原子力潜水艦シービュー号
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登場人物とキャスト
- ハリマン・ネルソン提督:リチャード・ベースハート(声:黒沢良、家弓家正)
- ネルソン海洋調査研究所の所長であり、シービュー号の設計者兼最高責任者。同時にアメリカ海軍で提督でもある。天才的な科学者で、しばしば極めて短時間で新規の装置を作り上げている。科学を重視する余り、時にはシービュー号のクルーを危険にさらしクレーン艦長と議論になるストーリーも存在する。家族は実の妹が一人いるだけである。[41]第2シーズンの最初の方では、ジェームズ・ボンド並みのスパイ活動も行い、女性との濡れ場も演じた。[42]先祖には奴隷貿易で巨利を得た者がいる。[43]ネルソン提督を演じたリチャード・ベースハートは、1956年制作ジョン・ヒューストン監督、グレゴリー・ペック主演の映画「白鯨」にもイシュメイル役で出演した名優である。(なお、第1シーズンのエピソード14は巨大な鯨に自分の息子を殺された科学者がシービュー号を使って復讐しようとする白鯨もどきの内容である。)
- リー・クレーン艦長:デヴィッド・ヘディソン(声:田口計、納谷悟朗)
- 第1話でシービュー号の初代艦長ジョン・フィリップが某国により暗殺されたため、ネルソン提督から召喚されアメリカ海軍を離れ、シービュー号の艦長に就任。ネルソン提督とは艦長に就任する前に海軍で一緒に仕事をした経験がある。家族の話は出てこず、おそらく独身ではないかと思われ、ストーリー中では女性とよろしくやっているシーンもある。艦長としてはきわめて有能で、指導力を発揮して数々の危機を乗り越え、クルーから「スキッパー(艦長)」と親しみをこめて呼ばれている。[44][45]
- 普段はシービュー号の操船指示を担当するが、ネルソン提督とクレーン艦長が不在の際は艦長を代行する。沈着冷静で有能な副官。
- カーリー・ジョーンズ:ヘンリー・カルキー(声:諏訪孝二)(ヘンリー・カルキーは1965年に死亡しており、第1シーズンのみの登場)
- ミサイルルームの責任者で、ミニサブの管理も担当する。演じていたヘンリー・カルキーは元ボンバー・カルカヴィッチというプロレスラー。[46]
- フランシス・エセルバート・シャーキー:テリー・ベッカー(声:椎原邦彦)(カーリー役のヘンリー・カルキーの死により第2シーズンから登場)
- カーリー・ジョーンズの後任として第2シーズンから登場。ミサイルルームの責任者で、チーフと呼ばれており、魚雷やミサイルの発射ボタンを押す役目を担っている。三枚目的性格でしばしば笑いを取るが、正義感と責任感はとても強く、しばしばネルソン提督やクレーン艦長と一緒に行動し、二人をよくサポートしている。
- ライリー:アラン・ハント(声:市川治)
- シャーキーと同様、第2シーズンから登場。演じているアラン・ハントがベトナム戦争に従軍することになったため、第2シーズンの16のエピソードのみに登場。[47]
- コワルスキー:デル・マンロー(声:羽佐間道夫)
- ミサイルルームで実務を担当したり、ソナーやレーダーを担当している。実兄はアメリカ海軍におり、深海ダイビングの専門家。名前からしてロシア系アメリカ人と思われ、ロシア語が出来る。エイリアンや蘇った海賊などに操られるという話が多くある。
- パターソン:ポール・トリンカ(声:嶋俊介)
- 艦内の様々な実務に従事。父親はTVのカメラマン。致死量の放射線を浴びて死にかけたり、銃で撃たれたりと損な役回りを演じることが多い。
- スパークス:アーチ・ウィティング(声:緑川稔)
- 無線担当。
- ドクター(艦医):リチャード・ブル(声:千葉順二)
- シックベイで、乗組員の怪我や病気の治療を担当するだけでなく、時には新しいウィルスのワクチンまで開発したりする。外部からの侵入者や、何かに操られた乗組員によって暴行を受けることも多い。
- 日本語吹替版ナレーター:浦野光
- ^ 1960年代のアレンの他のTV作品は、「宇宙家族ロビンソン」が3シーズン83話、「タイムトンネル」が1シーズン30話、「巨人の惑星」が2シーズン51話で、本作がもっとも長く続いた。
- ^ 四季出版新社、テレビジョンエイジ、1975年8月号によれば第1シーズンに留まらず常に25%台の視聴率を確保していたという。ソースは不明。
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」(2008年)、「空想科学画報Vol.2」(2009年)、en:Voyage to the Bottom of the Sea (TV series)、McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)など。
- ^ シオドア・スタージョンの小説版によると、建造の資金はネルソン家の個人的財産と全米からの寄付によるとなっている。
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」(2008年)、P.19
