死刑 日本における死刑制度の現状

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死刑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/19 23:31 UTC 版)

日本における死刑制度の現状

日本において死刑判決を宣告する際には、永山則夫連続射殺事件で最高裁(昭和58年7月8日判決)で示した死刑適用基準の判例を参考にしている場合が多い。そのため永山基準と呼ばれ、第1次上告審判決では基準として以下の9項目が提示されている。

  1. 犯罪の性質
  2. 犯行の動機
  3. 犯行態様、特に殺害方法の執拗性、残虐性
  4. 結果の重大性、特に殺害された被害者の数
  5. 遺族の被害感情
  6. 社会的影響
  7. 犯人の年齢
  8. 前科
  9. 犯行後の情状

以上の条件のうち、たとえば4項では「被害者2人までは有期、3人は無期、4人以上は死刑」といった基準があるようにいわれるが、実際の判例では事件の重要性などに鑑みながら決定している(詳細は日本における死刑#死刑の量刑基準を参照)。

死刑制度をめぐる日本以外の世界各国の現状

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死刑制度の世界地図
凡例:
  青:死刑を廃止した国、あるいは死刑を採用していない国
  黄緑:特段の事情(戦時など)が無い限り死刑を執行しない国
  橙:少なくとも10年間は死刑を執行していない国
  赤:死刑が法定刑として存在する国
世界各国の死刑制度に関する詳細については世界の死刑制度の現状を参照。

死刑執行数順位

2009年の執行数
1位 中華人民共和国の旗 中華人民共和国 未発表[21][22]。少なくとも2000回(推定)
2位 イランの旗 イラン 少なくとも388回
3位 イラクの旗 イラク 少なくとも120回
4位 サウジアラビアの旗 サウジアラビア 少なくとも69回
5位 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 52回
6位 イエメンの旗 イエメン 少なくとも30回
7位 スーダンの旗 スーダン 少なくとも9回
8位 ベトナムの旗 ベトナム 少なくとも9回
9位 シリアの旗 シリア 少なくとも8回
10位 日本の旗 日本 7回
11位 エジプトの旗 エジプト 少なくとも5回
12位 リビアの旗 リビア 少なくとも4回
13位 バングラデシュの旗 バングラデシュ 3回
14位 タイの旗 タイ 2回
15位 シンガポールの旗 シンガポール 少なくとも1回
16位 ボツワナの旗 ボツワナ 1回
-位 マレーシアの旗 マレーシア 未発表
-位 朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国 未発表

アジア

アジア(日本を除く)では中華人民共和国やサウジアラビア、イランなどの死刑執行数が多い。またシンガポールは厳罰主義であり、軽微な触法行為に対しても刑罰を加えていることで有名である。また北朝鮮では裁判によらない即決による公開処刑が行われているとの報道もある。なお、アジア諸国で死刑存置国はイスラム教国や東アジアに多い。

中華人民共和国では殺人だけでなく麻薬犯罪や汚職事件で有罪になった場合も死刑になるほか、公開処刑が行われていた。これらは犯罪抑止力の為に必要と中国政府は主張しているが、中国の人権問題として国際社会の批判を受けている。なお死刑執行数は世界最大であり、2008年のアムネスティ報告書の調査によれば2008年に世界25カ国で少なくとも2390人の死刑が執行されたが、最多の中国は少なくとも1718人と、世界の死刑執行数の約72%を占めている[23]。世界人口の5分の1が中国に集中していることを考慮しても、世界の主要国の中では、死刑執行率も格段に高い。

中華人民共和国

執行方法は銃殺刑が基本であるが、薬殺刑も一部で導入されつつある[24]。なお、死刑が適用される犯罪行為としては、賄賂の授受や、麻薬の密売や、売春及び性犯罪などが挙げられる。しかも、致死の結果が生じない刑事事件でも死刑判決が下されることが数多くある。また、「死刑は犯罪を撲滅するための最大の切り札である」と司法当局が確信しているため、死刑の執行が大量に行われている。そのため、暴力による刑事事件だけでなく、「株式相場の混乱」といった経済事件にまで死刑判決が下されたことが実際にある。また、19世紀のアヘン戦争の教訓から、麻薬の密輸や密売といった薬物犯罪にも死刑が数多く適用されている。実際に、覚醒剤を中国から持ち出そうとした日本人4人にも死刑判決が出され、2010年4月6日に1人、同年4月9日に3人の死刑が執行されたことがある。

