教皇ヨハネスの代数 教皇ヨハネスの代数の概要

教皇ヨハネスの代数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/13 18:02 UTC 版)

ヨハネスの一覧

#は、正統な教皇の代数(本来名乗るべきだった代数)を示す。

現代の序数 在位 出生名 備考 #
1世から14世までの序数に議論の余地はない。
1世  • 2世  • 3世  • 4世  • 5世  • 6世  • 7世  • 対立-8世  • 8世  • 9世  • 10世  • 11世  • 12世  • 13世
ヨハネス14世 983–984 Pietro Canepanova 14
ヨハネス14世その2 存在しない 中世の歴史家が教皇の書におけるヨハネス14世についての記述を誤読した。
ヨハネス15世 985–996 John 「ヨハネス14世その2」が存在したと考えられたことにより、ヨハネス15世 (16世) と併記された[1] 15
対立教皇ヨハネス16世 997–998 Johannes Philagathos or Piligato or Filagatto ヨハネス16世 (17世) と併記された[2]グレゴリウス5世に対抗して選ばれ、対立教皇とされているが、16世という序数は残された。
ヨハネス17世 1003 Sicco ヨハネス17世 (18世) と併記された[3] 16
ヨハネス18世 1004–1009 Fasanius ヨハネス18世 (19世) と併記された[4] 17
ヨハネス19世 1024–1032 Romanus ヨハネス19世 (20世) と併記された[5] 18
ヨハネス20世 存在しない ヨハネス21世により省略された。
ヨハネス21世 1276–1277 Pedro Julião
romanised as Petrus Hispanus
ヨハネス21世 (20世) と併記された[6]。15世から19世までを16世から20世とすべきと考え21世とした。 19
ヨハネス22世 1316–1334 Jacques Duèze 20
対立教皇ヨハネス23世 1410–1415 Baldassare Cossa 20世紀半ばまで正統な教皇として『教皇庁年鑑』(Annuario Pontificio)に記載されていた[7]
ヨハネス23世 1958–1963 Angelo Giuseppe Roncalli 23世を名乗ったことによりBaldassare Cossaの対立教皇としての立場が確認された。 21

ヨハネス20世

11世紀歴史家は、ヨハネスという教皇対立教皇ボニファティウス7世と正統な教皇ヨハネス15世の間に存在したと信じていた。これは、教皇についての伝記『教皇の書』(Liber Pontificalis)におけるヨハネス14世についての記述の誤読に起因するものである。『教皇の書』では、ヨハネス14世の任期について、教皇として在位していた8か月と、ボニファティウス7世に幽閉されていた4か月間とが分けられ、次のように書かれていた。

Iohannes m. VIII (ヨハネス、8か月)
Iohannes m. IV (ヨハネス、4か月)

11世紀に入って、この記述は2人の異なる教皇ヨハネスを指しているものと誤読されるようになった。2人のヨハネスを区別するために、2人目の「ヨハネス14世」については"Iohannes XIV. bis"(ヨハネス14世その2)と呼ばれるようになり、ヨハネス14世の死後にボニファティウス7世と対立した枢機卿の助祭ヨハネスと混同された。ヨハネス15世からヨハネス19世までは「ヨハネス14世その2」の存在を軽視していたとして、1276年に教皇に選出されたペドロ・ジュリアォンは「ヨハネス21世」を名乗ることでこの「誤り」を「修正」した。

19世紀になって、「ヨハネス14世」に関する誤りが発見され、現在では歴代のローマ教皇については在位中に使用していた番号で記載されている。よって、在位中に「ヨハネス20世」を名乗った教皇は存在しない。ただし、一部の資料で、15世から19世について16世から20世と書いているものがあるため、「15世(16世)」のような併記をすることがある。逆に、ヨハネス21世に20世と併記しているものもある。

何人かは、ヨハネスという教皇にまつわる数え方の混乱を、女教皇ヨハンナが実在した「証拠」として使っている。

ジェームズ・ブランチ・カベル英語版のユーモアファンタジー小説『ユルゲン英語版[8]では、主人公はこの欠落を知っており、これを利用する。主人公は誰ともかちあうことのないヨハネス20世のふりをして、天国へ入り込む。


  1. ^ Herbermann, Charles, ed. (1913). "Pope John XV (XVI)" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  2. ^ Herbermann, Charles, ed. (1913). "John XVI (XVII)" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  3. ^ Herbermann, Charles, ed. (1913). "Pope John XVII (XVIII)" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  4. ^ Herbermann, Charles, ed. (1913). "Pope John XVIII (XIX)" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  5. ^ Herbermann, Charles, ed. (1913). "Pope John XIX (XX)" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  6. ^ Herbermann, Charles, ed. (1913). "Pope John XXI (XX)" . Catholic Encyclopedia. New York: Robert Appleton Company.
  7. ^ a b Annuario pontificio per l'anno 1942, Rome, page 21, nrs. 205, Gregorio XII, Veneto, Correr (c. 1406, cessò a. 1409, m. 1417) - Pont. a. 2, m. 6, g. 4, 206, Alessandro V, dell'Isola di Candia, Filargo (c. 1409, m. 1410) - Pont. m. 10, g. 8, 207, Giovanni XXII o XXIII o XXIV, Napoletano, Cossa (c. 1410, cessò dal pontificare 29, mag. 1415).
  8. ^ ASIN 4336065403
  9. ^ "I Choose John..." in Time, 10 November 1958, p 93.


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