- ^ 潜水艦の中を舞台にするドラマの設定として女性乗組員がいないのはある意味当然である。歴史的にはディーゼルエンジンの潜水艦の中はエンジンの発する熱でかなり暑いため(冷房はあってもどちらかといえば機器を冷却するためであり、また無音航行時は当然空調は切られる)、乗員は上半身裸で勤務している場合があり(ジェリー&シルヴィア・アンダーソン夫妻が制作した「謎の円盤UFO」に登場する潜水艦スカイダイバーでは、クルーは男女とも裸の上に網目状のシャツを着用している)女性が参加出来るような環境ではなかった。また同時に艦内のスペースが限られているため女性専用のトイレやシャワールーム用更衣室を備え付けるのが難しかった(ほとんどの場合更衣室自体が存在せず通路に脱いだ衣服を置いてシャワールームを利用した)という事情がある。一般に世界の軍隊で女性の潜水艦乗組員が認められるようになったのはようやく2010年頃からであり、日本の自衛隊については、女性の潜水艦乗組員を認めたのは2018年12月になってからである。Wikipediaの潜水艦のページの「性差」の説明を参照。日本の自衛隊の事情については以下の新聞報道を参照。https://www.sankei.com/life/news/181221/lif1812210037-n1.html
- ^ 大日本絵画、空想科学画報Vol.2、2009年、P.65参照。なお、次のYouTubeビデオによると、ある女優はアレンからランチをご馳走すると誘われたが、連れて行かれたのはアレンが行きつけのハンバーガーのチェーン店だったと言っている。https://www.youtube.com/watch?v=i6ynAWNgiT0&t=56s
- ^ その中の一人には、スタートレックのファーストシーズンの加藤(ズールー)役で日本でもおなじみのジョージ・タケイがいる。第2シーズンの第10エピソード。
- ^ 1960年代のアメリカのTV番組におけるアフリカンアメリカン俳優の浸透については以下のサイト(英語)に情報がある。https://jfredmacdonald.com/bawtv/bawtv10.htm なお、64年の公民権法成立の前には、「差別意識」だけでなくアフリカンアメリカンへの「差別的取扱い」が特に南部の州では悪名高いジム・クロウ法によって合法であったのであり、スタートレック(公民権法成立後)と比べてこの作品にアフリカンアメリカンが登場しないからといって、アーウィン・アレンが開明的ではなかったとするのはバランスを欠いた評価と言わざるを得ない。実際の所、公民権法成立以前のアフリカンアメリカン俳優のTVへの登場は前掲のサイトにあるように極めて限られている。
- ^ 第2シーズンのエピソード25
- ^ 第2シーズンのエピソード9
- ^ 第1シーズンのエピソード1と第2シーズンのエピソード2
- ^ 第1シーズンのエピソード14
- ^ 第1シーズンのエピソード7は、恐竜を使い回すだけではなく、後半はほとんど映画「失われた世界」そのままである。但し映画はカラーでTVは白黒。クレーン艦長役のデヴィッド・ヘディソンが「失われた世界」でも新聞記者役で登場しているため、このような使い回しが可能になった。なお、「失われた世界」の通称「トカゲ恐竜」(トカゲやイグアナ、ワニなどに飾りを付けた恐竜)はアーウィン・アレンの1960年代の4つのTVシリーズ(「原子力潜水艦シービュー号」「宇宙家族ロビンソン」「タイムトンネル」「巨人の惑星」)のすべてで使い回されている。McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)参照。
- ^ シーズン4の英語版DVDのVolume Oneに収められたデヴィッド・ヘディスンのインタビューによれば、第2シーズン以降はアーウィン・アレンは宇宙家族ロビンソンの方が忙しくなり、シービュー号へ関わる時間が減り他の監督に任せるようになったという。
- ^ 第2シーズンのエピソード17とエピソード26に第1次世界大戦時のドイツのUボートの艦長の幽霊が登場する。
- ^ 第3シーズンのエピソード2と14。
- ^ 第3シーズンエピソード19。半魚人は第3シーズンのエピソード8でも登場している。
- ^ 第3シーズンのエピソード20。
- ^ リー・クレーン艦長役デビッド・ヘディスンインタビュー Voyage to the Bottom of the Sea SEASON TWO・VOLUME TWO ASIN B000K7VHYG
- ^ 大日本絵画、空想科学画報Vol.1(2008年)、P.18。映画版ではUSOS Seaview。なおピリオド無しのSSRNはアメリカ海軍ではレーダー・ピケット(レーダー哨戒)原子力潜水艦のこと。en:USOS Seaview
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」、P.18より。シービュー号のサイズについては他に諸説あり。現在残されている撮影用のミニチュア数種の縦横高さのサイズ比が微妙に違うからである。
- ^ en:USOS Seaview参照。空想科学画報Vol.1では55ノットになっている。
- ^ シーズン3のエピソード65参照。なお、この圧壊深度は現在の通常の原子力潜水艦の約2倍のレベルである。
- ^ ノベライズ版によると、観測窓はガラスではなくネルソン提督が発明した「X強化ハーキュライト(X-tempered herculite)」製で、船体の外殻の一部でたまたま透明なだけだという。創元推理文庫、「原子力潜水艦シービュー号」、シオドー・スタージョン、井上勇訳、P.15参照。なおこの翻訳では「硬度Xのハーキュライト」。
- ^ 「最強の兵器」と呼ばれる割りには、敵から何かの攻撃を受けると、艦が左右に激しく揺れそれに伴いほとんどいつも艦内の装置が火を吹き火災が発生する。また、マシンルームにあるメインの制御装置は多くの回路がキャビネットにすら入っておらず剥き出しであり、しばしば中に入り込んだエイリアンや敵のスパイによって簡単に破壊されている。
- ^ ポール・W・フェアマンの「シービュー号と海底都市」によれば、核弾頭ミサイルの搭載はネルソン提督自身が希望したことで、しかし政府要人にそれを依頼した時はバカ呼ばわりされたのを、米国大統領が鶴の一声で決めたとしている。
