アルミランテ・ブラウン (装甲艦)とは？わかりやすく解説

アルミランテ・ブラウン (Almirante Brown) はアルゼンチン海軍の中央砲郭艦^[1]。艦名は独立戦争時のアルゼンチン艦隊の指揮官ウィリアム・ブラウンにちなむ^[2]。

鋼製船体で短い船首楼と船尾楼を有し、2本マストで煙突は1本^[4]。満載排水量4200t^[4]、全長249フィート（75.9m）^[5]、垂線間長240フィート0インチ（73.15m）、幅50フィート0インチ（15.24m）^[4]。

複式機関、円缶8基、出力5400ihp^[4]ないし4500ihp^[5]、2軸推進で速力14ノット^[4]。

装甲は装甲帯が最も厚いところで9インチから6インチ、端のところでは7から1インチ^[4]。砲郭が8から6インチで、司令塔が8インチ^[4]。

主砲はアームストロング20.3cm（8インチ^[4]）後装施条砲8門で、6門を砲郭に、残り2門は艦首と艦尾に1門ずつ搭載した^[6]。他に4.7インチ砲6門、9ポンド砲2門、7ポンド砲2門^[4]、または114mm後装施条砲6門を搭載した^[5]。1897年から1898年の改装で主砲はカネー50口径5.9インチ速射砲10門に、4.7インチ砲は50口径4.7インチ速射砲6門に換装された^[4]。または、1898年時点の兵装は50口径1500mm砲10門、119mm砲4門、3ポンド砲8門と魚雷発射管2門^[5]。

1893年のArgentine Revolution of 1893の際、9月25日に「アルミランテ・ブラウン」と海防戦艦「リベルタ」、「インデペンデンシア」、防護巡洋艦「パタゴニア」、「ヌエベ・デ・フーリオ」は反乱軍の水雷艇基地を奇襲した^[7]。

1921年12月17日、当時砲術練習艦であった「アルミランテ・ブラウン」から兵士と乗員が上陸し、Mata Taperaの無法者の集団を打ち破った^[8]。

1927年にハルクとなり^[5]、1932年11月17日に除籍され^[9]、解体された^[5]。

脚注

^ 橋本若路『海防戦艦』320ページ
^ ^a ^b Paul H Silverstone, Directory of the World's Capital Ships, p. 13
^ Paul H Silverstone, Directory of the World's Capital Ships, pp. 10, 13. Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 401
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 401
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f Paul H Silverstone, Directory of the World's Capital Ships, p. 11
^ 橋本若路『海防戦艦』321ページ
^ 橋本若路『海防戦艦』322ページ。Robert L. Scheina, Latin America, p. 57
^ Robert L. Scheina, Latin America, p. 191
^ Conway's All the World's Fighting Ships 1906–1921, p. 400

参考文献

橋本若路『海防戦艦　設計・建造・運用　1872～1938』イカロス出版、2022年、ISBN 978-4-8022-1172-7
Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, Conway Maritime Press. 1979, ISBN 0-85177-133-5
Conway's All the World's Fighting Ships 1906–1921, Conway Maritime Press, 1985, ISBN 0-85177-245-5
Paul H Silverstone, Directory of the World's Capital Ships, Hippocrene Books, 1984, ISBN 0-88254-979-0
Robert L. Scheina, Latin America: A Naval History 1810-1987, Naval Institute Press, 1987, ISBN 0-87021-295-8

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