藤井聡太
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 18:35 UTC 版)
詰将棋
解答
藤井は詰将棋でも早くから頭角を現している。多数のプロ棋士や奨励会員を含む参加者が、若いプロ棋士でも見た瞬間に解くのが嫌になるような難問に挑む[216]、詰将棋解答選手権チャンピオン戦には2011年の第8回(大阪会場)[注釈 35]に8歳で初参加し、23人中13位の成績を残した[217]。5回目の出場となった2015年の第12回(小学6年生、12歳)では、全問正解で史上最年少優勝を記録した[21]。
プロのトップ棋士も参加するこの大会で、小学生が全問正解で優勝する事は全くの想定外だった。マスコミによっては、この優勝を「藤井が初めて将棋界に強烈なインパクトを与えた出来事」とする場合もある[20]。この報に接した時の衝撃について、森下卓は「6年生で詰将棋選手権優勝は……とても現実とは思えないですね」と語り、共同通信社の観戦記者である津江章二は「その話を聞いた時、心臓が止まるかと思いましたから」と語っている[216]。
その後、2019年の第16回終了時点で5連覇を続けている[注釈 36][40]。5連覇は歴代1位[40]、優勝回数5回は宮田敦史の6回に次ぐ歴代2位[40]の記録。2017年7月16日、全日本詰将棋連盟は歴代1位タイ記録(当時)となる3連覇を果たした藤井と宮田敦史の両名に門脇芳雄賞[注釈 37]を贈った[218][220]。
創作
藤井は詰将棋作家としても評価されている[21]。2012年に、将棋世界詰将棋サロンに投稿して2回目の入選作となった作品が谷川賞を受賞した[221][222]。大崎善生(作家、『将棋世界』元・編集長)は「わずか9歳での受賞というのにも驚く。奇跡としかいいようがない。」と語った[222]。
2013年には『詰将棋パラダイス』での初入選作(2013年8月号短大)が看寿賞の候補作となった[222][注釈 38]。詰将棋作家として著名な浦野真彦は、当時小学6年生の藤井を「信頼している詰将棋作家の作品はできる限り解くようにしている。藤井聡太くんもその一人。彼は作家としても一流。」と評した[223]。
奨励会員時代に谷川浩司[注釈 39]から、藤井の師匠の杉本を通じて「詰将棋創作は控えた方が良い」と助言があり、杉本の判断で2014年頃から詰将棋創作を封印して奨励会に集中したという[21][224]。詰将棋作家として著名な伊藤果は、詰将棋作家としての藤井を高く評価しているが、「タイトルを獲るくらいまで、詰将棋創作は控えた方が良い」という旨を、藤井の師匠の杉本に話したと述べている[225]。2017年、藤井は「対局で多忙なので、詰将棋の創作は控えている」という旨を、観戦記者の保坂勝吾に述べた[226]。
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