- ^ 放映開始当時、原子力潜水艦は最高軍事機密であり、その内部に関する情報は公開されていなかった。現在の米国海軍の原子力潜水艦を含む原子力船は通常の原子力発電所と同じ加圧水型の原子炉を使っている。https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/pub/pamph/pdfs/usa_kaigun.pdf?fbclid=IwAR3_6mRk8DQ4stUzsG-BEeqsTCu8LIKMHRQUjA-gExa57BXfxBORuN-72SI
- ^ 第4シーズンのエピソード9では、4門ある魚雷の内、1番と3番を後方から追走する敵潜水艦に対し発射し、2番と4番を前方の敵の潜水艦基地に対して発射するという離れ業(?)を演じている。しかし魚雷の装填口は4門が正方形に配置されており、2本ずつ前後に発射出来るようにはとても見えない。「空想科学画報Vol.1」に載っている青写真を見る限りでは4本の魚雷発射口らしきものは後方にある。20世紀FOXが公開しているレイアウト図では、魚雷発射管は後方であるが、前方にも「魚雷室」が存在する。http://www.iann.net/voyage/behindscenes/blueprints/images/seaview_layout_blueprint.jpg
- ^ 第3シーズンのエピソード25参照。
- ^ 第2シーズンのエピソード22参照。
- ^ アメリカ海軍で1964年からMk45 (魚雷)という潜水艦搭載の核弾頭魚雷が実際に装備されている。
- ^ 第4シーズンエピソード6など。
- ^ 第1シーズンエピソード19など。
- ^ 第1シーズンのエピソード22など。
- ^ 第4シーズンのエピソード4。
- ^ 第4シーズンのエピソード10参照。
- ^ 第1シーズンのエピソード18など。
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」
- ^ 第1シーズンエピソード18。
- ^ 第1シーズンのエピソード32参照。
- ^ 第2シーズンのエピソード2参照。
- ^ 第3シーズンのエピソード11参照。
- ^ クレーンの正式タイトルはcaptainで、skipperは通常、より小さな艦艇の長という意味。
- ^ なお、デヴィッド・ヘディソンはアーウィン・アレンの「失われた世界」に主演(新聞記者)として出たが、恐竜探検に女性がプードル犬を連れて行くといった馬鹿げた脚本にうんざりしており、「シービュー号」のクレーン艦長役を依頼された時は気乗りがしていなかった。しかしネルソン提督役でリチャード・ベースハートが出ると聞き、ベースハートのファンだったので出演を承諾したと、英語版DVD(Season 1 / Volume 2)に収録されているインタビューで述べている。
- ^ en:Henry Kulky 四季出版新社、テレビジョンエイジ、1975年8月号によればルー・テーズやプリモ・カルネラとも対戦経験があるという。
- ^ McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、P.50参照。
- ^ この項及び他の項でのT-maru加筆分の内容はすべて第1シーズン~第4シーズン英語版DVDの視聴に基づく。
- ^ McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、P.111、大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」による。但しカタカナ表記は一部変更。
- ^ NETで放映された第1シーズン分は放送資料が残っておらず、翻訳・演出・キャスティングの詳細は不明。かつてパイオニアから発売されていたレーザーディスクには第1シーズンも含まれていたが、現在発売されている日本語版DVDは第2~第4シーズンのみを収録。なお、吹き替え版の制作にあたったのはNET版も東京12チャンネル版も東北新社。大日本絵画、空想科学画報Vol.1、P.19参照。
- ^ 大日本絵画、空想科学画報Vol.1、P.45参照。
- ^ en:Voyage to the Bottom of the Sea (TV series)、McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、国会図書館での検索でのパイオニア製レーザーディスクの書誌情報、原潜シービュー号~海底科学作戦 DVD COLLECTOR'S BOX Vol.1~Vol.5、大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」による。但し脚本家の表記変更:ホワィトン→ホワイトン
- ^ アーウィン・アレンの従兄弟。単独脚本の話が2話、第4シーズンにある。McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、P.101
- ^ 第1シーズンのエピソード18とまったく同じタイトルだが、話としては別で関連性は無い。
- ^ 偕成社から小学校高学年向けに出ていたSF全集で全28巻。https://garamon.jp.org/archive/6703 http://www.princess.ne.jp/~erb/kaiseisha.html 参照。
- ^ スタージョンのビブリオグラフィーを見ても、本作は日本以外では発売されていないように見える。http://www.isfdb.org/cgi-bin/pl.cgi?700652
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