イスファハンのイマーム広場とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > イスファハンのイマーム広場の意味・解説 

イマーム広場

(イスファハンのイマーム広場 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 04:57 UTC 版)

エスファハーンの
イマーム広場
イラン
イマーム広場
英名 Meidan Emam,Esfahan
仏名 Meidan Emam,Ispahan
登録区分 文化遺産
登録基準 (1),(5),(6)
登録年 1979年
公式サイト 世界遺産センター(英語)
使用方法表示
右にアリ・カプ宮殿
奥にイマーム・モスク
イマーム・モスク
シェイフ・ロトフォッラー・モスク
シェイフ・ロトフォッラー・モスク
内部の装飾

イマーム広場(イマームひろば)は、イランエスファハーンにある広場

まわりをを基調とした精密なアラベスク模様のタイルで覆われた荘厳なモスクや宮殿によって囲まれていることから、かつては「ここには世界の半分がある」とも言われた。

ユネスコ世界遺産に登録されている。

歴史

このイマーム広場は、かつて「メイダーネ・シャー ميدان شاه Meydān-e Shāh 」(王の広場)と呼ばれ、正式名称は「メイダーネ・ナクシェ・ジャハーン میدان نقش جهان Meydān-e naqsh-e jahān」(世界の肖像の広場)である。1598年、首都をイスファハンへ移したサファヴィー朝シャー・アッバース1世は、大規模な都市計画にもとづいて新しい市街を旧市街の西南方に建設しはじめた。その中核となったのが、広場である。この広場は南北512m、東西159mという広大な長方形で[1]、周囲を整然たる2層のアーケードで取り囲み、四辺にそれぞれ1件ずつモニュメンタルな建築が配置されている。 まず、南辺中央には大寺院イマーム・モスクのイーワーン状の門が位置する。このモスクは、イランの近世イスラーム建築を代表する傑作として名高く、チャハール・イーワーン形式(四イーワーン形式)をとっている。東の小寺院シェイフ・ロトフォッラー・モスクは、王族のための専用礼拝堂であった。規模こそ小さいが、壁面やドームを覆う彩色タイルのアラベスクが格別に美しく、サファヴィー朝建築の白眉といえる。北にはバザールの門ダールワーザ・イ・カイセリーヤ、西には王宮の門、アリ・カプ宮殿が位置する。この広場は、16世紀末から少なくとも2段階の整備、改築過程を経て、1617年頃までに現在見られるような姿が完成した。特に、19世紀後半以降大規模な改変を被ったが、今日も基本的な構造は創建当時の姿をとどめている。1960年代には、イタリア中東研究所による「イマーム広場」周辺の修復工事が開始され、それに伴う考古学的発掘成果が次々と発表された。 現在、広場は池などを設けて公園化されているが、本来は一面砂敷きの平坦なグランドで、各種の儀式や競技がここで催された。また、広場を囲む長大なアーケードは、上下2層のうち下層だけが店舗として活用され、アーチ1単位ごとに区分し、商人や手工業者に貸与されていた。現在は数多くのクラフトショップが並んで、バザールとともにショッピングのメッカとなっている。モスクのドームや壁面のタイルのアラベスクは、イラン芸術の最高美と賞賛されている。

世界遺産

登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
  • (5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  • (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
イマームの広場のパノラマ
パノラマ

脚注

  1. ^ 新建築社『NHK 夢の美術館 世界の名建築100選』新建築社、2008年、94頁。ISBN 978-4-7869-0219-2 

座標: 北緯32度39分28秒 東経51度40分38秒 / 北緯32.65778度 東経51.67722度 / 32.65778; 51.67722


「イスファハンのイマーム広場」の例文・使い方・用例・文例

  • イスファハンのイマーム広場
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イスファハンのイマーム広場」の関連用語

イスファハンのイマーム広場のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イスファハンのイマーム広場のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイマーム広場 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS