農道 概要

農道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/20 20:46 UTC 版)

概要

農作業を行うために農地などに設けられた道路で、農業用道路を略した用語である[3]。農道は一般の自動車も通行することができるが、通行権の制限がある[4]。一般道路は乗用車トラックバスなどの高速自動車が通行するのに対し、農道は、耕耘機などの小型車や、トラクターコンバインなどのように大型でも低速度の農業用機械が通行するほか、農作物などの運搬のためにはトラックのように高速自動車も通行するため、高低速混合交通となる[3]。また、農作物の集荷、肥料などの運搬に際しては、トラックなどを道路脇に自由に駐停車させて積み卸し作業を行う必要がある。このため、農業交通形態の特殊性を考慮した規模構造となっている。つまり、自動車交通量のうち農業に係るものが過半を占める前提で道路構造が設計されている。

土地改良法」に基づいて建設される農道は「道路法」の適用を受けないが、その機能や路線配置によっては「道路構造令」に準拠する。また、道路標識交通信号機などの交通管理施設は「道路法」「道路交通法」「標識令」により規定されており、一般の公道と同様に信号機やガードレールなどの交通安全施設等も設置されている[3]。農道に見られる道路標識のなかには、「無理な運転をしないでください」「農耕車注意」「トラクター横断注意」など、減速を促す標識が設置されていることが特徴的である[3]

農道の定義

土地改良法に基づく土地改良事業、独立行政法人緑資源機構法に基づく農用地総合整備事業、特定中山間保全整備事業または、ふるさと農道緊急整備事業により造成された道路であって、農道として管理されているもの。ただし、道路法第7条第1項または第8条第1項により都道府県道または市町村道として認定された道路は含まない。

農道の管理

農道は地元市町村の要望により事業が計画される。事業規模により都道府県が補助事業により建設するが、完成後には地元市町村に移管し、農道台帳に記載したのち市町村が農道として管理することとなる。また、農道台帳に記載された農道のうち、市町村が管理する(全幅員4m以上など)一定要件の農道については、その延長に応じて普通交付税の投資的経費の補正措置が講じられている。


  1. ^ 窪田陽一 2009, p. 18.
  2. ^ 窪田陽一 2009, p. 20.
  3. ^ a b c d e f 浅井建爾 2015, p. 22.
  4. ^ a b 窪田陽一 2009, p. 19.
  5. ^ 農道整備事業実施要綱”. 農林水産省 (昭和52-04-16). 2021年10月16日閲覧。
  6. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 215.
  7. ^ a b c ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 216.
  8. ^ a b c d 浅井建爾 2015, pp. 23–24.
  9. ^ 浅井建爾 2015, p. 23.
  10. ^ a b c 浅井建爾 2015, p. 24.
  11. ^ 総務省自治財政局長・農林水産省農村振興局長『ふるさと農道緊急整備事業について (PDF) 』(農林水産省、2003年4月1日。通知、14農振第2456号。


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