO=ONE」であるが、「XrdR」のOPや使用時に表記されるキャラネーム表記は「ZATO=1」となっている。
脚注
注釈
- ^ (建前上の話ではあるが)事情が事情であるだけに、完全な実力主義で兵力を補強したかったので罪人の出場も認めていた(Mr・ボルトヘッドなど)。
出典
参考資料
- 「公式攻略ファンブック ギルティギア コンプリートバイブル」(宝島社、1998年)
- 「ギルティギア 10th メモリアルブック」(エンターブレイン、2009年)
- 「ギルティギアゼクス ドラフティングアートワークス」 エンターブレイン、2001年、ISBN 978-4757703018
固有名詞の分類
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