ウォレス木とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ウォレス木の意味・解説 

ウォレス木

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/21 04:10 UTC 版)

ウォレス木(Wallace tree)は2進数において乗算をする際に乗数の各桁に対応する部分積を作り、それら全ての合計を求めるアルゴリズムである[1]

解説

情報工学では、2つの整数乗算するデジタル回路であるバイナリ乗算器ハードウェアで実装したもの[2]と説明される。全加算器半加算器を選択しながら2つの数値が残るまで部分積を段階的に加算するため、通常の加算器で純粋に部分積を加算するのに比べて高速であることが利点である。並列乗算回路ではブースのアルゴリズムを使った場合も含め、 部分積の和をビット毎に求めることになるが、ウォレス木の手法を用いればビット毎に全加算器を用いることなく、いくつかのビットをまとめて全加算器を用いることができる[3]

実装

ウォレス木は以下の3つの手順を踏む[4]

  1. 一方の引数の各ビットに他方の引数の各ビットを乗算する。
  2. 全加算器と半加算器を重ねることで部分積の数を2個に減らす。
  3. 2つの数字でワイヤーをグループ化し、従来の加算器で加算する。

したがって中間結果の個数が1段でおよそ3分の2に減ることになる[5]

脚注

  1. ^ コンピュータアーキテクチャの話(81) Wallace Tree”. TECH+(テックプラス) (2007年6月7日). 2022年10月11日閲覧。
  2. ^ Townsend, Whitney J.; Swartzlander, Earl E., Jr.; Abraham, Jacob A. (2003-12-01). A comparison of Dadda and Wallace multiplier delays. 5205. pp. 552–560. doi:10.1117/12.507012. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2003SPIE.5205..552T. 
  3. ^ “[http://ifdl.jp/akita/class_old/old/05/lsi/10.html ��10��]”. ifdl.jp. 2022年10月11日閲覧。
  4. ^ Wayback Machine”. web.archive.org (2010年2月15日). 2022年10月11日閲覧。
  5. ^ https://www.ritsumei.ac.jp/ocw/se/2006-55170/lecture_doc/2006-55170-07.pdf”. 立命館大学理工学部電子情報デザイン学科. 2022年10月12日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ウォレス木のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ウォレス木」の関連用語

1
2% |||||

ウォレス木のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ウォレス木のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウォレス木 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS