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ナナイ

(ゴリド から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 22:34 UTC 版)

ナナイ(ナナイ ナナイ語:Нāнай, Нāни,ロシア語:Нанайцы)は、ツングース系民族[1]。分布は主にアムール川(黒竜江)流域で、ロシア国内に約1万2,000人弱(1989年)おり[2]、中国(中華人民共和国)国内にも居住している。2004年人口調査時の中国における国内人口は4,640人であった。中国内のナナイはホジェン族(Hezhen;赫哲族拼音: Hèzhézú ホーチョーズー)という呼称が公称となっており[2][3]55の少数民族の一つとして認定されている。


注釈

  1. ^ 「アカニ」「アチャン」は、ナナイ語で「奴隷」を意味する akha に起源をもつ言葉で、これについては一部で、実際に満洲民族女真)がこの地域の人びとを奴隷にしたという歴史的事情によるとする見解も示されている[6]
  2. ^ 統計によれば、江西省と陝西省を除くすべての省・市・自治区に散らばっており、これに属さない分類区分として現役軍人24人を数えている[14]
  3. ^ 漁撈民に属するのは、他にカムチャツカ半島南部のイテリメン人(カムチャダール人)、オビ川流域のハンティ人などであり[20]、アムール川流域ではウリチ(山丹人)やニヴフ(ギリャーク人)が漁撈を主な生業としている[21]
  4. ^ このような生活を送る民族には、ナナイのほか、ニヴフ、ウリチ、エヴェンキ、オロチ、アイヌの一部がある[23]
  5. ^ 北海道 - 樺太 - アムール川流域という広大な規模で展開された山丹交易では、中国製絹織物の官服が日本では特に「蝦夷錦」として珍重された[19]。山丹交易はアムール川の河口からは、牡丹江河畔の寧古塔(現、黒竜江省牡丹江市寧安)や松花江河畔の三姓(現、黒竜江省ハルビン市依蘭まで、河川の航行で結ばれていた[19]。清国の中心部と東北辺境地帯との間には、山丹交易のおこなわれた河川ルートのほか、寧古塔・三姓から道なき道を通ってウスリー川(烏蘇里江)河畔に至る森のルート、琿春からポシェト湾を経由して沿海州南部に通じる海岸沿いのルートなどいくつかの交易ルートがあった[19]
  6. ^ 「魚皮韃子」と称されたのは、ナナイのみならずニヴフなども含めてであった[6][13][22]。ニヴフの人びともまた、衣類はもとより簡単な天幕のようなものまで魚皮を材料にしてこれを作ったところから「魚皮韃子」とされた[13]。ここで「韃子(韃靼の人びと)」とは、ロシア人でもなく中国人でもない「土着の人」という意味である[13]
  7. ^ 「シャーマン」の語は、本来ツングース語起源とみられる[25]。それが、17世紀にロシアに入ってロシア語を経てヨーロッパ諸国の学術用語になったと考えられる[25]
  8. ^ この世のはじめの天空には複数の太陽と月があったが、余分の太陽・月が征伐されて1個ずつとなり、地上に秩序がおとずれたとする「射日神話」はアムール川地域のすべての民族にみられる[28]
  9. ^ 最初の人間2人が兄妹で人類・民族ないし氏族の始祖になったという伝承は、アムール川流域のツングース系諸族とパレオアジア諸族に幅広く認められる[28]

出典

  1. ^ a b 荻原(1989)p.55
  2. ^ a b c d e ナナイ族』 - コトバンク
  3. ^ a b c ナナイ』 - コトバンク
  4. ^ a b c d e f g h ホジェン(赫哲)族』 - コトバンク
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo Ants Viires (1993年8月). “The red book of the Russian Empire. "THE NANAIS"”. The Peoples of the Red Book. The Redbook. 2022年8月25日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 荻原(1989)pp.72-75
  7. ^ 安俊 (An Jun)『赫哲語簡志』 (Introduction to the Hezhen language; 北京, 民族出版社 1986). Page 1.
  8. ^ С. Н. Оненко, Нанайско-Русский Словарь; Русский Язык, Москва 1980. Page 279.
  9. ^ С. Н. Оненко, Нанайско-Русский Словарь; Русский Язык, Москва 1980. Page 282‒283.
  10. ^ Сем Л. И. (L. I. Sem) "Нанайский язык" (Nanai language), in "Языки мира. Монгольские языки. Тунгусо-маньчжурские языки. Японский язык. Корейский язык" (Languages of the World: Mongolic languages; Tunguso-Manchurian languages; Japanese language; Korean language). Moscow, Indrik Publishers, 1997. ISBN 5-85759-047-7. Page 174. L.I. Sem gives the self name in Cyrillic, as хэǯэ най or хэǯэны
  11. ^ Hezhe, Talk about the history of the Chinese ethnics
  12. ^ 加藤(1994)pp.159-160
  13. ^ a b c d e 加藤(1977)pp.275-280
  14. ^ a b c d 中华人民共和国国家统计局 >> 第五次人口普查数据”. stats.gov.cn. 2018年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月21日閲覧。
  15. ^ 迎着东升的红日 走向小康之路的赫哲族”. epaper.hljnews.cn (2020年7月5日). 2023年9月3日閲覧。
  16. ^ 加藤(1977)p.283
  17. ^ a b 荻原(1989)p.75
  18. ^ 佐々木史郎(1996)
  19. ^ a b c d 原(1998)pp.51-52
  20. ^ a b 河野(1981)pp.64-68
  21. ^ a b c d 加藤(1994)pp.166-170
  22. ^ a b c d e f 荻原(1989)pp.99-102
  23. ^ a b c 荻原(1989)p.94
  24. ^ a b 犬ぞり』 - コトバンク
  25. ^ a b c d e 加藤(1994)pp.170-175
  26. ^ a b c d e f g 荻原(1989)pp.120-121
  27. ^ Tatiana,, Bulgakova,. Nanai shamanic culture in indigenous discourse. Fürstenberg/Havel. p. 46. ISBN 9783942883146. OCLC 861552008.
  28. ^ a b c d e f g h i j 荻原(1989)pp.57-61
  29. ^ 『世界神話事典』(2005)p.65
  30. ^ 于暁飛. “ホジェン人の叙事詩「イマカン」から”. 社会文化科学研究 (千葉大学) (4): 365-373. 
  31. ^ UNESCO - Hezhen Yimakan storytelling” (英語). ich.unesco.org. 2023年9月3日閲覧。
  32. ^ a b アルセーニエフ『デルス・ウザラ』
  33. ^ 40 years ago today: Dersu Uzala wins at the Moscow International Film Festival” (英語). Akira Kurosawa info. 2020年7月3日閲覧。
  34. ^ THE 48TH ACADEMY AWARDS : 1976” (英語). oscars.org. 2020年7月3日閲覧。





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