中華人民共和国の刑罰体系では、一部の犯罪に関して下された死刑に執行猶予が付せられる規定(中華人民共和国刑法43条[25])がある(とはいえ、この執行猶予はいわゆる再教育を目指すものである。実際に反革命行為に対する死刑宣告を受けたものを死刑の重圧をかけて『労働改造』する目的があると言われている。著名な執行猶予付き死刑を宣告されたものに江青がいる)。

中国における死刑制度の問題点としては、三権分立が成り立っておらず、量刑の判断基準が政治的な意向に左右され易いことが挙げられる。しかも、法治主義ではなく役人等の意向が強く反映されている人治主義であるため、近代的刑事訴訟手続が充分に行われていないとの指摘がある。また「犯罪抑止」として公開処刑が行われ、実際にテレビ放映されていたほか、死刑囚からの組織的な臓器移植が行われている[要出典]。これらの死刑制度の問題点は中国の人権問題として国際的批判の対象となっている。

なお、過去にイギリスやポルトガルの植民地であった特別行政区の香港マカオでは、中国への主権返還前に死刑制度が廃止されている。

朝鮮民主主義人民共和国

北朝鮮では主に1990年代から続く食糧不足や経済的困窮が原因で起きた事件の殺人犯、刑事犯、経済犯や北朝鮮を脱出しようとして第三国で逮捕され北朝鮮へと送還された所謂脱北者、及び国内で反体制活動などを行ったとされる政治犯に対して死刑を行っている。

第三国に出国した多くの脱北者の目撃証言及び、過去日本のメディアが入手した隠し撮り映像によれば執行方法は銃殺であり、都市の一部地域を使い公開群集裁判と呼ばれる公開裁判の一部で行われている。公開群集裁判には開かれる都市の、青少年を含んだ住民が呼び出され見学を強要される。裁判官によって死刑判決文が読まれた後は即処刑が行われる。

死刑囚1人に対し4人の執行官が自動小銃を用いて銃殺する。死刑囚はこの時のようにされる事が多い。さらに死刑執行後は周囲の見学者たちに対し死刑囚(の遺体)に石などを投げつけ死刑囚の遺体を更に傷つける事を命令されるという事もあると言われている。処刑は都市部だけでなく強制収容所内においても行われている。

正確なデータは存在しないが、かなり多い頻度でこうした死刑は行われていると言われている。

インド

1980年、インドの最高裁は死刑の判断ケースを「極めて稀なケース」のみと制限したほか、2004年度以降はしばらく死刑の執行しなかった。このまま実質的に廃止されるかに思われたが、2008年、160人以上が死亡したムンバイ同時テロが発生。2012年、実行犯の死刑を執行したことから、死刑に対する議論は活発になった。2012年現在の死刑囚は、約400人存在するという[26]

中東諸国

人口の大部分がムスリムである中東諸国では、死刑執行数が多い。インドネシアでは銃殺刑が法定刑であるが、イランサウジアラビアではコーランの教えにある斬首刑や石打刑が行われている。

サウジアラビアでは厳重な報道管制を敷いており死刑制度の実態については明らかではないが、人口当たりの死刑執行数は世界最多であると推測される。また名誉の殺人は罰せられないため私刑がされることがある。神に対する冒涜を行った異教徒を殺すことは名誉の殺人であるとの判例があり、テロリスト輸出国になった原因だと指摘する指摘もある。コーランには、殺人であっても被害者遺族が許した場合には死刑の執行が免除されるとあるため、ムスリム同士の場合は金銭による示談(いわゆる血の賠償金)で死刑が免除される場合がある[27]

