遺伝的組換え 組換え価

遺伝的組換え

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 20:20 UTC 版)

組換え価

同じ染色体上にある二組の遺伝子座間で組換えが起こる確率を組換え価(または組換え確率、英語: recombination rate)と言う。幾つかのモデル生物でゲノムの全塩基配列が決定された結果、遺伝的組換え価に基づいた遺伝学的地図上の距離と染色体上の物理的な距離とは必ずしも相関しないことが明らかになっているが、現在でも遺伝的組換えの結果を推定する際には有用な指標となっている。

片親(父親でも母親でもよい)由来の遺伝子座 j 上の対立遺伝子が、そのさらに父親(つまり祖父)由来であるとき Sj = 0、母親(つまり祖母)由来であるとき Sj = 1 であるとする。定義によれば、SjSj' であるとき、遺伝子座 j と遺伝子座 j' の間に組換えが起こったと言う。従って組換え確率 θ は次のように定義される。

特定の家系サンプルにおいて、組換えが完全に観察できるとした場合、組換え価 (%) を l、組換えの起こった配偶子数を m、全ての配偶子数を n と置くと、組換え価は以下の式で推定できる。

組換え価 l = 0% のときを完全連鎖、0% < l < 50% のときを不完全連鎖、l = 50% のときを独立という。染色体の乗り換えは、二本の染色体間のみで起こり、他の染色体間では起こらない。したがって、定義上組換え価が50%を超える事は有り得ない。


  1. ^ HapMap 計画
  2. ^ International HapMap Consortium. A second generation human haplotype map of over 3.1 million SNPs. Nature 2007;449:851.





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