時計だらけの男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/07 09:03 UTC 版)
背景・位置づけ
この作品は、ストランド・マガジン誌1898年7月号に掲載された。当時ドイルが同誌に連載していた『炉辺物語』の1つで[1]、1908年に発行された同名の短編集(英: "Round the Fire Stories")に収録された[2]。挿絵はフランク・クレイグ(英: Frank Craig)が担当している[2]。
ホームズが1893年に『最後の事件』で「葬られて」から5年後に発表された。また、正式なホームズシリーズ作品の続編『バスカヴィル家の犬』(1901年発表)に先行して発表されている。ホームズの登場は明言されないが、デイリー・ガゼット紙に、「この事件には大胆な仮説が必要だ」とする高名な犯罪研究家の言説が掲載されたとされ、このことからホームズシリーズの外典として扱われている。しかしこの事件の発生は1892年とされ、『最後の事件』後の大空白時代中の事件であるため、この犯罪研究家をホームズと同一視するには無理がある(ライヘンバッハの滝でのモリアーティ教授との対決は、1891年に設定されている)。
またマッコイはいかさまカード賭博師とされているが、ホームズが復活した『空き家の冒険』には、いかさまカードが露呈した犯人が、それを見抜いた相手を殺す筋書きが含まれている。
書誌情報
- 原文
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- Arthur Conan Doyle. The Man with the Watches. - ウィキソース.
- 訳本
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- アーサー・コナン・ドイル『ドイル全集 第8巻』延原謙、大佛次郎、田中早苗訳、改造社〈世界文學大全集〉。全国書誌番号:47032732。NCID BB03866578。OCLC 834796708。
- 復刻版:アーサー・コナン・ドイル『最後の戦艦;伯父ベルナツク;愛の二重奏;炉辺物語』田中早苗、和氣律次郎、石田幸太郎、横溝正史訳、本の友社〈コナン・ドイル全集 第8巻〉、2006年3月。全国書誌番号:20998374。ISBN 4-89439-515-0。NCID BA75757639。OCLC 675518617。
- 訳題『時計を持った男』[2]、訳者:横溝正史
- アーサー・コナン・ドイル『ドイル傑作集(I) ―ミステリー編―』延原謙訳、新潮社、1957年8月30日。全国書誌番号:21230344、NCID BA80833736・NCID BN05140046。ISBN 978-4-10-213411-5。OCLC 676611432。[3]
- 訳題『時計だらけの男』、訳者:延原謙
- アーサー・コナン・ドイル『ドイル傑作選Ⅰミステリー篇』北原尚彦・西崎憲(編)、翔泳社、1999年12月5日。全国書誌番号:20020619。ISBN 9784881357385。NCID BA4540366X。OCLC 675697763。[4][2]
- 訳題『時計だらけの男』、訳者:北原尚彦
- アーサー・コナン・ドイル『まだらの紐』北原尚彦・西崎憲(編)、北原尚彦・霜島義明訳、東京創元社〈ドイル傑作集 1〉、2004年7月23日。全国書誌番号:20644195。ISBN 4-488-10110-0。NCID BA81974019。OCLC 674684106。[5]
- 訳題『時計だらけの男』、訳者:北原尚彦、挿絵収録、翔泳社版の再録
- アーサー・コナン・ドイル『ドイル全集 第8巻』延原謙、大佛次郎、田中早苗訳、改造社〈世界文學大全集〉。全国書誌番号:47032732。NCID BB03866578。OCLC 834796708。
脚注
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注釈
出典
- ^ アーサー・コナン・ドイル (2004, p. 344)
- ^ a b c d 関屋悦子(みっちょん). “Round the Fire(炉辺物語)について”. シャーロック・ホームズの世界. 2016年4月9日閲覧。
- ^ “コナン・ドイル 延原謙『ドイル傑作集(I)―ミステリー編―』”. 新潮社. 2016年4月9日閲覧。
- ^ “まだらの紐 - アーサー・コナン・ドイル/北原尚彦/西崎憲 編”. 翔泳社. 2016年4月9日閲覧。
- ^ “まだらの紐 - アーサー・コナン・ドイル/北原尚彦/西崎憲 編”. 東京創元社. 2016年4月9日閲覧。
- 1 時計だらけの男とは
- 2 時計だらけの男の概要
- 3 背景・位置づけ
- 4 参考文献
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