その反面、出稼ぎ労働者については窃盗などの罪で死刑になる場合もあり、ムスリムと異教徒で刑の軽重に差があるとも言われている。また、強姦の被害者が逆に犯罪者として死刑になるケースも存在する。

ヨーロッパ

過去、イギリスでは、1969年の廃止以降、IRAのテロが多発した為、保守党などから数度死刑復活案が唱えられた事がある。またノルウェーは、1945年にヴィドクン・クヴィスリングを死刑にするために特別に銃殺刑が復活している。1945年5月9日に死刑判決を受け、1945年10月24日に銃殺刑を執行した。

現在、欧州連合 (EU) 各国は、不必要かつ非人道的であることを理由として死刑廃止を決定し、死刑廃止をEUへの加盟条件の1つとしている。また欧州人権条約第3条で死刑を禁止するとともに、欧州評議会においても同様の基準を置いている。このため、現EU加盟国の中で死刑制度を存続している国は、軍法上で死刑制度を存続させているラトビアを除き、1ヵ国も存在しない[28]

EU加盟を目指しているトルコ共和国イスラム教国であるが、人権と基本的自由の保護のための条約の第13議定書に従い死刑制度を廃止した。

ベラルーシはヨーロッパで唯一の死刑存置国である。そのため、EU非加盟国であり、人権と基本的自由の保護のための条約第13議定書によって死刑を全廃した欧州評議会から排除されている。

ロシアは、ソ連時代末期の1988年に当時の民主化と人道主義の観点から、死刑の適用対象から60歳以上の高齢者と経済犯罪を除外した。その後は非常に悪質な故意殺人に対してのみ死刑制度が存置されていた[29]1996年の欧州議会加盟時に死刑執行を停止(99年まで執行があったチェチェン共和国を除く)。1999年に憲法裁判所が、陪審制をすべての地方で導入されるまでの暫定措置として、死刑執行を停止していた。しかし一部の下級裁判所は死刑判決を継続している。停止は2007年初めに期限切れとなりロシアが2006年5月に欧州評議会議長国に就任したことをきっかけに、ヨーロッパ諸国から欧州人権条約の死刑廃止議定書(第13議定書)批准を求める声があがっていた[30]。なお、ロシアの憲法裁判所は2009年11月19日に死刑廃止を定めた欧州人権条約第13議定書を批准するまで、死刑執行を禁止する決定を出した。これは、メドベージェフ大統領は死刑の廃止を支持していた背景がある[31]

2001年6月、欧州評議会は、死刑を存続している日米両国に対し2003年1月までに死刑廃止に向けた実効的措置の遂行を求め、それが成されない場合、両国の欧州評議会全体におけるオブザーバー資格の剥奪をも検討する決議を採択した。

アフリカ

アフリカ53カ国のうち13カ国が死刑廃止している。また20カ国が死刑執行していない。合計すると53カ国のうち死刑を行っていない国は33カ国である。政情が安定している南部諸国における廃止が目立つ。ただし、政情が安定している地域でも、アラブ圏ではイスラム法の影響もあり死刑存続している国が多い。フランスの文化的影響の強い西部アフリカ諸国は、死刑執行を一時停止しているか、国事犯を除く通常犯罪への適用を行っていない国が多い。

南北アメリカ

死刑制度があるのは、アメリカ合衆国(連邦法と軍法と33州法)と中米のグアテマラ、キューバなど少数である。そのうちアメリカは先進国で最大の死刑執行数を記録しているが、多くの死刑執行はテキサス州で行われており、そのためアメリカのメディアが「死刑の格差」と報道しており、同州でこのような姿勢をニューヨーク・タイムズは「執行に対する住民の積極的な支持」、ロイター通信は「犯罪者に厳罰を科すことをいとわない『カウボーイ気質』のほか、一部で根強く残る人種差別意識がある」と報道した[32]

ラテンアメリカ(南米)諸国の傾向として、78%の国が一般犯罪に対する死刑を廃止し、59%の国が完全な死刑を廃止している。死刑制度存続国も、10年以上死刑を執行していない。

