SEVENTH HEAVEN (BUCK-TICKのアルバム) リリース

SEVENTH HEAVEN (BUCK-TICKのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/05 09:41 UTC 版)

リリース

1987年11月21日ビクター音楽産業Invitationレーベルから、LPCDCTの3形態でリリースされた。LPの初回限定盤はブックレット付のボックス仕様となっており、通常盤及びCD盤とは異なるジャケットの特製ボックスに封入された上にアートブックも付属されていた。

2002年9月19日には、ビクターエンタテインメントのHAPPY HOUSEレーベルから比留間整監修によるデジタルリマスター版がリリースされ、初回限定盤にはジャケットサイズのオリジナルステッカーが付属されたほか、ボーナス・トラックとして「SEXUAL INTERCOURSE (unreleased version)」および「…IN HEAVEN… 〜MOONLIGHT (Climax Together Live)」の2曲が追加収録された。

2007年9月5日には生産限定品として、ビクター所属時代のアルバム全12作品のデジタルリマスター版が紙ジャケット仕様でリリースされた[19][20]。同版には携帯サイズのロゴステッカー・シートが封入されたほか、全タイトルを一括購入すると先着で全タイトル収納ケースがプレゼントされるキャンペーンが行われた[19]。また、この再リリース盤のジャケットは、LPの初回盤ボックスと同じものが採用されている。

アートワーク

本作のアートワークはグラフィックデザイナーサカグチケンが手掛けている。サカグチは本作のために企画書を作成し、アナログ盤のボックスセットやダブル版ジャケット、写真集を付属させるなどのアイデアを形状を含めて詳細に描いて提案したところ、スタッフ側から快諾されたために制作を手掛けることとなった[21]。当時のメンバーは多忙のためにアートワークに直接関与する時間がなかったのではないかとサカグチは推測しており、また休暇もほとんど取れずに髪を立てたまま就寝する生活だったのではないかとも推測している[21]。そのため、アートワークに関してはディレクターである田中純一との間で話し合いが行われ、その後ビクターのデザイン部の担当者との話し合いの後にコスト計算なども行った上で制作が行われていたとサカグチは述べている[21]。当時はレコード会社側もインパクトのある作品をリリースしてチャート上位を狙うという強い意志があったとサカグチは述べている[21]

ツアー

ツアー最終日の会場となった日本武道館

本作を受けたコンサートツアーは、「SEVENTH HEAVEN TOUR」と題して1988年10月11日戸田市文化会館公演から1989年1月19日1月20日日本武道館2日間連続公演まで、36都市全40公演が行われた[22]。同ツアー開始前の9月からおよそ1か月間は次作『TABOO』(1989年)のレコーディングが行われており、メンバーはロンドンにて初の日本国外レコーディングを行った後に本作を受けたツアーを開始するという状態となった[23]。すでに新曲をレコーディング済みであったが、本作収録曲を中心としたセットリストであったため、メンバーは新曲を披露できないことに対して欲求不満を覚えることとなった[23]

ツアー最終日には初となる日本武道館公演を行い、ステージ後方には巨大な廃墟のオブジェが設置されていた[24]。1月19日の公演では櫻井は髪を逆立てた状態で登場したが、1月20日の公演では髪を下したままの状態で登場した[25]。1曲目には次作収録曲の「ICONOCLASM」が演奏され、2曲目には同じく次作収録曲の「TOKYO」が演奏された[24]。当日はツアーファイナルではあったが同ツアーの集大成的なものにはなっておらず、前日リリースされたばかりの次作収録曲を中心とした構成となっていた[24]。その後櫻井による「ようこそ。いらっしゃい。SEVENTH HEAVENへ」「じっくり、みんなと天国へ行って抱き合い、最後まで愛し合いましょう」というMCが行われた後、「PHYSICAL NEUROSE」「MISTY ZONE」「ROMANESQUE」が演奏され、心臓音の効果音が流された後に「EMBRYO」、続いて「HYPER LOVE」「VICTIMS OF LOVE」「SEXUAL×××××!」が演奏された[26]。櫻井による「ギターと歌だけで、ほんのちょっと、静かな夜を」というMCの後に「SILENT NIGHT」が演奏され、その後「ANGELIC CONVERSATION」「TABOO」と続けて演奏された[25]。1月19日は「TABOO」が最終曲となっていたが、1月20日には「TABOO」の後に「JUST ONE MORE KISS」が演奏された[25]。最後は櫻井による「最高の夜でした。またどこかで愛し合いましょう」というMCで当日は終演となった[25]


