微笑み 笑顔(微笑)を作ることによる心的作用

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微笑み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 14:36 UTC 版)

笑顔(微笑)を作ることによる心的作用

実情的には微笑む場面でなくとも、作為的に満面な笑み(微笑み)の表情を作ることによって、脳内では嬉しい気分を示す反応が得られる実験結果がある[5](ようは、作り笑顔であろうと、多少、内面では喜びの情が生じる)。人は笑顔を作ると、その時の筋肉の状態が感覚受容器から脳にフィードバックされ、こうした表情を作っている時は嬉しい時であると判断するため、嬉しさの内部モデルが働き、結果として、脳内では嬉しいと感じる反応を示す(心の状態としては、「情」が「私」は今嬉しいのだと判断させている)。いわば、笑った顔を作ってみようとする「意」が能動的であるのに対して、「情」は受動的ということになる。結果論として、「情」は、意図とは関係なく、自動的にわき上がってくるものと判断される。この実験結果からわかることは、「情」は、個が主体的・能動的に作り出すものではないということである[6]

前野隆司は、「情」の存在理由について、エピソード記憶にメリハリをつける(あじけないと明確な記録として覚えにくい=混同しやすい)ためと個人的見解を述べている(微笑み・笑顔もこの一環とみられる)。

笑い

日本語の「笑い」は、可笑しさによって笑う「laugh」と、嬉しさによって微笑む「smile」の二つの行為の意味を持つが、これらは異なったものである。とはいえ、近しいものでもある。笑いにはしばしば嘲りのニュアンスが加わったり、声が加わるのに対して、微笑みにはそのどちらもない。他に、つくり笑いや愛想笑い、苦笑い、泣き笑い等の様々な笑いの種類がある。

ただし、子供をあやしていると、ほほえみから次第に声が出て、やがて本格的に笑い出す場合もあるから、連続的な関係はある。

猿の新生児にも見られる微笑み

それまで人間とチンパンジーの赤子に特有とされてきた微笑みだが、2001年に京都大学霊長類研究所と聖心女子大学の共同チームがニホンザルのメスの新生児にも「自発的微笑」があることを確認している[7]。くちびるを動かす際に両方の頬を動かす場合は微笑みではないが、聖心女子大教授の川上清文によれば、「片方の頬を動かす行為」から微笑むしぐさであると判断したとされる。

モナ・リザレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画)

注釈

  1. ^ 相対的に言うと、人は怒っている時には普段よりも眼の端が上がる傾向がある。だからこそ「あなた彼に何を言ったの? 彼、ブリブリ怒って、眼がつりあがっていたわよ。」などと言うのである。
  2. ^ TEDで嘘について講演した女性も同様の指摘した(2015年1〜2月放送)。
  3. ^ Eテレ 『100分de名著』「武士道」内で紹介されている。1990年代に海外の戦争で亡くなった日本人男性の遺族が見せた話が語られている。

出典

  1. ^ 広辞苑「ほほえみ」
  2. ^ 広辞苑「ほほえむ」
  3. ^ 参考:読売新聞2001年11月16日(金曜)付、記事に猿の微笑写真も載せられている。
  4. ^ 参考:朝日新聞2010年12月3日(金曜)付、記事を一部参考。
  5. ^ 前野隆司 『脳はなぜ「心」を作ったのか -「私」の謎を解く受動意識仮説-』 筑摩書房 2004年 ISBN 4-480-84265-9 p.69
  6. ^ 同書 p.69
  7. ^ 読売新聞2001年11月16日(金曜)付、記事に写真も載せられている。
  8. ^ “乗客への「笑顔」サービス拒否、昇給闘争でキャセイ航空労組”. CNN (CNN). (2012年12月15日). http://www.cnn.co.jp/business/35025805.html 2012年12月15日閲覧。 


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