アメリカ合衆国

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アメリカ合衆国の州別の死刑制度
青:死刑を廃止した州(17州=2013年現在)
橙:死刑が憲法違反であるとされた州(2州)
緑:1976年以降死刑を執行していない州(2州)NYを除く
茶:死刑が執行される州(32州)

アメリカ合衆国において最初にミシガン州で死刑が廃止されたのが1847年と、ヨーロッパの死刑廃止の歴史よりも古い。アメリカ合衆国において、死刑を廃止した州や地域は時代の進行とともに増加している。州、連邦政府の直轄地、自治領、信託統治領、連邦法、軍法を合計すると、法律を制定する58の主体があり、そのうち、18州、1直轄地、2自治領、3信託統治領の、合計24の法律制定主体で法律上死刑が廃止され、32州、連邦、軍隊の合計34の法律制定主体で法律上死刑が定められている。

凶悪犯罪の少ない裕福なニューイングランド諸州や、裕福でこそないが治安が安定している北部内陸州において死刑が行われず、貧しい南部諸州では死刑執行数が多い傾向にある。全米では被告人に対する死刑の宣告ならびに死刑執行は減少傾向にあるが、テキサス州など死刑執行の盛んな地域もある。また、未成年に対する殺害を伴わない性犯罪の再犯者への死刑が適用される州法がサウスカロライナ州フロリダ州ルイジアナ州モンタナ州オクラホマ州の5州で成立したが、殺人を犯していない性犯罪者に対する死刑適用は過酷であり、憲法違反であると法学者から強く批判されていた。なお連邦最高裁は2008年6月25日に「非道な犯罪であっても、被害者が死んでいない事件で死刑を適用する法律は、残酷な刑罰であり合衆国憲法に違反し無効」という憲法違反判断を下している。そのため、事実上この法律は見直される公算が大きい。

1990年以降の犯罪捜査でDNA鑑定が導入され、過去に有罪で死刑判決を受けた死刑囚の冤罪が明らかになり、特に2000年代後半以降では再審無罪になるケースが多発している。1973年から2001年までにアメリカ国内では96名の死刑囚が釈放されているが、特にフロリダ州では21名も釈放されている。同州では、5名の死刑執行が行われる間に2名が無罪放免になったという。

死刑の適用に際して経済的人種的差別が存在しているとの指摘もある。これは、優秀で報酬の高い弁護士を雇用できるほどの経済力を持つ者が司法取引等で減刑される一方で、比較的貧困層の多いアフリカ系アメリカ人に対する死刑の適用が人口比と比べて多いとの指摘がある。

アメリカ合衆国では、1976年に死刑制度が復活して以降、執行数は1999年の98人をピークに減少傾向にあり、2012年においては43人と半数以下まで激減。死刑の代わりに終身刑を選択するケースが増えている。法律上死刑がある全ての州が毎年必ず死刑を執行しているわけではなく、2012年現在およそ7割近い州において死刑執行が行われていない[33]。また年度別の死刑執行数も州により著しい差がある。

軍法では1962年以後死刑の執行は無く、ニューハンプシャー州カンザス州は、連邦最高裁が死刑は違憲と判決した1972年(連邦最高裁は1976年に合憲と判決を変更し1977年から執行が再開された)以後の執行は無い。「薬物による死刑執行が激痛を与える可能性があり、残酷で異常な刑罰を禁じた憲法違反の疑いがある」として訴えた件について、連邦最高裁が2007年9月に審理することを決めてから、2008年4月に合憲判決を出すまで全米で執行が停止していた。

オセアニア

オーストラリアニュージーランド共にいかなる場合も死刑を廃止している。ニュージーランドには死刑廃止後、復活させた事があったが、今日は死刑を非人道的として完全に廃止している。島嶼諸国も死刑廃止している。パプアニューギニアは10年以上死刑停止状態である。そのため、事実上死刑制度が存在しない。