  1. ^ a b c d e f g HYP NO.3 1990.
  2. ^ BUCK-TICK ~since 1985-2011~ 2011, p. 25- 「BUCK-TICKの26年間の足跡ストーリー1985-2011」より
  3. ^ a b LOVE ME 1989, p. 70- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  4. ^ LOVE ME 1989, p. 74- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  5. ^ LOVE ME 1989, pp. 74–75- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  6. ^ LOVE ME 1989, p. 77- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  7. ^ a b SHAPELESS 1994, p. 117- 「今井寿 SOUND」より
  8. ^ a b c LOVE ME 1989, p. 75- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  9. ^ LOVE ME 1989, p. 76- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  10. ^ a b ヤガミトール 2018, p. 133- 「三.BUCK-TICK」より
  11. ^ a b c ヤガミトール 2018, p. 126- 「三.BUCK-TICK」より
  12. ^ 市川哲史 1992.
  13. ^ ヤガミトール 2018, p. 134 - 135- 「三.BUCK-TICK」より
  14. ^ a b c d e f WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 69.
  15. ^ a b c d WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 70.
  16. ^ WORDS BY BUCK-TICK 2002, pp. 69–70.
  17. ^ BUCK-TICK ~since 1985-2011~ 2011, p. 90- 「File7 BUCK-TICK REVIEW〜オリジナルアルバムレビュー&全作品アーカイブ 1986-2011」より
  18. ^ B-T DATA 2013, pp. 162–163- 「DISCOGRAPHY 1986-2013」より
  19. ^ a b [BUCK-TICK] 全国ツアー&初期作品が紙ジャケ化”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2007年7月1日). 2022年2月5日閲覧。
  20. ^ BUCK-TICK、ニュー・アルバム&紙ジャケ12タイトルが発売!”. CDジャーナル. 音楽出版 (2007年7月12日). 2022年2月5日閲覧。
  21. ^ a b c d B-T DATA 2013, p. 133- 「oral biography KEY PERSON INTERVIEW サカグチケン GRAPHIC DESIGNER」より
  22. ^ BUCK-TICK ~since 1985-2011~ 2011, pp. 26–27- 「BUCK-TICKの26年間の足跡ストーリー1985-2011」より
  23. ^ a b LOVE ME 1989, p. 78- 「BUCK-TICK STORY CapterIV--1987.6.→1989.1.」より
  24. ^ a b c WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 4.
  25. ^ a b c d WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 5.
  26. ^ WORDS BY BUCK-TICK 2002, pp. 4–5.
  27. ^ BUCK-TICKのアルバム売上ランキング”. オリコンニュース. オリコン. 2022年2月27日閲覧。
  28. ^ 「BUCK-TICK」のアルバム人気ランキングTOP25! 1位は「狂った太陽」に決定!【2022年最新投票結果】”. ねとらぼ調査隊. アイティメディア (2022年2月9日). 2022年2月23日閲覧。
  29. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 72.
  30. ^ ヤガミトール 2018, p. 134- 「三.BUCK-TICK」より
  31. ^ a b c d e f g h i Oral History 2006.
  32. ^ a b ヤガミトール 2018, pp. 134–135- 「三.BUCK-TICK」より
  33. ^ BUCK-TICK、トリビュート・アルバムの詳細が明らかに”. CDジャーナル. 音楽出版 (2005年11月30日). 2022年3月21日閲覧。
  34. ^ 別冊カドカワ 2018, p. 26- 帆苅智之「PERSONAL INTERVIEW 変化と進化の座標 櫻井敦司」より





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