捕鯨文化 鯨と伝統芸能

捕鯨文化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/23 06:32 UTC 版)

鯨と伝統芸能

鯨唄

日本各地に鯨に対する漁の感謝や供養を表現した唄があり、主に鯨漁を生業にしていた鯨組により奉納されたもので、現在も伝承されている。

  • 山口県長門市通の通鯨唄。市の無形民俗文化財の指定を受けている。所作として、鯨への哀悼の意味から合いの手は禁止されている。
  • 和歌山県東牟婁郡太地町の太地鯨唄。太地町は組織的捕鯨の発祥の地とされる。
  • 千葉県勝山浮島神社と加知山神社に伝わる鯨唄。毎年、両方の神社を行き来し奉納される大漁祈願の神事のなかで唄われるが、仁浜地区と内宿地区が年番となって行い、鯨唄は内宿地区が年番のときに唄う「しきたり」となっているので2年毎に唄われる。同じ勝山の竜島地区には鯨塚があり、周囲には奉納された石祠が無数に存在する。
  • 佐賀県唐津市呼子町の鯨唄。

鯨踊り

鯨唄と同様に鯨の到来や感謝や追悼の意味を込めて踊られる。

  • アイヌ民族にはフンペリㇺセ(クジラ踊り)と呼ばれる寸劇が伝承されている。村人が寄りクジラを発見し、皆で肉を分け合う様を表現したものである。クジラを陸に追い込むシャチはレプンカムイ(沖の神)と呼ばれて崇拝された。
  • 和歌山県三輪崎の三輪崎鯨組に伝わる鯨踊りを地域住民が伝承している。衣装が独特で、袢の白地が海を、黒は鯨、縞模様の赤は鯛、緑は陸を表していて非常に華やかなものになっている。(日本遺産)
  • 北海道室蘭市の室蘭八幡宮では御神楽として「鯨神の舞」が伝承され主に祭りのとき披露される。室蘭八幡宮は寄り鯨を売って普請したことから「鯨八幡」と呼ばれ鯨絵馬も奉納されている。また近隣の鷲別神社は飢饉のときに寄り鯨によって救われたこと祈念して建立されたことから「鯨明神」と呼ばれている。
  • 長崎県新上五島町有川町に元禄年間から伝わる「羽差踊り(はさおどり)」弁財天宮に奉納される神事であり、羽差とは銛打ちのことである。この時に演奏される鯨太鼓を「羽差太鼓」という。

鯨太鼓

  • 長崎県大村市に伝わる和太鼓による演奏。日本各地の和太鼓のコンクールなどで「おおむら和太鼓連」がおおむら鯨太鼓で数々の入賞をしている。
  • 和歌山県東牟婁郡太地町に伝わる和太鼓による演奏で、鯨踊りと一緒に演じられる。太地町鯨太鼓保存会などで伝承されている。
  • 高知県室戸市に伝わる和太鼓による演奏で「土佐室戸勇魚太鼓」と呼ばれていて、室戸市地域住民により伝承され児童だけで構成されている組もある。

  1. ^ 「流れ鯨」や「寄り鯨」の意味については捕鯨座礁鯨を参照。
  2. ^ ほかに漂着物や水死体などをも同様の信仰対象とした例がある。詳細はえびすを参照。
  3. ^ 大王町史編さん委員会『大王町史』321-324、892頁。平成6年8月1日。大王町発行。
  4. ^ 日蓮書状『鎌倉遺文』12830号(17巻 136頁)
  5. ^ 東京都墨田区両国
  6. ^ 和歌山県から三重県に跨る湾
  7. ^ 大阪市中央区千日前





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