アラベスク_運命の風とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アラベスク_運命の風の意味・解説 

アラベスク 運命の風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/19 23:49 UTC 版)

アラベスク 運命の風』(アラベスク うんめいのかぜ)はF.E.A.R.が製作したアラビアン・ファンタジーRPGテーブルトークRPG)。 1994年ホビー・データからボックス版で発売された。 デザイナーは山本剛・吉森真吾。ボックスアートは井上純弌が担当している。 ノベライズ展開もされており、伏見健二により小説化がなされている。

『運命の風』は『Fortuna Ventus』(ふぉるとぅーな うぇんとぅす)と表記されることもある。

有限会社ホビー・データの運営するプレイバイメールである『アラベスク』を原作としている。 アラビア風の世界を扱うTRPGはめずらしく、2003年ゲヘナが登場するまで、日本では唯一の作品となっていた。

なお、本作の発売時期はPBM『アラベスク』シリーズ第1弾「皇子サファールの帰還」の開始時期と前後していたため、世界設定は「皇子サファールの帰還」の開始時点のものとなっている。また、本作のパッケージには「基本セット」と記述されているが、サプリメント等は発売されなかった。

世界設定

歴史

世界はフォルトゥーナ・ウェントゥスと呼ばれている。 フォルトゥーナ・ウェントゥスの神話によれば、かつて太陽の神と、月の神と、12の宝石をはめた王冠があった。 太陽の神と月の神は王冠を巡って争い、王冠と宝石は砕け散った。 王冠と宝石の破片は、火の雨となって地上に降り注ぎ、地上は砂漠になってしまった。 今ではフォルトゥーナ・ウェントゥスには広大な砂漠が広がり、オアシスを基盤として十三大都市が成立している。

魔法技術

フォルトゥーナ・ウェントゥスには、魔導・機導・魂走・砂航という4種類の魔法技術が成立している。 いずれの魔法技術も、その行使のための源としてファトゥム・ストーンと呼ばれる宝石を必要としている。

魔導
ファトゥム・ストーンを配列にそって配置することで、効果を生み出す魔法。
機導
ファトゥム・ストーンを機械に埋め込むことで、機械を動かす技術。強力ではあるが、過去に技術が失われ、それを復活させるべく研究が進んでいる。人体に直接ファトゥム・ストーンを埋め込むことで、サイボーグ化する技術も存在している。
魂走
術者の魂を遠くへ飛ばしたり、目標の魂を感じ取って、思考や感情を読み取ることができる。
砂航
「砂の海を航行する船」を動かす技術。ただし、船は非常に高価である。

システム

行為判定

行為判定では、サイコロとして6面ダイス2個(2D6)を使用する。 すべての行為判定は、2D6による上方判定となる。 命中と回避、攻撃と防御、そのすべてに2D6による行為判定を行なうのは、(クリティカルファンブルによる振り足しがない点を除けば) セブン=フォートレスと同様のルールである。

個人戦と精神戦

『運命の風』では、戦闘として個人戦と精神戦を行なうことができる。 個人戦は、武器による攻撃で相手を死亡させようとする行為である。 精神戦は、心理的な圧迫で相手を気絶させようとする行為である。 個人戦と精神戦の値は、武器・防具を装備することで上昇させることができる。

団体戦と撹乱戦

『運命の風』では、戦争として団体戦と撹乱戦を行なうことができる。 団体戦は、自分の部隊を率いて相手部隊を消耗させ、相手を行動不能に追い込もうとする行為である。 撹乱戦は、自分の部隊の作戦によって相手部隊を内部分裂させ、統率の取れない状況に追い込もうとする行為である。 団体戦と撹乱戦の値は、兵隊・参謀を装備することで上昇させることができる。

個人戦パワー

他のゲームでは物理攻撃値・物理防御値が分けられる所を、『運命の風』ではまとめて1つの個人戦パワーとしている。 武器を装備しても個人戦パワーが上昇し、防具を装備しても個人戦パワーが上昇することになる。

これは「精神戦の精神戦パワー」「団体戦の団体戦パワー」「撹乱戦の撹乱戦パワー」についても同様のルールである。

例えば、人間と砂虫(砂漠に潜る長虫)が戦闘になったとする。 人間の個人戦パワーが砂虫の個人戦パワーよりも10点高いのであれば、人間は毎アクション個人戦を行なうことで、砂虫にほぼ10点ずつの損傷を与えることができる。 その一方、砂虫が毎アクション個人戦を行なっても、人間にはまったく損傷を与えることができない。

それでは、砂虫はどうすればよいのか。この場合、数値的に不利な個人戦を行なうのを避け、精神戦を行なうのが正解となる。 砂虫の精神戦パワーが人間の精神戦パワーよりも高ければ理想的だが、もし精神戦パワーで少し負けていたとしても、 個人戦を行なうよりは、精神戦を選ぶほうが、人間を倒せる可能性はあることになる。

基本的には、『運命の風』の戦闘・戦争では、争う二者が「両方とも同じ行動を選ぶ」ということはない。

戦闘については、武器・防具による個人戦パワーの上昇は大きく、資金を得ることがキャラクターを一気に強化する道である。 戦争については、兵隊・参謀による団体戦パワーの上昇は大きく、両者の資金力の差によって結果を予想することができる。

キャラクター

ロールオアチョイス

『運命の風』のキャラクター作成では、キャラクターの各要素について、ダイスを振り表を参照して決定する。 この時、ダイスを振らずに、任意の項目を選択することを選んでもよい。つまり、キャラクター作成はロールオアチョイスを繰り返すことで行なわれる (ただし、本文中では説明としてロールオアチョイスの単語は登場していない)。

『運命の風』のキャラクターが活躍するためには、血統・出身・技能の組み合わせが重要であり、 ダイスを振ってランダムに組み上げられたキャラクターが活躍するのは、必ずしも容易ではない。

血統

キャラクターは人間・機械人・魔獣人・天使・悪魔など12種類の血統から1つを選択することができる。 血統によって、筋力などの自然能力値6種類が決定される。 自然能力値は、主に個人戦と精神戦の基準値となる。

出身

キャラクターは自由都市ハルトアルバード・魔術都市ドゥーラザム・闇の宗教都市メディムなど13種類の出身から1つを選択することができる。 出身によって、教養などの社会能力値6種類が決定される。 社会能力値は、主に団体戦と撹乱戦の基準値となる。

出典および書籍一覧

  • 『アラベスク 運命の風』 F.E.A.R.、ホビー・データ、1994年、ボックス版にて発売。宿命の書51頁。物語の書53頁。世界の書54頁。
  • 『アラベスク・ファンタジー 運命の風(フォルトゥーナ・ウェントゥス)』 伏見健二、アスペクト(ログアウト冒険文庫)、1994年、238頁。ISBN 4-89366-173-6

関連項目


「アラベスク 運命の風」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アラベスク_運命の風」の関連用語

アラベスク_運命の風のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アラベスク_運命の風のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアラベスク 運命の風 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS