ゴブルとビートスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ゴブルとビートスの意味・解説 

ゴブルとビートス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/10 02:51 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
画像外部リンク
ゴブルとビートスが描かれた地図(英語版Wikipedia)

ゴブルGoblu) と ビートスBeatosu[1]は、1978年アメリカ合衆国ミシガン州が発行した地図に掲載された、実在しないオハイオ州の地名である。

描かれた架空の地名

この2つの地名は、州当局が発行した公式のミシガン州道路地図(1978年-1979年版)に掲載されていた。場所はいずれもオハイオ州の北西部で、ミシガン州との州境にほど近いトレド市近郊にあたる。

  • 「ゴブル」: トレドの東方、ルーカス郡ジェルサレム・タウンシップ (enのボノ(Bono)付近
  • 「ビートス」: トレドの西方、アーチボルド (enの北方。フルトン郡ジャーマン・タウンシップ (enにあるエルマイラ(Elmire)とバーリントン(Burlington)の中間付近

虚構の背景とその顛末

"Go Blue"は、ミシガン・ウルヴァリンズのスローガン。青は同校のスクールカラーのひとつ。

「ゴブル」(Goblu)はミシガン大学のスポーツチーム・ウルヴァリンズ (Michigan Wolverinesの応援スローガン("Go Blue!")と関連しており、「ビートス」(Beatosu)はオハイオ州立大学(OSU)を打ち負かすというメッセージ("Beat OSU!")に通じる。ミシガン大学とオハイオ州立大学は、カレッジスポーツにおいて同じカンファレンスビッグ・テン・カンファレンス)に属している強豪校どうしで、最大のライバルと認識されており、アメリカンフットボールカレッジフットボール)対決は全国的な注目を集める[2]。両校の因縁の深さには、歴史上のミシガン・オハイオの境界紛争(トレド戦争、1835年-1836年)も持ち出されることがある[3]

1978年当時、ミシガン州のハイウェイ委員会(Michigan State Highway Commission)の委員長(chairman)を務めていたピーター・フレッチャー(Peter Fletcher, ミシガン大学卒業生)は、架空の町を地図に書き込んだことを認めている[3]。2008年にミシガン州歴史センターが行ったインタビューにフレッチャーが答えたところによれば、その顛末は以下のようである。

フレッチャーは、あるミシガン大学の同窓生から、マキナック橋を緑と白で塗装することをよく許可できたなとからかわれた(緑と白はミシガン州立大学のシンボルカラーでもある。ミシガン大学とミシガン州立大学も、伝統的にライバル関係にある[4])。橋の色は連邦高速道路規則に準拠したものであったので、フレッチャーに選択の余地はなかった。しかし、フレッチャーは州の道路地図ならばコントロールできる立場にあった。そこで、母校への愛を表現するために、地図製作者に2つの架空の町を挿入するように注文した[3]

ゴブルとビートスがオハイオ州内に描かれているのは、ミシガン州の道路地図が示すべき範囲外だからであり、ミシガン州内の町と道路は正しく描かれているとフレッチャーは話している。架空の町の存在が発覚した後この地図は回収され、「ゴブル」と「ビートス」を削除して再発行された。この騒ぎはミシガン大学卒業生の一部を楽しませたものの、税金の無駄遣いとの批判も受けたという。フレッチャーは知事から州に寄せられた苦情を伝えられ、処分の検討もほのめかされたが、その後この一件について知事から何かを言われることはなかったという[3]

なお、回収されずに「ゴブル」と「ビートス」が記されたままの地図は、今日コレクターアイテムとして人気を集めている[3]

脚注

  1. ^ ハーム・ドゥ・ブリジ(内藤嘉昭訳)「なぜ地理学が重要か - 地図読みと脅威への直面 (PDF) 」 、『文化情報学』第14巻第2号、駿河台大学、2007年2012年2月8日閲覧。
  2. ^ "THE GAME OF THE CENTURY" オハイオ州立大学 vs ミシガン大学”. NORAM SPORTS (2006年11月14日). 2012年2月11日閲覧。
  3. ^ a b c d e Garrett, Bob (2008年10月31日). “Beatosu and Goblu, Ohio”. Archives Image of the Month. Archives of Michigan, Michigan Historical Center, Michigan Department of Natural Resources. 2012年2月8日閲覧。
  4. ^ 伝統のミシガン州ライバル対決”. NORAM SPORTS (2003年10月28日). 2012年2月11日閲覧。

関連項目


ゴブルとビートス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 16:02 UTC 版)

虚構記事」の記事における「ゴブルとビートス」の解説

ゴブル(Goblu)とビートス(Beatosu)は、1978年米国ミシガン州発行道路地図掲載されオハイオ州架空の地名である。ミシガン大学卒業生担当者が、母校スポーツチームへの応援メッセージ忍ばせたもの。

※この「ゴブルとビートス」の解説は、「虚構記事」の解説の一部です。
「ゴブルとビートス」を含む「虚構記事」の記事については、「虚構記事」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ゴブルとビートス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゴブルとビートス」の関連用語

ゴブルとビートスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゴブルとビートスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゴブルとビートス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの虚構記事 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS