ウォーレス・クレメント・セイビンとは? わかりやすく解説

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ウォーレス・クレメント・セイビン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 15:30 UTC 版)

ウォーレス・クレメント・セイビン

ウォーレス・クレメント・セイビン(Wallace Clement Sabine 1868年6月13日 - 1919年1月10日)はアメリカの物理学者で、建築音響学の業績で知られる。世界有数のコンサートホールといわれる、ボストンシンフォニーホールの音響の設計を手がけたことでも知られている。

生涯

1886年、18歳でオハイオ州立大学を卒業し、ハーヴァード大学大学院で学んだのち研究員となる。

1895年、当時ハーヴァードのベテランの物理学者たちも不可能だと考えていた、ハーヴァード大学フォッグ講堂の音響の改良を任された。セイビンは当時教師として生徒達から人気ではあったが、博士号は取得しておらず、また音に関する基礎知識ももっていなかった。

セイビンはまず、フォッグ講堂は音響がよいことで知られる他の講堂とどのように違うのかを分析することから試みた。特に同じくハーヴァード大学のサンダース劇場は音響がよいことで知られており、これがよい比較の対象になったという。それから数年間はセイビンとその助手達で毎晩ふたつのホールを往来し、さまざまな建築材を持ち込んでは音響の実験を繰り返した。ある日、サンダース劇場から数百ものシートクッションを借りることが出来たので、それを使用して、セイビンはオルガンストップウオッチを使ってさまざまな条件下のもとで何度も残響時間を測定する実験を行った。その結果、人間の体はシートクッションの約6倍音を吸収することが突き止められた。測定を終えると、朝からまた授業で講堂が使用されるため、急いですべての実験器具が片付けられた。

セイビンはこのような深夜の活動の末に、室内の音響は、室の大きさおよび壁などによる吸音量と関係があることが突き止められた。セイビンはここから「残響時間」の概念を「残響音が60dB減衰するまでの時間」と明確に定義した。これは現在でも室内の音響を表すもっとも重要な指標になっている。さらにセイビンは以下の公式を見出した。これは現在セイビンの法則と呼ばれている。

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