アンセル・マーシャル (第6代ペンブルック伯)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 07:00 UTC 版)
アンセル・マーシャル Ansel Marshal |
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第6代ペンブルック伯 | |
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在位 | 1245年11月27日 - 1245年12月23日 |
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死去 | 1245年12月23日![]() |
埋葬 | ![]() |
配偶者 | マティルダ・ド・ブーン |
家名 | マーシャル家 |
父親 | 初代ペンブルック伯ウィリアム・マーシャル |
母親 | イザベル・ド・クレア |
アンセル・マーシャル(Ansel Marshal, ? - 1245年12月23日)は、初代ペンブルック伯ウィリアム・マーシャルの5男で末息子。イングランドではこの名前は珍しかったため、ランゴバルド語のアンセルムと間違われることが多かったが、1170年代に活躍した父の末弟にちなんで名付けられた[1][2]。
生涯
アンセルはウィリアム・マーシャルとイザベル・ド・クレアの末子であった。伝えられるところによると、アンセルは父親が60代半ばで、アイルランドに亡命していたときに生まれた。1219年に父ウィリアムが遺言書を書いていたとき、父親は当初、アンセルを愛していたものの、アンセルに何も与えないつもりでった。その後、助言者の提案を受けて考え直し、レンスターの領地から140ポンドの年金をアンセルのために確保した[1][3]。
アンセルは、兄ギルバートおよび兄ウォルターが伯位を保持していた期間に存在感を示し、兄らの行動を頻繁に目撃していた。アンセルは第2代ヘレフォード伯ハンフリー・ド・ブーンの娘マティルダと結婚した。おそらく結婚のときに、アンセルはグロスターシャーのアビルトンとアウレのマーシャル家の荘園を兄から与えられたが、アンセルはすでに1244年12月に義父をもてなしていたときにその荘園を所有していた[1]。
伯位の継承と死
1245年11月27日、兄ウォルターが子を残さずに死去し、アンセルがペンブルック伯位を継承した。12月3日、イングランド王ヘンリー3世は、アンセルに臣下の礼を取り次第、遺産を渡す意向を伝えたが、アンセルはその時に既に病気であったとみられ、礼を取ることはなかった。アンセルはチェプストウ城でおそらく1245年12月23日に病死した。ティンターン修道院の母と兄の近くに埋葬され、マーシャル家の正当な男系は絶えた。アンセルが財産を相続する前に死去したため、未亡人のマティルダは寡婦財産を拒否されたが(マティルダには60ポンドの年金が割り当てられた)、マティルダはロジャー・ド・クィンシーと再婚した後も、生涯「マティルダ・マーシャル」を名乗り続けた。その後、ヘンリー3世はマーシャル家の財産をアンセルの5人の姉妹に分割するため管理権を引き継いだ[1]。
死後
アンセルが子供を残さずに亡くなった後、アール・マーシャルの称号は、1246年7月22日、マーシャル家の相続人がオックスフォードで国王に臣下の礼を取った際に、姉のノーフォーク伯爵夫人モードに引き継がれた。この称号は今日でもノーフォーク公が保持している[1]。イングランド、ウェールズ、アイルランドにおけるマーシャル家の広大な遺産は、1245年にモードと、モードより先に亡くなった3人の妹の子供たちの間で正式に分割された。
歴史家マシュー・パリスは、マーシャル家が急速に絶滅した原因を、父ウィリアム・マーシャルが自身の教区に課した不当な取り立ての後、ファーンズ司教アルビン・オモロイが一族に与えた呪いであるとしている。パリスは、アンセルとその兄らがまだ生存していた頃に、母イザベルが「全員が同じ伯爵になる」と予言したと記している[1]。
脚注
- ^ a b c d e f “THE MARSHAL FAMILY OF HAMSTEAD” (英語). Royal Historical Society Camden Fifth Series 47: 1–39. doi:10.1017/S0960116315000044. ISSN 0960-1163 .
- ^ Acts and Letters, p. 5n.
- ^ Asbridge, Thomas (2015) (English). The Greatest Knight: The Remarkable Life of William Marshal, the Power Behind Five English Thrones. London: Simon & Schuster UK. ISBN 978-1-84739-641-9
参考文献
- Acts and Letters of the Marshal Family 1156-1248: Earls of Pembroke and Marshals of England, ed. David Crouch, Camden Society 5th series, 47 (Cambridge: CUP, 2015).
- Cokayne, George E. (1945), The New Complete Peerage, 10, St. Catherine Press Limited
- R.F. Walker, 'The Earls of Pembroke, 1138-1389' in, Pembrokeshire County History ii, Medieval Pembrokeshire, ed. R.F. Walker (Haverfordwest, 2002).
公職 | ||
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先代 ウォルター・マーシャル |
アール・マーシャル 1245年 |
次代 ロジャー・ビゴッド |
イングランドの爵位 | ||
先代 ウォルター・マーシャル |
ペンブルック伯 1245年 |
次代 (断絶) |
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