各国別の死刑制度の現状については下記ボックスを参照。

死刑制度に関する議論

死刑および死刑制度については、人権冤罪の可能性、倫理的問題、またその有効性、妥当性、国家としての人類の尊厳など多くの観点から、全世界的な議論がなされている(詳細は死刑存廃問題を参照のこと)。議論には死刑廃止論死刑賛成論の両論が存在する。死刑制度を維持している国では在置論と呼ぶ、廃止している国では復活論と呼ぶ。もちろん死刑の廃止と復活は、世界中で史上何度も行われてきている。

近年では死刑は、前述のように凶悪事件に対して威嚇力行使による犯罪抑止、または犯罪被害者遺族の権利として存置は必要であると主張される場合がある。ただし前者は統計学および犯罪心理学的に死刑の有用性が証明されたものではなく、存在意義はむしろ社会規範維持のために必要とする法哲学的色彩が強い。後者は親愛なる家族が殺人被害にあったとしても、実際に死刑になる実行犯は情状酌量すべき事情のない動機かつ残虐な殺害方法で人を殺めた極少数[34]であることから、菊田幸一など死刑廃止論者から極限られた被害者遺族の権利を認めることに疑問があるとしている。また、いくら凶悪なる殺人行為であっても、その報復が生命を奪うことが果たして倫理的に許されるかという疑問も指摘されている。

また、死刑執行を停止しているロシア当局によるチェチェン独立派指導者の「殺害」などがあり、死刑制度の有無や執行の有無が、その国家の人権意識の高さと直接の関係はないとの主張も存在するが、死刑制度は民主国家では廃止され非民主国家で維持される傾向にある。地理的には、ヨーロッパ、そして南米の6カ国を除いた国々が、廃止している。ヨーロッパ諸国においてはベラルーシ以外死刑を行っている国は無い(ロシアにおいては制度は存在するが執行は十年以上停止状態であるといわれる。チェチェンを参考のこと)。これは死刑制度がヨーロッパ連合が定めた欧州人権条約第3条に違反するとしているためである。またリヒテンシュタインでは1987年に死刑が廃止されたが、最後の処刑が行われたのが1785年の事であり事実上2世紀も前に廃止されていた。またベルギー1996年に死刑が廃止されたが最後に執行されたのは1950年であった。このように、死刑執行が事実上行われなくなって、長年経過した後に死刑制度も正式に廃止される場合が多い。

欧州議会の欧州審議会議員会議は2001年6月25日日本およびアメリカ合衆国に対して死刑囚の待遇改善および適用改善を要求する1253決議を可決した。この決議によれば日本は死刑の密行主義と過酷な拘禁状態が指摘され、アメリカは死刑適用に対する人種的経済的差別と、少年犯罪者および精神障害者に対する死刑執行が行われているとして、両国の行刑制度を非難するものであった。

通常犯罪における死刑が廃止されても、国家反逆罪ないし戦争犯罪によって死刑が行われる場合がある。例えばノルウェーのヴィドクン・クヴィスリングは1945年5月9日、連合国軍に逮捕され国民連合の指導者と共に大逆罪で裁判にかけられ、銃殺刑に処せられた。ノルウェーでは、この裁判のためだけに特別に銃殺刑を復活(通常犯罪の死刑は1905年に廃止されてはいたが)した。また同様にイスラエルナチスによるホロコーストに関与したアドルフ・アイヒマンを処刑するため、死刑制度がないにもかかわらず(戦争犯罪として適用除外されたともいえるが)死刑を宣告し執行した。

中東とアフリカとアジアにおいては総じて死刑制度が維持されている。冷戦時代は総じて民主国家が廃止、独裁国家が維持していたが、現在では冷戦崩壊後の民主化と大量虐殺の反省により東欧と南米が廃止、アジアおよび中東とアフリカの一部が民主化後も維持している状態である。またイスラム教徒が多数を占める国では、イスラーム法を名目とした死刑制度が維持されているが、トルコのようにヨーロッパ連合への加盟を目指すために廃止した国や、ブルネイのように1957年以降死刑執行が行われていないため事実上廃止の状態の国もある。




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